【速報・更新!】2019年8月2日から!ANAが新ファースト、ビジネスクラスシートを導入!

ひこうきネタ
※作者注)公式写真が入手できましたので、写真を追加し、本文コメントなども加筆いたしました。(2019年7月16日)

ということで、ついにANAの長距離国際線用のシートが変更となる様です。確かに現行のスタッガードタイプの導入は結構前ですし、その間に魅力的な外航のビジネスクラスが現れていたのでANAの(特にファーストキャビンの)アッパークラスキャビン・シートにおける優位性は減っていましたよね。個人的にスタッガードの窓側席は個室感も強く、シート位置の調整が細かくできるので「Boeing 787-8」と「Boeing 777-300ER」に装着されていたシートは非常に好きでした。

とはいえ、そろそろ現代風にアップデートしても良いよなぁ・・・と感じていましたし、キャビン全体のしつらえもまだまだ向上できるよな・・・と思っていましたので、このニュースは大歓迎で受け取ったのです。まだまだ実機に乗ったわけでもないですし、ANA公式サイトは写真引用ができないサイトの作り(不必要に動的ですね・・・)なので細かなご紹介はできませんが、どんな変革なのかを少し見てみようと思います。

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●【新シート実機・搭乗記】ニューヨークから『THE Room』を利用した際の記事はこちら!

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ANA 新・ファーストクラス『THE SUITE』

ANA Official Photo

新しいファーストクラスは「THE SUITE」と呼ばれる様です。

建築家の隈研吾氏が総合監修、イギリスのデザインコンサルティング会社であるアキュメン(acumen)が機内空間デザインを手がけている様です。最近はどこへ行っても隈研吾・・・というのが面白いですね(笑)。他に選択肢がないんでしょうかね?

さて、期待の新・ファーストクラスですが、1-2-1のアブレスト(シート配列)は従来通り、より個室感を強める「ドア」が各席に備わり、締め切れば個室として他人の目を気にすることなく寛げるという仕様になっております。ここで「ん?」と思うのが「SUITE」と言っていますが、スペースや個室感(エミレーツの様に屋根が高く完全個室にはなっていない)の点においても「流行りのSUITE使いましたよ〜」感が強く、個人的には今までのファーストクラスが少しモダナイズされてアップグレードされたとしか思えない作りです。名称でレバレッジかけていますが、これは早晩時代遅れとなるファーストクラスの体裁でしょう。

PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

個人的に「お、ヤッタ!」と思ったのは、現行のファーストクラスでは実質「窓は1つしか覗けない」んですが、今回のアップグレードでご覧の様に「窓3個」が自由に使える様になっています。これは開放感や、写真撮影などなどの点で大きな改善ですし、アンケートにしつこく書いてきた甲斐があるというものです(笑)。ドアが閉まる分、本当に寝たいときはおそろしく熟睡できるだろうな・・・という雰囲気がこのベッドメイクされた状態の座席の写真からもわかります。

【2020年2月:作者追記】これ、実際に『THE Suite』に搭乗してみるとこの窓3つの恩恵は計り知れなく、締め切った個室状態でも十分な照度が室内にもたらされ、ゆったりと外界の景色を眺めながらのフライトが可能になっていました。これは本当に素晴らしいアップデートでしたね。

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↑使用できる空間と高級感は大幅にアップです。ファーストクラスはダークオーク系のカラースキームを利用し、従来よりもさらに落ち着きを持った空間を作り出しています。

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↑各座席は完全な個室としてドアが閉まる様になっています。・・・まぁ、立って歩いているCAさんからはパッセンジャーの様子は多少見えますので、保安上はOKですが、プライバシーという点では完全個室を誇るSQやエミレーツなどのSUITE CLASSに比べればまだまだ・・・という印象です。

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横から出てくるテーブルですが、できれば折りたたみ式より一枚板が出てくれると嬉しいんですけどね。

ドアを閉めるとこんな感じ。現行23インチのモニターから写真の様に大幅に大型化しなんと「43インチ!」(笑)の4K対応モニターがファーストには付く様です。これはインフライトの映画だけでなく、様々な映像コンテンツが望まれるところですし、是非機外モニターなども見える様にして空の旅を思う存分楽しめるコンテンツ提供を目指して欲しいところですね。

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↑ついに客室のモニターが4K対応です。昔はファーストクラスでも、現在のビジネスより小さいな画面で喜んでいた時代もあったのですが、ここまでくると家っすね。この画面より自宅のテレビが小さいなんて人も現れてきそうですね(笑)。

ただ、画面がでかいと光量も大きいので、プライベートに寛ぎたいキャビンがこのモニターの灯りで結構ナイトモード(真っ暗にしているとき)時に明るくなっちゃうんじゃないか?という疑念はあります。モニター上をかぶせる様な屋根の構造に個室がなっていませんし、結構光もれるだろうな・・・と。この辺しっかり検証されているのか、気にはなります。ANAのこの手のファシリティ導入時には、実際に使う立場で検証されているのか疑問に思うことが過去も多々あったので。。。

【2020年2月:作者追記】・・・上記の様に書いていましたが、今回は私の読み違いで、この大型モニターはメリットこそあれ、デメリットはほぼ感じませんでした。必要のない時には消せますし、照度も適切。またナイトモード時にこの画面の明るさでキャビン中が明るくなってしまう現象も発生していませんでした。

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基本的には新造機の「Boeing777-300ER」にこのシートは備え付けられるとのことなので、窓の位置も写真の様に最適化された機材が多くなるのだと思います。既存機改修でこのシートを取り付けた場合、ひょっとすると窓の位置にズレが出る可能性はありますね。

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尚、アメニティは「ROMOWA」→「SAMSONITE」と来て、現在は「GLOBE TROTTER」とのコラボケースに収納されています。旅行中の荷物の仕切りや、私の場合は結構GOPRO等のミニガジェットや充電器類をしまっておくケースとして活用しています。

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●実際のフライトで出会った「GLOBE TROTTER」のアメニティに関する記事はこちら!

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ANA 新・ビジネスクラス『THE ROOM』

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PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

一方の新・ビジネスクラスは「THE ROOM」と呼ばれています。これがクラス名称になるのか、単なるシートのコンセプチュアルネームなのかはちょっとわかりませんが、「SUITE」と「ROOM」で分けている様です。

ビジネスクラスは現行のスタッガードから非常に大きく方針転換を行い、前後互い違いのシート配列を採用し、現在の2-3-2(変則)のアブレストから1-2-1と、かなりゆとりを持ったアブレストに変更していることが特徴ですね。そして何よりも今回のアップデートで賛否両論になりそうな(特に乗った人が)要素がこの「前後互い違い」方式による「後ろ向き席」の採用でしょう。写真をよく見ていただければ、テレビ画面が後ろ側に向かっている席があり、機体前方を向いている人と機体後方を向いている人が発生することになります。

【2020年2月:作者追記】この「後ろ向き席」、実際に登場してきましたので感想は是非冒頭及び末尾の参照リンク記事よりご確認ください。一言で言えば「けっこうアリ」な座席でした。

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↑これが噂の前後互い違いです。田舎の電車の座席の様な配置ですが、前後互い違いにすることで、足元のスペースを交差させ、無駄なピッチを作らず多くの座席を収容することができるようになりました。まぁ、中に入ってしまえば気にならない・・・って人が多いと思うんですが。・・・個人的な予測ですけど、これはですねー、巡航中はいいんですが、おそらく上昇中はキモいでしょうねぇ・・・。

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個人スペースは圧倒的に現在の座席より向上しています。窓側に寄っ掛かるもよし、ドアを閉めて通路側に寄っ掛かるもよし、かなり自由に時間を過ごせそうな座席に進化しています。ファシリティ的には、一昔前のファーストよりも良いでしょうね。

また、座席は広く、従来比で1.3倍のスペースがあり、シート幅は部分により従来比2倍だそうです。前後の移動ができそうなワークデスクは嫌いなサイドローディング式ではないので使い勝手が良さそうです。オットマンは窓側にある方が良い気もしますが、この辺は実際に乗ってみてからの判断でしょうね。尚、ビジネスクラスのモニターは従来の17インチからこちらも大きく大型化しまして「24インチ」の4K対応を採用しています(パナソニック製)。

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うん、座った目線はすでにビジネスのソレじゃないですね(笑)。こら相当に快適でしょうよ。カラースキームがファーストのダークオークと比べ、明るく若々しい色を使っているのがおそらくクラス感でもあり、よりエネルギッシュなビジネスエリートの利用を想定している(又は豊かな旅行客を想定している)からなのでしょうね。もうちょっと団体旅行のじーちゃん、ばーちゃんが乗る座席って感じではなくなってきましたね。。。

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サイドテーブルも用意され、飲みかけの飲み物やスマホ、身の回りの小物などを置いておくには十分な広さです。・・・しかしながら、現行旧型(B777-300ER / B787-8)についている座席にあったあのいやらしい青い光などの演出はなさそうです。そのかわりホワイト系のアンビエントライト(間接照明)がいたるところに備わっているという噂ですが。

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小物入れも充実ですね。これ、現行のファーストクラスについている小物入れっぽいイメージですね。いやぁビジネスクラスもとうとうここまできましたか。。。

起き上がらなくてもいいように、リモコンの収納位置はもう少し頭側にしてほしかったですけどね。これ、寝ながら使いたいときに一回起き上がってリモコン取る必要ありそうですもんね。

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そしてビジネスクラスもファースト同様、ドアが閉まる様になり完全個室となりました。・・・色彩感が煮詰まり切らなかったためか、ちょい漫画喫茶っぽく見えますね(笑)。

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締め切ってるキャビンの通路を歩くとこんな感じの様です。もう夜中にトイレに行って、映画見ているオッサンと思わず目が合ってしまったりというような気まずさからは解放されるのでしょうか(笑)。・・・いやぁ、オッサンに限ってドア開けてたり、開けたままいびきかいて寝てそうで・・・そんな時はぜひCAさん、ドア閉めちゃってください。。。

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テーブルは前方からの引き出し式です。おそらく前後に調整できると思いますので、少なくとも横から出てきてあまり調整幅のない現行改良型(B787-9/10及びA380)についているあの使えない机に比べれば最高によくなっているのではないか?と期待をもってこの写真を見ています。写真を見る限り、オットマンの内部を照らすライトも復活している様です。

で、めっちゃ広くなったし、アブレストにも余裕が出たし、悪くないんじゃないの?と思っていた私がこの写真で見つけてしまった気になる点はこちら・・・。

ANA Official Photo

これ、背もたれの部分の写真わかりますかね。頭の上のバルク(壁)とシートバックが分離してるんですよね。そしてシートの中間からにょきっと出ているシートベルト。・・・見覚えありますね、これ。

こいつですね。SQ(シンガポール・エアラインズ)のビジネスクラス。思いっきりまだ記事にしていない搭乗分の写真から蔵出してますが(汗)、このアホみたいに広いビジネスクラスとどうやら方式が同じシートを使っていそうです。・・・このシート、ある一点が気に入らなかったんですが、それは・・・

寝るときに背もたれを前に倒してベッドを作る。

んです。座ったままどんどんベッドになっていくのではなく、寝るときに一回席を立ち、背もたれを前に倒すとそこにすでにシーツがしいてある空間が出てくるという。・・・意外と寝るとき面倒なんですよ。そして、倒す前提で作られているので、限りなくベッド寄りのリクライニングポジションも作れず、ある一定の角度まで深く倒れたらその先はない・・・的な、着座ポジションの微調整という点で結構調整範囲が狭いんですよね。

一度ベッドを作って寝てしまうと極楽浄土のスリーパー仕様なんですが、まぁ、どっちがいいか・・・って好みの問題ではあります。

で、このANA新ビジネスのベッドもそれっぽくてですね。。。

PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

↑これがANA新ビジネスのベッド状態の写真です。

これがSQのベッド。

個人的な確信として、同じ方式です。これも好みが分かれるでしょう。

【2020年2月:作者追記】上記のベッドにする方式は、残念ながら私の予想ミスでした。「シートバックを倒す方式」ではなく、「シートがスライドしてベッドになる」理想的な方式でした。よりアップデートした座席を使用していますね、この編も「実際の搭乗レポート」に記載させていただきました。

PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

個室感は結構ありそうなので、おそらく快適なビジネスクラスになると思いますし、ちょっとワクワクはしています。ま、いきなりカラースキーム変えて、いままでの「青と白」はどこ行ったんだよ!という気もしますが、この辺は監修の隈研吾先生あたりのご意見が・・・ね。あるんでしょうよ。ほんと日本企業てのはブランドにコンジステンシー(一貫性)がないんですよね。

ANA Official Photo

ファーストクラス同様、現在のビジネスクラスのアメニティは今までの「NEAL’S YARD REMEDIES」を終了し、「GLOBE TROTTER」に切り替わっています。うーん、色の当たり外れありますね、これ。

新仕様の777-300ERは212席仕様!

報道発表の資料を見る限り、新仕様の777-300ERの座席数は4クラス212席。ファーストが8席、ビジネスが64席、プレミアムエコノミーが24席、エコノミーが116席で、全クラスに電源コンセントと充電用USB端子を設けているそうです。新仕様はビジネスが4席減となる一方で、エコノミーが4席とのこと。

PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

アブレスト(シート配列)は、新ファーストと新ビジネスが1-2-1席の1列4席というなかなかにここだけ見れば現代の世界標準に追いついてきた印象ですね。プレミアムエコノミーは2-4-2席の1列8席仕様でシートピッチが38インチ(約96.5センチ)、エコノミーは3-4-3席の1列10席仕様で34インチとなるそうです。

この新仕様機は「JA795A」だというのが、この写真から分かります。12月までに新造機が合計6機納入され、既存機を仕様変更したものも6機制作される様です。

【2020年2月:作者追記】・・・嬉しいことに、この「JA795A」機にニューヨークからの帰りに搭乗することができました。・・・ま、どうでもいいことなんですけどね・・・。

気になる初フライト便は8月2日のロンドン線!

さて、この新しいファースト、ビジネスクラスがついた機材のファーストフライトですが、現状の予定では8月2日(金)のロンドン・ヒースロー便(NH211便)となっています。しばらくは隔日運航となるので、ロンドン線に乗ってもスタッガード機の場合もありますので、ご注意ください。詳しくはANAの公式サイトに運航スケジュールが載っておりますので、そちらでチェックなされてくださいね。

さらに、ロンドン線の次にはニューヨーク線への投入が予定されていますので、どちらも私の利用頻度が高い路線だけに思ったよりも早くこの新クラスを楽しむことができるかもしれません。

取り急ぎ、報道発表+アルファで速報をお伝えしましたが、いやぁ、気になりますね。
ちょっと萎える部分もありつつ、一歩前に進んでくれたことだけは確かそうです。引き続きこの新シートの情報はサーチしていきたいと思います。

ではまた!

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【作者追記】
ついに新ビジネスクラスである『THE Room』でニューヨークへ移動しました。その際の様子を
できる限り細かくレポートしていますので、実際のシートの使い勝手などに関しては
以下の記事をご覧ください!

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●ANAファーストクラスでロンドンへ旅した際の記事はこちら!

●【人気記事】787-9以降のビジネスクラスシートが個人的に気に入らない理由・・・はこちら!

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