寒い日が続きますが、寒い時期や気温の低い国への旅をする際の必需品の一つに「手袋(グローブ)」があると思います。ひとえにグローブと言っても、様々な目的に応じて使い分ける性質のものでもありますので「これさえあれば大丈夫!」というモノはなかなかないのが実情ですが、いわゆる「街歩き」をする際のパートナーとして私が愛用しているグローブを今回はご紹介しようと思います。
簡単にこのブランド「ALPO」の説明をさせていただくと、19世紀後半にポルトラーノ家が創業した小さなファクトリーからその歴史がスタート。ブランド「ALPO」としては、1910年、イタリアのナポリでグローブブランドとしてビジネスをスタートしたことが始まりとなっています。100年以上の歴史を重ねた老舗ファクトリーは、プラダなどの一流メゾン製品のOEMを供給するファクトリーとして知る人の中では非常に有名なブランドです。
さらには、グローブブランドとして初めて一流デザイナーを起用し、グローブをファッショナブルなアクセサリーへと昇華させたという点においてもグローブ業界のみならず、現在ではファッション業界からも高いリスペクトを受けているブランド、それがこの「ALPO」です。
私とALPOの出会いはひょんなことから出張前にグローブを新調しようと立ち寄ったセレクトショップに置かれていたことにより、いわゆる「一目惚れ」状態で購入したのが最初なのですが、その風合い、機能性、そしてなにより洗練されたデザインにいまでも指を通すたびに新鮮な興奮を覚え続けることができる稀有なグローブとなりました。
また、私は街歩きのときは常に一眼レフを持ち歩いていますので、そのまま撮影ができる指先の感覚や、分厚すぎないグローブという点でもこのモデルはまさにピッタリでして、偶然の出会いながら「添いとげます!」と言わんばかりのド・ストライクでした。
外のデザインの素晴らしさもさることながら、ライニングに「100%シルクカシミア」を採用していることで、ややハードな外部デザインのイメージとは打って変わり、グローブの内部は手を包むこむような優しい触感に心を奪われます。
凍えるような気温のマンハッタン、アルプスからの吹き下ろしの冷たい風が吹くジュネーブ・・・様々な場所でこの暖かいライニングに包まれた指が何度もこのALPOに救われてきました。
グローブの外皮となる素材は「ディアスキン(鹿革)」を使用しています。また発色良いイタリアブランドならではの様々なカラーの展開があることでも多くのファンを持っていますが、このディアスキンがとても優れものなのです。
ディアスキンは、しなやかでありながら非常に軽くてソフト、尚且つ強靱で通気性があり、さわり心地が良い素材だと言われています。牛革と比べて水に強く、経年劣化で硬化しずらいという性質があるので革手袋ながらハードに活躍させてもへこたれにくいのです。また、その素材のしなやかさは、皮革素材の中でも人肌に最も近いと言われているほどでして、確かに装着中はもちろんグローブ感はあるものの、革の感触や温度の保ち方が極めて自分の手の感触に近い独特な一体感を感じることができます。
ご覧のように、サイズおよびデザインがややタイトに作られているため、つけ始めは「きつすぎたかな?」と感じますが、このディアスキンの良さでしょうか?すぐに手になじむ感じもあり、かつそれでいて「ヤレた」という雰囲気でもない、一緒に時を歩んでいける、歩んでいるという印象を強く持てる素材です。
手首部分には「ポインツ」と呼ばれる3本の縫い目が入っているのも大きなデザイン上の特徴であり、かつ革グローブにありがちな一本調子のデザインになっていないエスプリの効いた表情がとても好きなのです。
縫製がとても難しいとされる指先部分は、手縫いで非常に丁寧に十字に縫い合わされ、見た目以上の耐久性を誇っていることは多くの愛用者が口を揃えて讃える点の一つだと思います。
私は幸運にもロットの少ない「タン」色のモデルを手に入れることができましたが、その他のダークブラウン、ブラック、ネイビーなどもディアスキン独特の色彩とツヤで何色か気分により取り揃えたい・・・そんな気にさせる魅惑のグローブがこの「ALPO」です。
みなさんもお気に入りのグローブや旅小物があるかと思いますが、ぜひいろいろなこだわりを一緒にお話しさせていただければこれほど楽しいことはありません。
冬のお出かけが楽しくなるグローブ。今回は「ALPO ディアスキン カシミアライニンググローブ」をご紹介させていただきました。
ではまた!
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