NEWS : 「ANA」-旅客の預け荷物を載せずに出発。到着空港で混乱へ。

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皆様お盆を満喫されていることかと思います。特段日本時間であまり働いていない私は普通に仕事をしていますが、歩く街の中がお盆ムードでいつも混雑している路線が空いていたり、思わぬところが混んでいたりと、普段とは異なるシーズンなんだなぁという季節感を感じながら数日過ごしています。

帰省、夏休みの旅行などお出かけなさる皆様がトラブル等に巻き込まれない様に個人的に祈念させていただきますが、残念ながらトラブルに巻き込まれてしまった方々が本日早朝に発生してしまったようです。

NHK
(記事元:NHK NEWS WEB

●要するにどんなトラブルか?

このトラブルは、本日早朝に羽田空港第2ターミナル内の預け手荷物を運搬するコンベアが故障した事が発端となるのですが、大きな流れとして以下の様になるかと思います。
①早朝に貨物用ベルトコンベアが故障
②旅客の預け手荷物の搭載に多大な負荷が発生(該当機まで運べない)
③定刻及び、多少遅れての出発が不可能となる

④対象便には預け手荷物を搭載せず、旅客だけを乗せて離陸することを判断
⑤定刻遅れで各便が離陸
⑥到着空港で「旅客の手荷物が搭載されていないことを旅客に伝達」
⑦当然困った旅客が航空会社に対して抗議を行い大混乱

●何故混乱に至ったか?

これは単純に分析することは極めて難しいのですが、そもそも旅行だ、出張だ、で荷物を預ける人達は、現地で過ごすために必要な荷物の中でもかさばる「衣服」「雑貨」「資料」「お土産」「機材」などを預けている訳で、よほどリスクマネジメントに長けた旅慣れた人でもない限り手元には「お財布」や「カメラ」程度の持ち合わせしかないと思います。
つまり、現地に着いていきなり「あなたの荷物はありません、そのうち届きま~す。」って言われると、事実上現地で活動できない宣告をされるに等しくなるわけですよね。
そらぁ、混乱するわ・・・と。
小さな子供を抱える家族だったりしたら、子供用のオムツや離乳食、着替え、大量の肌着類などが消え失せるわけですから死活問題です。今回の事象は国内線なんで、まぁ、全部基本的には現地で買えますけど、その購入費をANAが負担する訳でもなく大損害です(※全ての旅客に対してかは確認できていませんが、現地で5,000円が旅客に対して支払われている様です。)。そもそも旅行先でレンタカー移動でもない家族がそんな大荷物を買い出しに行くなんて、まぁ散々な訳ですよね。
今回は野外フェス参加のバンドの方々も含まれていた様で、彼らの命よりも大切な楽器類が届かないとなると、フェスでのパフォーマンスへの影響だけではなく、その日の為に頑張ってきた苦労までもが水の泡ですし、彼らのパフォーマンスを楽しみにフェスに参加するお客さんの期待に対しても大きな影響が出るわけです。
上記の様にそれぞれの旅客に、それぞれの事情があるわけで、ひとまとめに「旅客」って考えて処理しちゃうとそれもう阿鼻叫喚なのは火を見るより明らかです。

●もっとも今回の件で対応がまずかったと思われる点

今回の件、言ってみれば「巨大なロストバゲッジ事象」な訳ですが、単なるロスバゲで処理してしまうには厳しい問題が含まれていると思います。
そもそも多くのロスバゲは「積んだと思っていたのに積めていなかった」から発生する訳で、旅客としてはそれはそれで怒り心頭になる訳ですけど、まだ「出発時点では把握できていなかった」点において悪質ではないと判断し、その後の事に頭を使えるかもしれません。
しかしながら本日の事案は「出発時点で積んでいないことを(少なくともANA側は)把握していた」ということが、到着後アナウンスされた旅客の心象をさらに悪くしてしまった点かと思います。・・・後は旅慣れてない帰省客などが多いこのシーズンにやらかしたってのも微妙に事が大きくなってる要因の一つでもあるかと思いますが、そんなもん、旅慣れている・慣れてないなんて旅客の知ったこっちゃありませんので、とにかく「荷物がねーってどういうことだよ!」につながる訳です。
ということを鑑みて、極めて第三者的な「内部事情とかを考慮しない」観点から見た今回の事案の対処としてまずいなぁと思われるのは、
「荷物を積んでいないことを知りつつ、搭乗前に旅客にそれを伝えずに離陸した。」
ってことですよね。
”あなたの荷物を積んでなくて、到着後当日か翌日に届けますけどそれでもいいですか?嫌なら次便以降に振り替えて搭乗しますか?”という選択肢提供による旅客の意思確認を搭乗前に行わず「とりあえず搭乗させて、あとで説明しよう」という事後解決方式の思考がもう、事態をめっちゃ悪くしてますね。
もちろん、
・事前にそんなことを旅客にアナウンスしたら大混乱して離陸どころじゃなくなる
・振替便とかの選択肢を提供したところで満席続きのこのシーズンに収容能力はない
・多量に人が滞留したらそもそも別便の旅客含めた空港機能の停止を招く
・この混乱に人員を割いたら、別便の対応ができる人員がいなくなる
などなど、ANAとしても様々な要素を考慮して出した結論だというのは理解できます。とはいえ、多くの旅客「個人」としての事情からすれば、結構キツイ解決策になってしまったというのが、とっても客観的な第三者的視点でのコメントになるかと思います。
ちなみに「ANAの航空約款」には以下の記載がありますので、ハードクレーム以外の方法でまっとうに戦おうとした場合は分が悪いと思われます。
【ANA国内旅客運送約款】
-第3節 第28条-「受託手荷物の搭載」
受託手荷物は、その旅客の搭乗する航空機で運送します。ただし、搭載量の関係その他やむを得ない事由があるときは、当該手荷物の搭載可能な航空機または他の輸送機関によって運送することがあります。

●個人的に思うこと

ここから先は、本事案のニュース一報を見て私個人が感じたことですので「そう思う」「そう思わない」それぞれこのブログを見ていらっしゃる方が思われるかと思いますが、あくまで一個人としての見解です。
まず「荷物を載せず出発し、現地で報告を行う」というやり方に関しては、混乱を最小限にするという意味では効果があったと思います。ただでさえ混雑しているこの時期の羽田空港の出発時に「荷物積んでません、乗ります?乗りません?」などをやっていたら、おそらく現在の段階でも相当数の便の出発に影響が出て悲惨なことになっていたかと思います。また、出発便が遅れるという事は、到着も遅れ、到着空港からの出発も更に遅れるわけですので、遅延が一日中尾を引く形となり百便以上に影響が出たことかと思います。
必要悪だと言えば、まさに必要悪だったのが、この「最少の人数に対して混乱を提供する」というやり方だったかな、と。
これが逆に「誰のかわからない荷物がどこかの便に搭載されてしまった」というような事案だった場合はセイキュリティー上の観点から確実に「全便離陸中止」、荷物全てを再検査になっていたとは思いますが。・・・これは先日新千歳空港で起きた「1人の保安検査場すり抜け女性」のために、1000人以上が保安検査やり直しになった事案とほぼ同じロジックです。
次に「荷物が届かないことへのクレーム」ですが、これは心中察して余りありますし、当事者だったら「うわー」となるに違いないのですが、航空機を含め公共交通機関を使用する旅行に関して言えば「想定をすべきリスクの一つ」だと思います。国内旅客輸送に関して言えば、世界的にも驚くべき高クオリティで「定時出発」「ロスバゲはほとんどしない」「施設、機体の清掃がきっちり行われている」などが私たちに提供されています。・・・しかしながら、こういったものは各社の努力が生み出している相当にハイレベルのオペレーションの結果であって、やはりそこには盲点や、機械的故障、複合的な要因によるエラーは発生しうるわけです。
企業に責任があると同時に、旅行者である自分達にも責任がある観点で「荷物が届かない場合」「破損していた場合」「取り間違えた場合」などを想定し、預け手荷物と機内持ち込み手荷物の中身を最適化することくらいはしても良いと思います。っていうか、多少は自分のケツは自分で拭くっていう前提で旅行せんとそりゃー、色んな環境要因でひどい旅行にもなりますわよ。トラブル含めて楽しめる様に、自分の意識を持っていく努力や覚悟も必要です。なんでも人のせいにしてたらキリがありません。
その意味で、普段の私が旅行する際の機内持ち込み手荷物は結構重めですが、カメラや薄手の上着、各種充電器、ウェットティッシュや非常食、ボディケア系など荷物が届かなくてもなんとか生活できる位の荷物は持ち歩いています。(ロスバゲの際、洋服などはもうあきらめて現地で買うと決めています)。
万が一今回の事案で「大切なプレゼン(商談)の資料が届かずビジネスに影響が出た」という方がいらっしゃったら、それは自身のリスクマネジメントがプアだった結果だと思います。そんな大切な商談の資料をロスバゲの可能性のある預け荷物にする段階でヤバい。スタッフ数名で分割して機内に持ち込むか、または資料すべてのデータをラップトップに入れ、現地で印刷出来るようにするか、普通考えますものね。仮に試作品なども機材を持ち込む場合でも、事前に送るなど意識を回す方法はいくらでもあるので、この手のクレームに関してはあまり同情できないだろうなぁと思います。
なので、この案件、個人的には「ま、しょーがねーよなー。」ってのが感想ではありますし、一切の感情を無視すれば「悪くない対応」だったんじゃないかなと思いますが、実際に被害に遭われた皆様の心中をお察しすると個人的な感覚を押し付けるのではなく、ANAにも真摯な対応と、再発防止に向けた方針、指針の公表という企業としての前向きな姿勢を見せてほしいものだな、と思っています。
もちろん、コンベア故障となった羽田空港の施設管理という点も忘れてはいけないんです。荷物の取り扱いで色々と不備を「最終的に」起こしたのはANAですけど、複合要因という点において、羽田空港のレビューや、それ以外の関連企業のレビューというものも怠らないで欲しいと思います。
ここは、感情論含めて色々なご意見があるかと思いますので。あくまで私がこの事案に遭遇したら(当事者だったら)どう思うかな・・・という部分で書かせて頂きました。

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この記事を書いた人

東京でプランナーとして働きつつ、様々なフィールドで遊ばせてもらっています。

ON / OFF問わず日本各地、世界各地へ出かけることが多いこと、そして移動手段
である航空機が大好きなことを理由に「航空機を活用した旅」をメインとしたブログ「Days of StyleDept」を書いていたものの、もう少し幅の広い話題を取り扱うブログへの進化を目指してこの「Life with curiosity」へ全面移行。

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