ANAビジネスクラス搭乗記 : 羽田 → ニューヨーク (NH110 / HND-JFK / Business Class) 2019年/12月

トラベル(海外)

年の瀬が迫っている12月、どうやら2019年の国際線乗り納めはニューヨークとなったようです。
(※国内線乗り納めは「羽田→神戸」、「伊丹→羽田」でした。)

霞みがかっているものの、冬晴れと言える心地の良い朝、羽田空港に降り立った私は手慣れたルーティンをこなしながらチェックインを済ませ優先検査場から制限エリアへ入っていこうとしています。

チェックインカウンターはクリスマス装飾で季節感を感じますね!

相変わらず羽田(の国際線ターミナル)の優先検査場は利用客数に対して恐ろしくプアな状態が続いていまして、見た目だけは電飾の入った看板を設置したり、より隔離感の強いものにしたりと小手先の処理はしているものの「全体に対して2レーン」というまともな国際空港(それも日本の玄関口だと豪語する)とは思えない処理能力に甘んじていますのではい、今朝も大混雑です。

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●相変わらずイケてない羽田の優先検査場

そして、よくよく見慣れた優先検査場の看板を見てみると驚愕の事実に直面します。・・・写真をご覧くださいませ。

そうなんです、この優先レーンを利用できるのは「F」「C」などの上級席利用者か、FFP上級会員カードを持ち、かつそのカードを発行している航空会社と利用する便が一致している場合のみ・・・なんです。つまりは「Star Alliance GOLD」をANAカードで保有していたとしても、その日利用する便が例えばユナイテッドだった場合利用できない・・・ってことなんですよね。記憶ではカードイシュアーと利用エアラインがずれていても使えていた気がするんで「え〜そうだったっけ?」という気分ではあるんですが、仮にこれが本当だとしたらめっちゃ不便ですよね。「Lufthansa」の「HON Circle」とか持っていて、ほぼ地上最強じゃねぇか?位のステータスの人がANA便で移動する際に「ルフトハンザカードの上級会員だから、ANAに乗るときはあんたヒラね。」って言われたら「おいおい、なんのためのスタアラゴールドだよ?」ってなりますよね。アライアンスの上級会員はアライアンス内だったら使えるってことだと思いますけど、どうなんでしょう。これって要するに「俺スタアラゴールドだけど、今日はJALなんだよね、JALはヒラだけどスタアラG持ってるから優先しろよ、コラ!」って人はだめですよーってことで管理されているのであれば理解はできます。

※アライアンス上級会員であれば、アライアンス内航空会社のフライトを利用する場合優先検査場は使えると思いますが、表現的に分かりにくかったので記載しています。次回利用時にしっかりと確認をしたいと思います。

・・・まぁ、こんな管理で諸外国のお客様に不快な思いをさせてなければいいのですが・・・と、ちょっと気になったのです。

・・・とはいえ、まったくの資格のないオッサンとかが普通に突っ込んできて追い返されてるの見ると「もう少し看板とか読もうよ」とも思うし、あわよくば通過してやろうっていう貧乏くさい感覚もなんだか嫌なので、そういうのに出くわすとちょっとだけ嫌な気分にもなりますけどね。

そんなある意味羽田を利用する際、常に不快・・・というか、羽田国際線ターミナルの「いけてなさ」をいきなり感じさせてくれるのがこの優先検査場なんですが、まぁなんなく通過しまして、イミグレもさささーっと自動化ゲートで通過です。最近は自動化も、一般ゲート(顔認証ゲート)も無人化してますので本当にパスポートにスタンプがつかなくなりましたね。別にわざわざ付けてほしいとも思わないので目的地でもらうスタンプだけの極めて簡素なパスポート紙面になってきています。クレジットカードサイズ位のICパスポートにさっさと切り替えてほしいんですが、もうちょい先ですかね・・・。まぁ、日本のパスポートがあらゆる国にビザなし渡航ができるほぼ世界最強のパスポートだから紙である必然性を感じないだけで、まだ世界ではビザやら入国権限やらややこしい要素はいっぱい残っていますものね。

●こちらもまた相変わらずいけてない羽田のラウンジ事情

さて、イミグレを通過した私はそのままラウンジは向かいます。こちらも優先検査場並みのイケてなさは続いていまして・・・

・羽田発着便の無計画な増便
・ラウンジ面積の不足
・FFPエリートの量産とお試し企画のやりすぎ

により「ANA Lounge」、「ANA Suite Lounge」双方が常に混雑しています。しかも(まぁこれはしょうがないんでしょうが)同時間帯発の便が固まっていることにより「猛烈に混んでいる時間帯」と「ガラガラの時間帯」が生じており、基本主要な目的地を利用する旅客は上記の「猛烈に混んでいる時間帯」の利用になってしまいますのでこりゃまた顧客体験が損なわれているわけです。ある程度の優雅さをもちながら搭乗前の時間をくつろぐラウンジの姿はそこにはなく、「機内食しょぼいからここで食ってやろう!」とラウンジフードをしこたま貪り尽くす人達であふれてる「ANAフードコート☠️」みたいになってんですよね。FFPのクラス分け整理はそろそろ死活問題じゃないか?とちょっと思ってしまうんですけどね。まぁ、これ書き始めると長いんで省略します。

まぁそんなゲンナリするフードコート(笑)にいる私もご多聞に漏れずいつものカレーを頂きます。

そして、カレーを平らげ、喫煙室でタバコを吸い終わったらいよいよ搭乗です。

●往路は消えゆく?!慣れ親しんだスタッガードを利用します!

過去の記事でご紹介させていただいたANAの新しいビジネスクラスシートですが、残念ながら本日はスケジュール及び混雑状況の関係で旧シートが使われている便を利用します。現在「成田⇄ニューヨーク」便に新機材が投入されていますので、「The Room」そして「The Suite」の様子は年明けすぐのニューヨークの旅で利用し、新しいシートのレポートをしようと思いますのでお楽しみになさっていてください。

【ANAの新ファーストクラス、ビジネスクラスシートに関する記事はこちら!】

ということで、本日は慣れ親しんだスタッガード機材にてニューヨークまで行こうと思います。

107B搭乗口からのボーディングとなり、搭乗開始を待ちますが、優先搭乗(2歳以下の子連れ、妊娠中、アシストが必要な旅客)で入ったインドネシアの家族のチケットになにやら不備があったようで、その場で搭乗券のリイシュー(再発行)となりこの処理に思いの外時間がかかり我々は待ちぼうけです。珍しく列に並んでボーディングを待っていたので余計長く感じてしまいましたが、まぁ問題も解決されたようでやっと私たちも機内へ進むことができました。

本日の座席はこちらです。ファーストクラス直後のわずか2列しか座席が配置されていないコンパートメントにある「6K」という席となります。このコンパートメントは静かで落ち着いていることが多く(目の前はファーストなので基本旅客が座席の横を歩かない)個人的には結構おすすめではあります。まぁ、6Kは背後がトイレですので「ブシャーッ!」って音は頭の後ろから聞こえますが、ヘッドフォンとかしてると全然わからないのでそういうの気にならない方は是非どうぞ。

窓の外では「Boeing 787-8」がプッシュバックをされていくところです。この-8が出発して行った後には「スターアラインスカラー」の「Boeing 787-9」が入ってきまして、これ結構新しい機材ですね。表面が綺麗です。

機内ではウェルカムドリンクが配られ、極めてルーティンと言っても過言ではない景色が目の前で展開されています。写っている写真で気づかれた方もいらっしゃると思いますが、結構前に「ANA First Class」、「ANA Business Class」のアメニティが変更となりまして、これまでの「ニールズヤード」から、容れ物は「Globe Trotter」に、中身は「雪肌精」に変更となっています(※ファーストクラスの中身は「THE GINZA」で変更なしです)。

10時22分にドアクローズ、同26分にプッシュバックが開始され微弱ではありますがディレイスタートです。

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さて、本日私たちをニューヨーク、ジョン・F・ケネディ国際空港まで運んでくれるのは「NH110便(HND→JFK)」、機材は「Boeing777-300ER(JA792A)」、飛行距離「6,765mile」、予定飛行時間「11時間46分」となっています。

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●まったく同じANA110便でニューヨークに旅立った際の記事はこちら!

整備の方々に見送られながら機体は無事10時32分にタクシーアウトし、誘導路を離陸滑走路まで向かってゆく冬晴れの日です。

タクシー中には沖留めされている導入直後のJAL「Airbus A350」を見ることができました。お尻周りの雰囲気が若干787に似ていますが、特徴的にクルっと曲がったシャークレットの形状や、シェブロンノズルが付いていない事などから一発で787ではないことがわかりますが、今後この2機は空港でもよく見かける存在になるんでしょうね。

本日の離陸滑走路は「RWY34R」、これまたおなじみではありますがここを10時41分にテイクオフロール、42分には東京湾を右旋回しつつ上昇に移っていました。朝の光を受け輝く東京湾を眼下に見つつしばしの留守を実感する瞬間です。

その後機体は順調に高度を上げ、同47分にはベルサインが消灯し快適な初期上昇が続きます。

窓から見える景色は若干空気のクリア感が低く、冬の空のわりには視程の悪いスッキリしない景色が広がっています。この後数時間で夜のタイムゾーンへ移動してしまいますので離陸直後に美しい青空を見ておきたかったんですが叶わなかったようです。

上昇中には眼下に成田空港の姿も見ることができました。ここからの出発の方が好きなんですが、こうやってみるとまだまだコンパクトな空港だなぁ・・・という印象です。周りのゴルフ場とか上手く使って敷地拡大してもう少しハブ空港としての機能が拡張できれば羽田よりは可能性ある気がするんですけどね。。。

●2019年最後のビジネスクラス機内食を楽しみましょう!

11時30分に食事がスタートします。本日は「洋食の魚」をチョイスしましたので、結構私のルーティンが戻ってきた感じです(※ここしばらく和食や洋食のお肉が続いていたので)。

まずは「アミューズ」から。

抹茶アーモンドパイスティック
杏とバターのロール仕立て
セミドライチェリートマトとチーズ、ハーブオイル

もう鉄板のチーズですが、これはいつ食べても本当に好きです。これとコーラを飲んでいるとロングホールの旅が始まったなぁ・・・という気分を再確認できるのでもう「パブロフの犬的メニュー」だと言えましょう。好きなので苦になりませんが、これ結構長いこと定番になってますので、嫌いな人で利用頻度多い人は地獄でしょうね(笑)。

 

さて、続きますは「アペタイザー」です。

蟹と帆立貝のタルタル、海老のマリネ、みかんのソース

これがですね「蟹と帆立貝のタルタル」がめっぽう美味しくてですね、久しぶりにヒットです。このタルタルの下にズッキーニが敷かれているんですが、一緒に食べるとなんとも言えない爽やか且つ魚介の濃厚な味わいの満足感が口の中に広がります。分量も申し分なく、今日はアペから満足度が高いスタートとなり2019年最後のロングホールは素敵な体験で終えることができるんじゃないか?という期待感が広がります。ちなみにこのタイミングで一緒にサーブされる「名もなきコーンスープ(勝手に命名)」は相変わらず癖になる謎の甘さで美味しゅうございました。

 

そして久々のルーティンが帰ってきた「メインディッシュ」は魚をチョイスです。本日の魚料理は・・・

鮟鱇(アンコウ)のフリカッセ、ベーコンとビーンズのソテー添え

となっています。ちなみに、そのほかは・・・

●牛フィレ肉のソテー、フォンドボー、ブールノワゼットソース
●ロールキャベツ、もち米と茸、マッシュルームデュクセル詰め、赤ワイン味噌風味のソース
(京都米村コラボ)

となっており、結構「牛フィレ」と悩んだんですけどね〜。鮟鱇の方が美味しそうでしたので選択しました。・・・これやっぱりメニューを写真付きにして欲しいですよねぇ。写真でイメージできる方が選択が容易なんですよねぇ・・・(事前にWebsiteをチェックすれば見れると思いますが・・・)。

とはいえ、この鮟鱇氏、めっちゃ美味でした。今日の機内食は当たりですね!付け合わせのビーンズとベーコンがまた良いアクセントになっていて食べ飽きませんし、ポーションも適切という感じです。また鮟鱇の下にほうれん草のソテーが敷かれているのですが、これも良い箸休め的に機能してくれますし一皿の完成度がとても高く一気に楽しめました。ここしばらく機内食は「う〜んどうかなぁ?」というものが多かったので復活してくれたことはとても嬉しいですねぇ。下手にフランス料理的な世界に寄せすぎず、味付け含めてインターナショナルキュイジーヌといいますか、世界の片隅のおしゃれなレストランでつまめそう・・・って雰囲気のメニュー構成に変化しているのがとても良いと感じました。

「デザート」は結果的には「PIERRE HERME」のコラボメニューである「エモーションモンブラン」を選ばず、ANAオリジナルとなる「フランボバニーユ(イチゴケーキ)」を選択です。まぁ、シンプルに言えばエルメのモンブランがそんなに「そそらなかった」って事ですけど。

この「エモーションモンブラン」、説明がクッソ長くてですね・・・こう書かれています→「マロンのジュレ、イチゴ入り野バラの実のコンポート、バニラ風味マスカルポーネクリーム、マロンのクリーム、アーモンド入りビスキュイ」・・・(笑)、長いですよね。

梅酒ソーダの揺れっぷりで食事中揺れていたことがわかりますよね。

このイチゴケーキも十分に美味しくいただけまして(ベストではないが)、コーヒーを飲みながらゆっくりと「当たり」だった機内食を思い出し、食事の時間を楽しむことができました。強いて言えば、相変わらずなんですけどご飯が始まると揺れるんですよね(笑)。確かに気流が悪いエリアなのは理解できますが、今日は東北の東岸を飛行中に最も揺れが強かったので通常の「気流悪悪ゾーン」より遥か手前です。冬型の気圧配置などを考慮に入れてももう少しルーティングやら高度設定やら考えられないんですかね?昨今のANAのダメさ加減を見ていると「機内では機内食がスタートしている時間帯」ということを理解しているのに燃費を優先させたルーティングおよび高度設定をオペレーション側がしているんじゃないか?と勘ぐりたくなってしまいます。まぁ最近はパイロットにもいろんな種類の方々が従事されていますし、マニュアル通り安全に飛ぶんだったらキャビンのことはあんまりケアしない・・・ってタイプの人もいるんでしょうけどね、あまりにもそういうのに鈍感なパイロットやオペレーションは御免被りたいですよね(※ただの推測です)。

そうえいばコーヒーのカップ&ソーサーも変更になっていますね。コーヒーはより深いカップとなり、ソーサーにはエンボスの柄があしらわれており、過去のものよりも高級感が出ています。夏以降にビジのサービスが見直されましたが、こんな部分でもちょっとだけ質の高いサービスへ変更されたのだな、ということが理解できるワンシーンでした。

13時33分にはキャビンがナイトモードに切り替わりまして、ここからビジネスクラスは長い夜となります(機内の夜の時間はファースト>ビジネス>エコノミ-で長さが違います)。外の景色も気持ち暗くなってきており、いよいよNOPACルートの中でもハイライト的に面白いエリアを飛ぶけど機内的にはみんな寝ている時間が近づいてきたようです。機体はアリューシャン海溝に向かって順調に高度を上げてゆく頃、窓の外には夜の帳が降りてきまして、14時8分にサンセットを迎えました。この後五大湖上空で日の出を迎えるまでは、漆黒の闇の中をひたすら対地速度1,000kphで矢のように飛び続けていきます。高度は33,000m、外気温はマイナス60度、現在はわずかながらの向かい風(ちょっと珍しい・・・)を受けながらこの巨大な生命維持装置は飛行中です。

て、ことで。実はこのブログ本文の前半戦はほぼリアルタイムにて機内で書かれたものです。暮れゆく空を眺めながら一人音楽を聴き、ゆっくりと文章を書くことができました。この早さでいつも原稿に落としていれば膨大な時間差にてブログがアップされる事などないんですけどね。。。

●長い機内の夜のアレコレ

ちょうど機内が暗くなったタイミングで本も読みきってしまいましたので次のアクションを検討していたところ、最新の「Fast and Furious」が積まれていることに気づき、私にしては珍しく映画を見ることとしまして、コーヒーや紅茶をつどつど頂きながら約2時間の映画鑑賞と相成りました。

映画を観終わったところで満足感からか小腹が空きまして、機内の小腹の友としては気に入っている「銀だこ」をオーダーです。惜しむらくはマヨネーズが付いていないのですが、十分に1万メートル上空で食べるたこ焼きとしては美味しく満足至極です。一時期お好み焼きを積んでいましたが、手軽さという意味ではたこ焼きの方がつまみやすいのでベターな印象がありますね。このたこ焼きのお供として、これまた私にしては珍しく「響」のソーダ割りを頼んで少しお酒を体に入れながらの軽食タイムとなりました。

・・・そして、たこ焼きで胃が刺激されたのか小腹が空いている感が加速してしまいましたので、食べ終わりのタイミングでそのまま「親子丼」もオーダーすることとします。出てきた親子丼の真ん中には生卵(実際は保存や調理の関係で加工された生卵風の卵です)が乗っており、いわゆる名店系の贅沢な卵の使い方をしている親子丼風情となっており、これまた胃を刺激する見た目となっています。・・・お味の方も、やや薄味ではあるものの十分に親子丼感を楽しむことができ、うどんもいいけど親子丼もね!的な割とオススメできる軽食かと思います。

※読み返してたら「成田が好きすぎるのか」、見事に4レターが成田(RJAA)になってました(笑)。羽田はご存知「RJTT」ですので(汗)。本当にごめんなさい!・・・でももう直さないでこのまま行きます。

たっぷりと胃に食べ物を入れ、そして響ソーダのパワーも手伝いここから先はちょっとだけ仮眠をとることとします。・・・リニューアルされた寝具は表面がブルーのしっとりとしたつや消し生地(今までの光沢のあるツルッとした生地とは変わっています)となっており、体に当たったときに「ヒヤッ」っとすることがなくなりよりブランケット兼掛け布団としての機能が上がっている気がします。また、これまではフニャフニャで2-3個もらわないと雰囲気が出なかった枕も反発力が強めの厚い枕に切り替わっており(色が白なのがちょっと好きではありませんが)、よりビジネスクラスの睡眠の質が上がった気がしています。フルフラット直前のほんのわずかに頭が上がっているポジションにセットした私はぐっすりと仮眠をとった訳ですが、往年のルーティーンという感じでほぼ90分で目覚めまして、夜明けに向けのそのそと活動を開始します。

20時45分(現地時刻6時45分)、真っ暗な大地の中にポツンと「サンダーベイ」の街明かりが輝いています。湖に面した美しい街の夜の輝きも格別ですし、深夜のフライト中に地上の街明かりを見るのが大好きな私としてはなんとも醍醐味な景色に満足です。・・・機体はず〜っとFL330をキープしており、約130kphの追い風の中ニューヨークに向け黙々と飛行を継続中です。外気温はこの時期としては温かい部類にはいると思われるマイナス52度、とはいえ地表は真っ白に凍えていることでしょう。

●夜明け、そしてニューヨーク到着へ

21時17分(タイムゾーン現地時刻7時17分)に機体前方の方角からボヤ〜っと紫とオレンジの光が見え始めると、ここから一気に機窓は夜明けのシークエンスを楽しむことができます。様々な中間色を伴いながら窓の外が青とオレンジの世界へ、そして最後は真っ青な見慣れた空へ変わりゆく様は何度見ても無言で見続けてしまう美しさです。この夜明けのシークエンスは12月期ですとだいたいヒューロン湖の上空で繰り広げられます。素敵な夜明けのショウは約30分の間私たちを楽しませてくれた後、同43分ごろには終わりを迎え見慣れた青い空がいっぱいに広がり、それを合図とするかの様に機内には照明が灯り、長い夜は終わりを告げるのです。

朝焼けにジェットエンジンナセルが美しくオレンジに光っています。

大規模積雪ではありませんがまさにフリージングな凍える地表の様子が1万メートル上空からも伺えます。

ミルク多め(奥にミルクビンが2本見えると思います)だとこの程度ヒタヒタにできます。

ニューヨークの到着に向け準備に入ったキャビンは一気に朝の慌ただしさに支配されます。ちょうど夜明けを見ている頃に私たちは朝食を食べている訳ですが、それを片付けギャレークローズの作業が黙々と進んで行きます。・・・そういえば朝食はこれまたルーティンとなる「シリアル」「フルーツ」「ヨーグルト」「コーヒー」のセットを頼んでいますので、いわゆる「朝食メニュー」はキャンセルしています。あ、シリアルを頼む場合は「ミルク多めで」というのがコツかと。通常のサービスですとミルクが少なく、シリアルをミルクにヒタヒタにして食べるのが好きな私には困った状態になるんですよね。そういう状態で食べるのがお好きな方はぜひ「ミルク多めで」と頼んでみてください。

まっすぐ伸びている川がまさに「ハドソン川」です。

21時58分、キングストンの上空を通過し、ここからいわゆる「キングストンアライバル」が始まります。とはいえ、風の関係や諸規制でこの先の航路は結構変わりますので毎度全然違う航路で降りていくわけですけど。・・・この日の私は運を持っていたのか、ハドソン川の上流から川沿いの経路を使いニューヨークに向かって機体が降下していった後、ハーレムの上空を横切る「マンハッタンルート」を獲得することができました。

少し大気は汚れており霞んでいますが、セントラルパークが綺麗に上空から見えていますね。

眼下にはセントラルパークが見え、マンハッタンのアッパーから、バッテリーパークまでを一望できる大パノラマを満喫する機窓です。ニューヨークの現在時刻で8時過ぎですので、朝の早いマンハッタンは完全に1日が始まっていますが、冬の朝ですのでまだ日は登りきっておらずイーストリバー側からの光がニュージャージーに向けてマンハッタンの摩天楼の大きな影を作っている様子がとても綺麗です。

ジャマイカベイに出るところで「フロイド・ベネット・フィールド跡地」がよく見えました。

そしてついに目的地「JFK空港」の全貌を上空から見ることができました。我々はこの左手前の「4R」を利用します。

クイーンズ上空から、ジャマイカを通過し、ロングアイランドを飛び越えると一旦湾へ出てさらに高度を消化しています。窓からはJFKへアプローチしてゆく先行機の姿が見え、いよいよこの12時間に及ぶ旅も終わりが近いことを感じさせられます。

今回はいつもよりグネグネっとしたアライバル方式でしたね。一番下の緑の横線はバグかと(笑)。

・・・湾上で大きく右旋回をするといよいよファイナルアプローチです。私の座っているスターサイドは東側にあたりますので真横から昇り始めた太陽が朝の光を強くキャビンに送り込んでくる様を横目で見なていると、グングンと高度を落とし、地上の様子がはっきりと視認でき、自分が時速400km近くで移動しているその速度感を感じられる高さまで降りてきたことに気づきます。

22時37分(現地時刻8時37分)、ニューヨーク、ジョン・F・ケネディ国際空港の「RWY04R」に機体は接地します。冬の風の強い朝ではあったのですが、極めてスムーズな接地を達成しひさしぶりに接地ショックをほぼ感じない素晴らしいランディングでした。接地後は近くの誘導路から早期離脱の必要性があったのでしょう、猛烈に強いブレーキとフルパワーのスラストリバース(逆噴射)が行われ、いっきに滑走路を離脱し、指定されたスポットまでの移動が始まります。

フライトタイムは12時間11分、予定よりわずかに長いフライトとなりましたが、とても快適に12月のニューヨークにやってきました。

降機後、数十分違いの「JAL6便」で到着する同僚と合流するために私は「ターミナル1」へ移動し、スタバでコーヒーを買った後にゆっくりと一服をして待ちます。外気はマイナス3度、この時期にしてはそれほど寒くはありませんが、やはりニューヨークの寒さは同じ温度でも体感の雰囲気が違いますね。硬いというか痛いというか、アンタークティカパーカーで保護されていない顔の表面には容赦なく冬のニューヨークの洗礼が浴びせられます。

さて、やってきましたニューヨーク。

明日はマイナス8度くらいまで冷え込む様ですが、年末の打ち合わせを数日間して東京へ戻ろうと思います。ニューヨーク現地の様子や、アメニティ関係、そして帰りのシカゴ経由「ANAファースト」の旅は別の記事でご紹介しようと思います。

 

ではまた!

 

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●2020年乗り初めはニューヨーク!しかも新ビジネスクラス『THE Room』を利用した際の記事はこちら!

●ニューヨークからジュネーブへユナテッドのビジネスファーストで移動した記事はこちら!

●ANAファーストクラスを利用してニューヨークから帰国した際の記事はこちら!

●ユナイテッド・ポラリス・ビジネスを利用してニューアーク(ニューヨーク)へ移動した際の記事はこちら!

 

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