さて、本日は米国、ニューヨークへの旅をご紹介します。
あいにくあまり好きではない羽田からの出発となりますが致し方ありません。チェックインなどの情緒はありませんので、とっととファーストクラスカウンターにて荷物を預けラウンジエリアへ進むこととします。優先検査場へ進むチケットチェックゾーンで、私の前に並んでいた方はチケットを機械にかざしたら「ピロロロロ↓」となんか残念な音がして、どうやら通常客席のお客様だったようです。通れない人はあんな音がするんですね。
●激混みのANA SUITE LOUNGEと、大好きな777のビジネスクラス
冷たいカフェラテを頂きつつ、まったりと時を過ごしますが今日はあまり時間に余裕のある動きができていないので、いつものカレーを食べる儀式を省略することとなりそうです(涙)。窓の外には快晴とは言わないまでも、青い空が広がり出発日和といった趣を醸し出していますが、いつになく慌ただしく書類を眺めたり、ソーシャルメディアに目を通したりしているうちに時間はどんどんと過ぎていきます。・・・しっかしまぁ、本当に羽田のラウンジはいつも混んでますね、完全にキャパ足りてません。ANA羽田の「SUITE LOUNGE」は本当にいつも大混雑ですので一番嫌いなラウンジな気がします。
本日もいつも通りのビジネスクラスで旅立とうと思います。座席は5H・・・これが意味するところは大好きな完全窓側の座席は取れていないということですよね。「A」か「K」じゃないと少しテンションは下がります(笑)。まぁ、今回はファースト真後ろのビジネスクラス最前方ということがまぁ・・・ラッキーだったって位ですかね。
搭乗機はお馴染みの「Boeing777-300ER」。ファーストクラスがついている機材が意外と少ないので、この777はかなり働かされているでしょうし、私も搭乗機会が多い気がしています。上空では787の方が圧倒的に静かで楽ですが、座席的には777を使用する方が心地よいという点ではフラッグシップの一つであるニューヨーク線にはいまだにこの機材が投入されていますし、今後は新造機となる777と新しい「The Suite」と「The Room」が付いた新座席仕様機が導入されるでしょうから楽しみです。
●噂のANA新ファーストクラス、ビジネスクラスシートの速報はこちら!
9時57分に搭乗が開始されます。おかげさまで最優先で機内に入り、ゆっくりと荷物を整理して枕や布団などを所定の位置にセットしてこれから約半日を過ごす座席を自分好みに整えていきます。慌ただしいキャビンの雰囲気に反して、自分の心はどんどん落ち着いてゆく不思議な時間がこの出発前のボーディング時間じゃないでしょうか。
窓から外を眺めればJALの777。同じ方角にいくんでしょうかね?
これまたお馴染みの景色ですが、ウェルカムドリンクをいただきながら旅の最終準備を行います。
10時17分にドアクローズ、そして23分にはプッシュバックが開始されます。今回私たちをニューヨーク、ジョン・F・ケネディ空港まで運んでくれるのは「NH110便(HND→JFK)」、機材は「Boeing777-300ER(JA784A)」、飛行距離「6,765mile」、予定飛行時間「11時間45分」となっています。
機体は無事10時37分に羽田空港「RWY34R」よりテイクオフです。初期上昇中はそこそこ大気の状態が不安定でフワフワと揺れていますが、後から考えればこんな揺れは大したことなかったのです。
水が飛び散る瞬間です(笑)なかなか機内では撮れないですよね、宇宙船かと(笑)
離陸後10分となる10時47分にベルトサインがOFFになりますが、その数十分後となる11時23分に再びベルトサインが点灯します・・・。その直後機体は非常に強い揺れに見舞われ、ちょうど機内はスターターを配布している時間でしたので、テーブル上の飲み物が上下に激しく揺れる機体のおかげでびっしゃびしゃに飛び散り、隣の座席のお客様のテーブルは殺人事件でもあったのか・・・というほどの真っ赤な染み(赤ワイン)が広がる始末。・・・私は偶然お水でしたが、ご覧いただいておわかりのようにテーブルはびしょびしょです(笑)。最近ここまで悪いタイミングでこれほどの大きなタービュランスに遭遇していませんでしたので新鮮ではあります(笑)。ちょうど機体は時速160kph程の追い風を受けており、この千島列島に入る手前って必ず気流悪いんですよね。
テーブルクロスがびっちょりですね、旅が多いとこういう経験もたまにはします
●ビジネスクラスの食事に舌鼓み!
さて、気を取り直して食事を進めていきましょう。
スターターはもう定番の組み合わせですね。このチーズとオリーブの小皿はとっても好きですし、これを食べると長距離国際線の旅が始まったなぁ・・・とパブロフの犬状態になります。
ボリュームを感じますが、意外にももたれずサラッと胃に入っていきます
アペタイザーは鴨肉ですね。さすがの日本搭載機内食、味もバッチリで一気に食欲が喚起されます。
メインは最近にしては珍しくちゃんとお肉を頼んでいますね。機内では魚を頼むのが通例ですが、おそらく魚メニューが心惹かれるものではなく、消去法でお肉になったんだと思われます。もー少し軽めでもいんですけどね、メイン食べると私の場合お腹が一杯になりすぎてしまうんですよね。
個人的にはサービス時にはこのデザートをセパレートしている紙を取ってディッシュに置いて欲しいです・・・
デザートは桜ムースだったかな?・・・これはとても美味しかったです。変に凝らず、こういったシンプルに甘さを追求したデザートをもっと提供して欲しいですねぇ。まぁ、デザートという意味では個人的にはやはりユナイテッドのシグネチャーサンデーの満足感にかなうものに出会ったことがありません(笑)。まぁ、舌がジャンクなんでしょうね(笑)。
●ユナイテッド・シグネチャーサンデーのレポートがたっぷりの記事はこちら!
食事を終えると窓の外には夜の帳が迫ってきています。この後機体はアラスカ上空からカナダ上空にかけ、真っ暗闇のナイトフライトとなり、アメリカの五大湖近くで夜が明けてくるのがルーティンです。離陸後しばらくして夜、そして到着前に明けてくる・・・というのが個人的には理想的な外界の時間経過なので、こういうフライトはとても旅情がありますし、時間の過ごし方的にも最適なものとなります。
暮れてきた機内の写真が残っていたんですが、これ何を写したかったんでしょうね・・・(汗)。不自然にシャツが干されていますし、普段置かないような場所にヘッドフォンも転がっています。写真を整理していると時としてこういう「意図を思い出せない写真」が現れるものなんですよね。・・・ちなみにこのシャツが干してある不自然な空間は「バシネット(乳幼児用ベッド)」を取り付ける空間です。この位置だとお母さんも目が行き届くし、子供用の小物も置いておけるし便利でしょうね。
ちなみに「5H」という座席なんですが、すぐ隣が実は「ファーストクラスの寝具」を格納しているロッカーなんです。なので、食後からしばらくはCAさんが都度寝具を取りに来ますので、意外とバタつきます。・・・こういうのが気になる方は避けた方が良い座席ですので覚えておいてもいいかもしれないですね。
機内は完全にナイトモードで、ビジネスクラスの乗客のほとんども睡眠に入っている時間帯です。
個人的に大好きなブルーのアンビエントライトに照らされ、夜の旅情が加速しています。一番本を読んだり、考え事をするのに適している時間帯ですよね。ヘッドフォンで爆音で音楽を聴くもよし・・・。ある意味一番私が楽しんでいる時間帯がこのへんかもしれません。軽くお酒を飲んで仮眠なんかもね、最高に気持ち良いですし。
●コールドベイ上空で大揺れ、ついに搭載されたカレー現る!
そんな心地よい時間でしたが、離陸から約5時間後となる15時10分、再びベルトサインが点灯し機体はまたもみくちゃのシビアタービュランスに突入。ほとんどの人が寝ている時間帯でテーブルには飲み物などがない時間帯でしたが、これまた凄まじい揺れが続きます。機体はアラスカの「コールドベイ(Cold Bay)」付近を飛行中で、この辺は「低気圧の墓場」として有名な気圧が不安定な区域。いつも揺れるわけではないですが、悪天候で有名なエリアですので致し方ありません。このコールドベイは牡蠣の産地でもあり、マンハッタンでも多く見ることができる名前なんですよね。「おぉ、この下に大量の牡蠣が・・・」とか思いつつ、しばしこの強い揺れを楽しみます。
あ、コールドベイって飛行機好きな人ならおそらく聞いたことがあるだろう「リーブ・アリューシャン航空8便」のインシデントの舞台ですよね。まぁ、天候が良い時にあの事件が起こったのは不幸中の幸いだったと思います。
しばしの仮眠をとり、機体がYZF(イエローナイフ)を通過したあたりで軽く軽食を取ったのですが・・・
ついに!機内軽食に「カレーライス」が搭載されました!(笑)。
普段はうどんやラーメンが軽食の定番ですが、アンケートなどでも書き続けていたカレーがついに!・・・しかし、このカレーは「ANAラウンジ」で食べれるものとは別のカレーです・・・残念。で、数回既にこの時点でカレー搭載フライトを経験していた後でしたので、私は通常メニューには「カツカレー」と書かれているんですが「カツいらない」という別注をかけまして「ただのカレー」を食べています。
でもですねぇ、機内でこういうただのカレーが食べられるのは非常にありがたい(涙)。機内食に飽きたら食事の時、これとサイドオーダーだけでも全然いいなぁ、って思っちゃいます。
機体が五大湖を超え、そろそろ夜明けだぜ・・・ってタイミングで機内では朝食が始まるのですが、最近はこれまたアンケートにしつこく書いていた「シリアル」と「ヨーグルト」が搭載されまして、私はもっぱら朝食メニューは頼まず、このセットを頂いています。シリアルは「グラノーラ」を積んでおり、これも非常に好み!という感じですね。
注文する際のコツは「ミルクを多めにください」と伝えることです(笑)。
残念ながらヨーグルトは普通のものを積んでくれればよかったのに、なぜか健康志向意識高い系向けなんですかねぇ?「オイコス」が積まれていましていわゆる高タンパク・低脂質のギリシアヨーグルトなんですよね。正直美味しいと思えないんです(笑)。フツーにベリー系ヨーグルトとか、プレーンヨーグルトにはちみつ入れる・・・とかのセットに変えてくれないですかね?ANAさん。
とはいえ、一昔前よりは圧倒的にこういったサイドローディングの食べ物が快適になってきていますので、今後の改善にも期待をすることとしましょう。機内は動かないので、カロリー低めだけど、お腹を満たしてくれるようなこの辺、非常に重宝します。
窓の外を見れば、非常に寒そうな地表の姿が目に入ります。遠くに伸びていっているまっすぐな線は鉄道でしょうね。こういった景色を1万メートル上空からぼんやり眺めているだけでもなんだか人生観変わりますし、様々なところに様々な人生があるんだろうな、と想像するだけでもなんとも言えない気分になります。私が一生でどれほどの人に出会えるのかは知りませんが、確実に出会えなさそうな人たちの人生の上空を今時速900キロ程度で飛び越していっているのです。
この後機体は多少の揺れを伴いながらも順調に降下をして、離陸から12時間16分後となる日本時間の22時47分、 現地時刻の9時47分、雨の降るジョン・F・ケネディ国際空港、RWY22Rに着陸をしました。
バゲージクレイムで荷物をピックアップして、キャブに飛び乗ればもうマンハッタンです。機内で出会った人たちは空港で別れてしまえばおそらくもう一生会うこともないでしょう・・・飛行機で12時間人生を共にしていたという不思議な事実だけを残して。ほんと、航空機の旅って独特な旅情を持っていて辞められないんですよね。
●マンハッタンの夕食は「MIFUNE New York」で。
街を歩けばマンハッタンは晩秋の様相です。当然コートは必須ですし、朝夕は手袋もないとスタバのコーヒーを持つ手が死に始めます(笑)。本当にマンハッタンの冬は「痛い」という表現が適切な寒さで、全然東京のそれとは違いますよね。まぁ、緯度的には青森ですので、当たり前なんですが。
自分自身が変わったのか、街が変わったのか(まぁ、前者でしょうが)、昔ほどマンハッタンを歩いていてエネルギーを浴びている印象を感じません。もちろん頻繁にこの街にいるということも影響しているでしょうが、やはり何かアメリカのパワーを感じるという機会が減っている印象です。もちろん生き馬の目を抜くような競争環境や、圧倒的な格差を土台に構成されている街のパワーといった部分は良くも悪くも感じますが。生まれ変わりつつある日本の街の環境、経済、新規ビジネスの芽という意味では個人的には大きなポテンシャルを今、自国に再び感じているというのが正直なところです。
ブライアントパークの公園も冬場の特設スケートリンクが出来上がっていました
タイムズスクエアは年々LEDサイネージが増え、情緒が消えていっていると思います
ニューヨークではいつもの通り仕事をしていたんですが、そんなマンハッタン滞在の中で唯一の息抜きは夕食かと思います。様々なお店に出かけてはいますが、滞在が長いと日本の味もたまには食べたくなるもの。・・・そんな時に同僚と大抵訪れるのがココ「MIFUNE New York」です。階下にはお寿司を食べることができる「Sushi AMANE」も備えていますので、日本が恋しくなったら、ぜひ訪問してみて欲しいお店です。
お店はミッドタウン・イーストとなる「East 44th」にあります。意外と我々この界隈でご飯を食べていることが多い気もしますが、まぁ、それは泊まってるホテルがミッドタウンだからってだけですかね。SOHOやロワーマンハッタンにいるときはそっちで食べますしね。店名の通り、ここはかの三船敏郎の名を冠していまして、三船プロダクションとの共同運営となっており、室内装も三船氏をイメージした豪快だけど繊細・・・な作りを目指したそうですよ。
1Fはオープンテーブル、B1には個室が用意され、接待的な夕食でも使えると思います。2017オープンですが、年々サービスが洗練されてきていますので、今年あたりはもうかなり落ち着いていることかと思います。今年の頭に伺った際は、オープン当初からは想像できないほど整然とお店が回っていたのが印象的でした。
お料理はメニュー名をわすれてしまいましたので、皆様には目で味わっていただきたいと思いますが(ご都合主義・・・)、多少マンハッタンで生き抜くために現地の人が好む味付けにチューニングされており、完璧な和食ってわけではない(むしろそうであることがビジネスとしては当たり前)ですが、もちろん日本人からしても美味しいと感じられるものばかりですので、何回行ったか覚えていないくらいよく行っています。
お刺身、これはコースのお刺身ですが、単品で頼むともっと様々な種類が多くサーブされます
天ぷらももちろんあります、地元食材を使っていますが、味は純然たる和食です
●「MIFUNE New York」で必ず食べて欲しいのは「TKG!」
実はこれらの写真はとあるコースのものなのですが、普段は単品を頼んでいます。そして、どうしても最後に食べたくなってしまうメニューがいわゆる「TKG(Tamago Kake Gohan)」ですね。生卵を食べるという食習慣がないアメリカの方々様に、卵を完全にフワフワのホイップになるまで撹拌してご飯に乗せる、我々日本人からすると「これのどこがTKGなんや?」と思っちゃう見た目なんですが、あらびっくり・・・食べてみると濃厚な卵の味が乗っている素晴らしい「卵かけご飯」なんですよ。・・・さらにトリュフも乗っているので、そこにさらに深いコクが加わって、なかなか病みつきになる面白い一品ですので、MIFUNEに行かれた方はぜひ試してみてください。
常連スペシャルとして通常の倍以上のトリュフを乗せてもらいました(笑)
◆「MIFUNE New York」
このブログ、行き帰りの飛行機はめっちゃ詳しいのに現地の様子が少ないじゃないか!って声は存分に耳に届いておりますので(笑)。折に触れ、現地の注目のお店なんかもご紹介していくように・・・努めます。
帰りもANAビジネスクラスで帰りますので、またご紹介しますね。
ではまた!
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●ANAファーストクラスを利用してニューヨークから帰ってきた際の記事はこちら!
●ユナイテッドを利用し、アメリカ国内移動でニューヨークに入った際の記事はこちら!
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