JAL国内線搭乗記 / 羽田 → 山形 : やっぱり撮れ高たかい山形線!(JL179 / HND-GAJ)

トラベル(国内)

今日は短めに国内移動のお話を。

2年前にエントリとして上がっていたJAL国内線搭乗記 / 羽田 → 山形 : エンブラエルから見た日本の原風景(JL179 / HND-GAJ)を再び追体験する機会に恵まれました。最近国内移動が少ない生活(といっても結構してはいますが)、の中でも更に珍しい「山形」への移動。幹線便(※大都市を結ぶフライト)ではないところに私の中の旅情もひときわ高まった1日でした。

何やら2年前の記事とまったく同じような写真から幕を開けますが、夕方の少し前ちょっとスケジュールに余裕を持って普段は使用しない羽田空港「第一ターミナル」に到着です。ANA派の私にとって、よほどの機会がないと利用しないこのターミナル。ANAとJALがここに共存していた時代を思い出しつつ、ちょっとした郷愁に襲われてしまうものです。

見ての通り現在はJALグループが使用するターミナルですので、館内はJALブランディングでしつらえられ、第2ターミナルと比べると暗めの照明が日本の昭和を代表するキャリアだった時代の古き良きJALの匂いを今もなお発し続けています。

私は少し時間があったので、山形での会食を前に軽く腹ごしらえをしようと、本館5Fにある「寿司田(すしでん)」さんへ趣き、握りの定食をいただくこととします。

なんでしょうね、海外出張が多い反動からか無性にお寿司を食べたくなる瞬間が最近多く、目の前に現れた美味しそうな握りの数々に胸が高鳴ります。この「雅」というセットは2,600円ほどなのですが、残念ながらあまり良いコスパという感じのお味ではありませんでした。第2ターミナルにあるやっすいお寿司屋さんの方が個人的にはネタもシャリも美味しくいただくことができると思います。(第1ターミナルにはもう一軒カジュアルなお寿司屋さんと、さらに評判の良いちょい高のお店である「寿司幸」さんがあるので、今度試してみます。)

お寿司屋さんを出て、景色を見渡すと建物全体の意匠も2タミとは違う良い意味での「昭和感」がぶっちゃけ昭和生まれの私には程よく心地よく、そのうちリノベーションが入ってしまうんでしょうが、この雰囲気捨てないでほしいなぁ・・・と思うものです。多少雑多であったり、込み入った構造の1タミって、国際空港などが好きな人にはドンピシャの旅情感があるんですよね。

お寿司をお腹いっぱい頬張り満足な私は、そんなこんなで重厚かつ大人の落ち着きを感じる1タミの館内を少し散策し「専用保安検査場(JGC以上で使用可能)」を通り、するっと「Sakura Lounge」へ入ってゆきます。

「前回」とは異なり、晴れ間を見せている今日は景色が良さそうではありますが、残念ながら若干空気がヘイジーです。向かい合う国際線ターミナルすらクリアではなく、少しモヤがかかった感じで見えてしまうのはちょっと悲しいものがありますね。・・・ちなみに、サクララウンジ等の話題は前回のレポートの方が詳しく書かれていますので、ご興味のある方はご覧になってください。当時と大きく内部は変わっていませんでした。

普段なかなかゆっくり見ることのできないJAL機のディパーチャープリパレーションを目の前に見ながらしばし飲み物をいただきつつ、メールの返信などに勤しみます。ANA以上にJALはまだ羽田でBoeing 767の運用を見ることができる気がしますね。景色は少しづつ夕暮れに近づくアンバーな色が混ざってくる時間帯でした。

通路が長く、そして出発客と到着客が同フロアで交錯する構造も少し2タミ慣れした私には新鮮なものに映ります。そしてやはり少し照明は暗く、部分的に人がいないゲート付近は空港独特の「寂寥感」を感じる瞬間があるなど、ジェット燃料独特の香りがフロア中に漂っていたかつての成田を彷彿とさせる味わいを今でも感じることができるのが1タミの良さでしょうか。

24番ゲート(1タミの旧管制塔側最果てのゲート)の向かいには「三本コーヒー(M.M.C Coffee)」のショップがあり、少しターポリンなどを今風に変えてはいましたがここにも古き良き昭和感がたっぷりと残されており、時間があればのぞいて見てほしい空間になっています。最近このソフトクリームの看板もなかなか東京では目にすることが減ってきましたし、カレーなどのサイドメニューがある点も「喫茶店」感があって最高ですよね。

余談ですが、第1ターミナル内に三本コーヒーさんは、別業態店舗である「Cafe LAT 25°」をオープンされています。喫茶店形式なら1タミゲート側、今風のカフェなら1タミ出発階の「LAT 25°」とMMCコーヒーを使い分けるというのもなかなか旅慣れた楽しみとして面白いかもしれませんね。

ちなみにANA側ターミナルでこの昭和感を楽しみたい場合は「M.M.C」の完成度からは少し落ちますがターミナル北ピア3Fにある「CAFE NORTH GATE 52」がオススメです。こちらからは北ピアに駐機する機体や、RWY16Lからの出発機、RWY22への着陸機の様子が一望できます。地味にさほど混んでいないという点も使う側には好都合です。かつてはこの奥に「Signet Lounge(今でいうANAラウンジ)」がありましたが、今はないというのも少し寂しい限りです。

私の搭乗便は17:40発ですが、旅客数が少ないためギリギリの17:34に優先搭乗が始まりました。結構急な下り坂になっているPBB(Passenger Boarding Bridge)を降りて行くと、1-2の変則アブレスト(座席配列)になっているエンブラエルの機内に到着です。Class Jは窓側完売だったので、短いフライトですし一般席後方窓席でゆっくりフライトを楽しむこととします。

機内からの景色はなかなかの最果て感。前回はバスボーディングでしたので、PBBからの搭乗というだけでなんか得した気分です。空も鈍い夕暮れに染まってきており(本当に空気に透明度ない日でしたね・・・)、真っ暗闇になる直前でランディングするこのフライトの記憶を思い出すのには十分でした。

本日私を山形まで運んでくれるのは「JAL179便(HND-GAJ)」、機材は「エンブラエルE190(JA241J)」です。前回乗ったのは76席仕様のE170でしたが、今回はタイプアップしていて95席仕様のE190となっています。運行するJ-AIRでは初となる「Class J」搭載機なんですね。
17:40分にドアクローズ、定刻の2分遅れとなる17:42にプッシュバックが開始されました。とても静かなエンジンスタートで、E170よりも高出力型のエンジンが備わっているのですが、エンブラエルの快適性をこの段階で感じてしまう程スムーズかつ静粛な機内です。

微妙にタイプが違うんですが、唯一手持ちの素材であった「エンブラエルE195」の写真を貼っておきます。これはヨーロッパ国内移動時に乗ったルフトハンザの機材です。

プッシュバック中に機内では「上昇、降下中に雲の影響で揺れる旨」が報じられました。元々あまりの短距離(約190mile、空にいる時間は40分弱、ブロックタイムで1時間)フライトですのでドリンクサービスなどはないのですが、飴ちゃんも配れるかわかんないってことですね(笑)。

タキシングを始めると遠くに真新しいシンガポール航空の「Airbus A350 XWB」が見えます。最近は国内でもこのA350を見るチャンスが増えましたよね。まだ乗ったことはないので、できるだけ近いうちに体験してみようと思います。

我々の横を静かーにテイクオフしてゆきました。・・・しかし、デザインにうるさいはずのヨーロッパ製であるにも関わらず、なぜエアバスってのはこうも癖の強い微妙〜なデザインなんでしょうねぇ。コックピットの窓の黒い塗りつぶしの形とか私にはどうみても「天才バカボンにでてくる本官さん」の顔にしか見えないんですが。

私を乗せたE190は、RWY16Lから17:52に離陸をしました。離陸直後から横風を受けてグラッグラッっと揺れる小型のボディではありますが、羽のサスペンションがよく聞いており不安な動きはありません。このサイズの旅客機の場合横風を受けてヨーイング(捩じり慣性)が発生した時の機体の動きがよくわかるので客席にいながら思わずヨーイングした方向とは逆のペダルを踏み込んでヨーを消したくなる気分に駆られます。

この山形便(JL179便)は出発時間がベストであることも手伝い、この時期は本当に撮れ高の高いフライトだと個人的には思っています。

離陸直後には雲間から地上へ向け、光のカーテンが降り注いでいる様子が綺麗見えましたし、これから着陸まで日本の自然のスペクタクルをなかなかの迫力で客席へ届けてくれるのです。

離陸して数分すると機窓には雲の上に顔を出した霊峰富士が夕闇をバックに神々しくそびえる様子を楽しめます。何層にもなった雲と、雲間から漏れる夕陽が自分の想像を超えた自然のグラデーションを見せてくれる姿には、もうこの時点で「やっぱ山形便は取れ高高いいわ〜」とホクホクになれますよね。

ちなみに、座席は「ポートサイド(左舷側)」を取られることを強くお勧めいたします。

富士に見とれた次の瞬間には、地上の川に夕陽が反射してゴールドの筋をキラキラと輝かせる様子が目に入ります。毎秒輝きが変化するこの荘厳な夕暮れのひと時は「やっぱり空の旅っていいなぁ」と思いを新たにさせてくれます。

短距離フライトですので、巡航高度も低いためシーリングの高かったこの日は最終的に一番上の層の雲を突き抜けることはありませんでした。データを確認したところ巡航硬度は21,000ft!おぉ、低いですねぇ(通常のフライトは30,000ft以上)。その代わり、低層雲に夕日が当たって多色模様を浮かび上がらせる光の屈折に伴うショウを存分に楽しむことができましたし、当然雲間から見える地上の景色も通常以上に大きく、リアリティを持って眺めることができました。

なんと離陸から20分後となる18:12に機体はTOD(Top Of Descend : 進入降下開始地点)を迎えます。ここからゆ〜っくり機体は高度を下げてゆき、18:21には再びベルトサインが点灯するのです。

迫り来る出羽三山の一つである月山付近の急峻な頂に被った雲を眼下に見下ろしながら、山肌スレスレ感のある高度で機体は目的地へ向けたアプローチを開始します。前回もそうでしたが、一旦空港の西側を北へ大きく通り越し、そこから右旋回で空港側へ戻りつつも、再び空港を通り越したのち左旋回で最終的に空港へヘディングを合わせるという独特の到着方式を使いながら降りてゆきます。(この辺もっと詳しい方がいらっしゃると思いますが・・・)

空港へ向かう最後の左旋回の途中です。これから降りて行く方向には分厚い雲の層がありますね。ちなみにこの手の雲はあまり揺れないんです。実際この日もここにたどり着くまではそこそこ揺れましたが、この雲に進入後はほぼ揺れず・・・なんですよね。揺れる雲と、揺れない雲の見分けってのはなかなか難しいものです。

着陸直前には山形らしい多くの水田が夕日を反射してキラキラ光るのですが、この日は夕陽自体に雲が被ってしまい光量が不十分で、前回ような心洗われる景色!までは至りませんでした。とはいえ、前回も書きましたがこの日本の原風景の様な機窓には感動を覚えます。

いやー、すごい水田の数ですね。綺麗に区画整理されていて、幾何学な風景がずーっと見ていたい気分にさせてくれます。ソフトフォーカスの様なアンニュイな夕陽の灯りもたまには悪くないかな・・・(笑)。

かなり肉眼でみた状態にわざと近くして撮ってみましたが、出発時と大きく変わらない明るさの山形空港へ18:42到着です。この日の日没は18:44、実にこの2分後に日没だったんですね。余談ですが、この日の東京の日没は18:40。山形と4分差です。到着ランウェイはRWY01、南側からの進入でした。

おなじみの滑走路上でのUターンをして、駐機スポットまで急ぎます。もう東側の景色は完全に暮れていますね。

少し見えやすく明るめに撮影していますが、はい「おいしい山形空港」到着です!今回も目の保養になる素敵な景色を存分に楽しませてくれました。飛行機だと東京からわずか1時間でこんな素敵な自然に囲まれた街に旅ができる。最高ですね。

私はこのままシャトルバスに乗り込み、山形駅まで移動したのちそのまま現地スタッフとの会食を皮切りに翌日も業務をこなしてわずか1泊2日の旅を終えることとなります。

そういえば帰る前にちょっとだけ空き時間ができたのでレンタカーを借りて蔵王に行ってきました。これは有名な御釜ではないですが、こういった火口湖、カルデラなどの姿をこの至近距離で見ることができるのは本当に貴重だなぁと感じます。晴れていたら最高の景色だったんでしょうけど、このそぼ降る雨の中みる蔵王の山々も悪くなかったです。

ギリギリまで山形で仕事をしていたので、帰りは山形新幹線を利用して帰ります。私が使ったのは山形駅発20:43となる「つばさ160号」、本当の最終便です。これに乗ると東京駅着が23:28。ひと旅ありますね(笑)。

長い新幹線ライフに備え、駅で駅弁を購入しゆっくり食べながら帰ります。ちなみにこの「つばさ160号」は山形駅から東京駅まで車内販売がありませんので、ご飯や飲み物を買い忘れて乗ってしまうと・・・「地獄です」。車内に自動販売機もありまっせん。

さらにグリーン車は先頭車両なのですが、まぁ乗っている人がほとんどいないので、とても心静かにゆーっくりと帰ることができます。ブランケットも置いてあるのでリクライニングして、ヘッドフォンで音楽を聴きながら真っ暗な車窓を眺めるって感じですね。

年に何回かこういう山形や中国地方などへの旅があると、心のリセットに役立つなぁと改めて感じる2日間でした。

ではまた!

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この記事を書いた人

東京でプランナー・コンサルタントとして働きつつ、様々なフィールドで遊ばせてもらっています。

ON / OFF問わず日本各地、世界各地へ出かけることが多いこと、そして移動手段
である航空機が大好きなのでそんな日常を多くの人と共有しようとブログを書いています。また、最近では愛車ポルシェ911での日々を綴るYoutubeチャンネル「Nine Eleven Cruise」も更新していますので、こちらも是非チャンネル登録の上御覧ください。

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