伊豆の高級宿 : 「御宿 風月無辺」で金目鯛づくしの夜。(IZU / FUGETSU-MUHEN)

5.0
トラベル(国内)

週末に昨年末、そして年始で非常にヘビーな稼動が続きましたのでかるい保養目的で伊豆の宿に宿泊してきました。毎度ながら思い立った瞬間に旅程を決めますので、比較的混み合う休日にもかかわらずなんとか宿を確保し、いざ出発です。

もともと車を運転することは大好きですので、伊豆程度の距離はさっさとクルマ移動です。現在遊びクルマが点検入庫中ですので、普段の足にしているSUVの方で移動することになったのですが、結果的に大正解でした。

と言いますのも、慣れた道である東名→小田原厚木道路を経由し「MAZDA ターンパイク(旧:箱根ターンパイク)」の料金所でお金を払ったところ・・・

「今スタッドレス規制が解除されたばかりで凍結箇所もあるので気をつけてくださいね。」

の一言。今見えている景色は普通の曇りの休日なのですが、山頂付近は死んでいるのでしょうね。長きにわたりターンパイクで遊び続けてきた私としては冬季のターンパイクの恐ろしさは知っているつもりですので、気を引き締めて登って行きます。

・・・が、予想を超える景色に絶句。

○氷の国?ターンパイク!

氷のターンパイク

お分りいただけるでしょうか、路面は綺麗に除雪がなされ水分も少ないので路面凍結の恐怖は低いのですが、オンボードの外気温計が「-2.0度」を越える辺りから景色が真っ白になり始め、山頂直前では見たことのない凄まじいこの写真のような景色が!

氷のターンパイク

旅の最初から度肝を抜く世界観が眼前に広がりますが、今回はこの後訪れた素晴らしい宿である「風月無辺」についてご紹介しようと思います。伊豆に様々な宿あれど、ここも見逃してはいけない宿の一つですよ!

樹氷・・・ともちがう、枝の全てが透明な氷で覆われています。大気中の水分が集まって凍結した・・・というにはあまりにも氷の面積が広すぎるのです。霧(=雲)が少ない状況でしたので、見通しの良い箇所では何台も観光客の車が路肩や、駐車帯に寄せこの荘厳な景色を楽しんでいます。おそらく気温が下がる早朝などに降り注いだ雨が、外気温で急速に凍結しこの様な形になったのだと思いますが、一面のガラス細工・・・そして時間が一瞬で止まってしまったかの様な自然の演出にただただ言葉なく、その姿に打ちのめされます。白であり、透明である。一瞬白みがかった桜が満開になっているのかと錯覚しますが、近寄るとCGのような枝を見て二度感動するという状態です。

近寄ってみますと、その特殊な氷のつき方がお分りいただけるかと思います。

氷のターンパイク

しばし自然の演出を鑑賞し、あまりの景色の興奮を覚まそうと、我々は予定にはなかったのですが標高1,011mにある大観山のレウトハウスでコーヒーブレイクを取ることとします。ご想像の通り、大観山も氷の王国になっておりまして、レストハウス周辺の植木も、看板も、なにもかもが透明な氷で覆われてしまっています。

氷のターンパイク

時折強い霧(というか雲ですね)に覆われる大観山レストハウスの中からは、実際の標高よりも高い2,000m級の標高の感覚を体感でき、レストハウスで暖をとるカップルや、旅行者達はいつも以上にゆっくりと時間を過ごしていた様です。

我々もご多分に漏れず、ゆっくりとコーヒーを楽しんだ後、(と言ってもドリンクバー方式ですけどね)先を急ごうとクルマに移動したのですが、その途中でもすごいものを見つけてしまいました。。。

氷のターンパイク

普段なら「こんなところに空き缶置くなよ!」と苛立たしく思うゴミなのですが、ゴミが先鋭的なアートの様に凍っています。一体、深夜の大観山はどんな環境だったのか、想像するだけでワクワクしてしまうものばかりです。

その後、十国峠→伊豆スカイライン→R135とどんどんと南下しまして、夕方にいよいよ今回の目的地である「御宿 風月無辺」に到着いたしました。

○御宿 風月無辺とは?

2012年12月にオープンした、隠れ家的なリゾート宿泊施設です。伊豆大川の急峻な山を「かなり強引に」切り拓き、山頂付近に宿は建っています。各部屋も急勾配の中配置されていますので、我々が宿泊した「特棟の九(一番下に存在します)」ですら、フロントとなるレセプション棟から約20mは登った場所にあります。各部屋はおおよそ海抜200mに建てられ、切り立った山の上ですから各部屋についた露天風呂からは眼下に北川温泉を含む太平洋と、遠くに伊豆大島を望むことが可能な絶景のお宿です。

(暗かったので分かりづらいですが、このレールを使いモノレールで一気にフロント棟へ上がって行きます。)

その高い海抜故、駐車場からフロントのあるレセプション棟への移動を「専用モノレール」で行うというなかなか奇抜なエントリー方法です。4人乗り程度のモノレールに揺られること約4分、フロントに到着。ここでチェックインを行います。

また、チェックイン後もサプライズは続きまして、施設内移動は「電動カート」(あのゴルフ場によるあるやつですね)を利用します。また、施設内は極めて急な勾配ですので、これらのカートは自分で運転するのではなく、すべてセンサーによる管理でカートが自動運転で我々を目的地まで勝手に連れてってくれます。

御宿 風月無辺
(この子達が自動的に目的地まで連れてってくれます)
(移動中の一コマ、ハイ!ステアリングは握っていません!)

無人のカートがトコトコと施設内を移動している姿はなかなかユーモラスであり、これだけでも楽しめるカップルはいるだろう、というなかなか面白い趣向が凝らされた宿なのです。

○それぞれのお部屋は?

御宿 風月無辺には全部で19部屋があり「一般客室(4室)」のみ、お子様の受け入れが可能です。この「一般客室」は、お食事処である「座蔵(ZAKURA)」のある棟の2階に備わっており、部屋からの眺望はやや制限をうける印象です。

一般客室以外には「離れ2階棟」と「離れ特棟」が存在します。

「離れ2階棟」は上下の1階、2階がそれぞれ別のお部屋となっており、占有できるのはそれぞれの階のみという2階建て×2組という形のお部屋です。この「離れ2階棟」が「6棟」ありますので「全12室」ということになります。こちらの1階のお部屋は各種の口コミなど拝見しますと、2階部屋の方の足音が響くのでオススメしないという様な記述を見かけますが、宿泊したことがないので真偽は定かではありません。

最後に今回我々が宿泊しました「離れ特棟」というお部屋が2棟存在します。

「離れ2階棟」と「離れ特棟」が固まって存在するエリアの最下部の2棟がこの「特棟」でして、宿泊客全員が自由に入れる大浴場「長閑の湯」に一番近いという意味で、この位置なんだと思いますが、雰囲気的には一番上に「特棟」があるんじゃないかと、案内された時には思ってしまいました(笑)が、いずれのお部屋も太平洋ビューですので好みで決めればおおよそどのお部屋も同じ満足度だと思います。

○「離れ特棟」のお部屋は?

あまり細かくレビューでは出来ませんが、「離れ特棟」は「リビング」と「寝室」、そして「パウダールーム」「トイレ」「シャワールーム」「露天風呂」「サンデッキ」で構成されています。

(あえての海側からのお部屋を撮影、右側が露天風呂、左側がサンデッキです)

「リビング」と「寝室」が同じコンパートメントにあり、小さな廊下を挟んで「パウダールーム」「トイレ」「シャワールーム」、そして表に「露天風呂」「サンデッキ(サンデキはリビングから出れます)」が存在しています。公式サイトにフロアレイアウトが載っていなかったので平面図をあげられず申し訳ないのでございます。。。

御宿 風月無辺

リビングは掘りごたつを中心とした極めてシンプルな構成です。シンプルは好きですが、個人的にはもう少しデザイン要素や、エンターテイメントがあっても良かったとは思います。また、ソファーが妙に隅っこに置かれているので、ソファー生活になれた私には少し部屋の隅っこで寛いでいるという不思議な位置関係が多くなってしまい、この点もやや使い勝手が悪いなぁと思ってしまった部分です。

しかしながら、リビングの障子をあけると目の前には太平洋と伊豆大島!海抜200mの高台から見下ろす風景は俗世間を忘れゆったりと寛ぐには最高のロケーションですね。今後目の前の空間の演出や、木々の成長によりさらに隠れ家の雰囲気が増し、良い宿になるのではないかという予感がします。

御宿 風月無辺
(サンデッキからの眺望)

通常はレセプション棟でいただくようですが、我々は到着が遅れてしまいましたのでお部屋に用意されていたウエルカムスイーツである「小豆とマスカルポーネチーズのお饅頭」は、程よいチーズ感で名前を聞いたときはミスマッチ感が否めない一品でしたが、大変美味しくいただきました。

○絶品の夕食「座蔵(ZAKURA)」のお食事は?

夕食は、自動操縦で館内を移動する電動カートに乗り、少し降りた場所に存在するお食事どころ「座蔵(ZAKURA)」でいただきます。予約時に申し出れば「部屋食」も可能ですのが、私が宿泊した際には7〜8割位のお客様がこちらで食事を取られていた印象です。

我々は一番奥の部屋に通され、いよいよ夕食がスタートです。

御宿 風月無辺

(私たちのお部屋は6人位入れる部屋でしたが、その他のお部屋は2名でちょうどという感じの大きさでした)

御宿 風月無辺
(前菜3品)
御宿 風月無辺
(地魚の盛り合わせ、鮪、平目、金目)
御宿 風月無辺
(富士の国ポークしゃぶしゃぶ)
御宿 風月無辺
(金目鯛の煮附け)
御宿 風月無辺
(中身撮ってませんでした・笑、鰈の陶板焼き)
御宿 風月無辺
(百合根饅頭)
御宿 風月無辺
(金目鯛の釜飯)
御宿 風月無辺
(ちょうど釜飯のタイミングで、お味噌汁とお漬け物がサーブされます)

最後のデザートは「パンプキンのティラミス、黒ごまソースを添えて」です。程よい甘さのパンプキン風味に、マスカルポーネの酸味、そしてエスプレッソを含んだスポンジ部の苦味がピッタリとハマっています。時折黒ごまソースの甘みが舌に甘味を届けてくれ、ゆったりとした食事の時間を見事に締めくくってくれました。

御宿 風月無辺

惜しむらくは、コースの締めが「普通のお茶」であり、ティラミスなどを出されるとコーヒー、紅茶の一杯も飲みたくなりますが、これはお部屋に帰ってすぐ自分で作って飲ませていただきました(笑)。今後メニューに加えられるとより良いんじゃないでしょうか。

○全室に備わる露天風呂の実力は?

この御宿には、全室に「露天風呂」が備わっています。湯の出口に程よく湯の花が付着している点でもそれがしっかりとした「天然温泉」である点は見て取れますが、少し茶色がかってほんのり濁った湯をみるだけでもすばらしく情緒のある、また暖まりそうな泉質であることが実感できます。

夜ですと伊豆大島の灯りと、夜に漁をしている漁船の漁火が視界に入る以外は漆黒の闇。湯がそそがれる「チョロチョロチョロ・・・」という音だけが支配するとても落ち着いた雰囲気の露天風呂です。離れの間隔はそれほど広いものではありませんが、隣室の声などが木になるということは宿泊を通してありませんでした。

御宿 風月無辺

宿泊した日は伊豆全域が寒波に覆われており、気温は0度周辺。山頂である点も含め、宿のスタッフいわく「極めて寒い1日」だったそうで、各部屋の露天風呂の湯量、湯温を維持するために夕食後は大浴場「長閑の湯」が閉鎖されるほどでした。その甲斐あってか、我々の部屋のお湯は十分に熱く、キンキンに冷えた大気を頬に感じながらゆったりと露天風呂を楽しむことができました。夏季ですと、サンデッキと露天風呂を往復しながらゆったりと温泉ライフ(笑)を楽しむことができそうなレイアウトです。

○アメニティなどは?

ここはあまり写真やメモを取りませんでしたが、アメニティは必要十分な量が用意されています。パウダールームには女性用、男性用に分け化粧水やクリームなども少量ですが用意されています。ヘアゴム、ボディースポンジ、カミソリなども完備。当然ドライヤーもあります。シンクは2つ用意してありますが、鏡は一つですので同時進行には譲り合いが必要ですね(笑)。また、ドライヤーも1つです。

タオル類はやや多めに用意されていますので、十分にお風呂を楽しむことが可能ですよ!一般的なものですがバスローブも提供されていますので、快適です。

また、冬季はレストラン棟などへの移動用にベンチコートがクローゼットの中に入っています。私はこれを着て、サンデッキで夜な夜な煙草を吸わせてもらいましたが、十分な暖さでした(室内禁煙ですが、フロントでデッキ用の灰皿を提供してくれます)。

○朝食も満喫!

御宿 風月無辺

ふかふかのふとんでゆっくりと睡眠をとった翌朝は、少し遅めに朝食をいただきます。
昨日のお部屋と同じお部屋に通され、写真の様な朝食に迎えられます。中でも「金目鯛と昆布、オクラの和え物」は絶品でして、和食らしい繊細な味と、伊豆ならではの鮮度のある魚を一気に楽しむことができました。

御宿 風月無辺御宿 風月無辺

また、目の前には「焼」「煮」「刺身」の3つの状態の「金目鯛」が用意されていますが、これは食事の最後に「お茶漬け」として楽しむことを推奨されます。料理長のオススメのとおりだし汁でつくったお茶漬けに乗せ、好みでトッピングを付け合わせながら一気にいただきますが、これが見事。朝から伊豆名産である金目鯛を堪能できる秀逸な献立となっておりました。これ目当てでまた泊まってもいいなぁ、と思えるほど夕食、朝食含め「食」のレベルは高めなお宿だったと思っています。

わずかの1泊ですが、美味しいお食事と眺望豊かな露天風呂を満喫し、チェックアウトです。実は朝日を拝もうと、5時半に起きてサンデッキでコーヒーを飲みつつ楽しみにしていたんですが、もー残念ながらの超曇天でして朝日はおろか「一体いつ夜が明けたんだ」状態でしたので、また寝てしまいましたが、そんな中でも一瞬ではありますが素敵な朝の景色を見せてくれたので十分楽しめました。

御宿 風月無辺
(夜明けの伊豆大島、かなりのスローシャッターで明るくとってますが実際は真っ暗です・・・)
御宿 風月無辺
(ちょい明けてきた頃、天使の梯子が素晴らしく綺麗に登場しました)

チェックアウト後はモノレールが混んでいるということで、フロントの方のご好意により我々は送迎車に乗せていただき管理動線を利用して一気に駐車場へ。最大斜度28度という、もう「落ちている」としか思えない道をスタッフの方と談笑しながら走ること1分(笑)、モノレールの1/4の時間で駐車場へ到着です。

伊豆には様々素敵なお宿がありますが、ここもまた、季節をかえて訪れてみたい宿としてリストに載ることになりました。

みなさんもゆっくりと何も考えず過ごしたい時などに是非、行かれてみてはいかがでしょう?

ではまた!

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この記事を書いた人

東京でプランナー・コンサルタントとして働きつつ、様々なフィールドで遊ばせてもらっています。

ON / OFF問わず日本各地、世界各地へ出かけることが多いこと、そして移動手段
である航空機が大好きなのでそんな日常を多くの人と共有しようとブログを書いています。また、最近では愛車ポルシェ911での日々を綴るYoutubeチャンネル「Nine Eleven Cruise」も更新していますので、こちらも是非チャンネル登録の上御覧ください。

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