ガルーダインドネシア航空を活用し、極めて快適にバリに到着した私たちですが、今回は宿泊した「THE RITZ-CARLTON BALI(ザ・リッツカールトン バリ)」についてご紹介しようと思います。
「THE RITZ-CARLTON BALI」-バリ島のヌサドゥア地区に2015年春に開業したまだできたばかりのサイトです。世界屈指の高級ホテルブランドの一つである「RITZ-CARLTON」ですが、ここバリでも抜かりなく最高のホスピタリティと施設を擁し我々旅行客を出迎えてくれます。
写真はレセプションロビーのあるクリフレベルから、一般的な宿泊棟の存在するビーチレベルの全景を眺めている写真です。目の前にはヌサドゥアのビーチ、そしてインド洋が広がり、抜けるような青空も相まりこの景色を眺めた瞬間に心はオフタイム、そして非日常な時計の針がスタートします。
夜のチェックイン時にこの景色を暗闇の中見下ろすと、あまりの広大さに「滞在中にこの施設全体を楽しむことができるのだろうか?」と一瞬たじろぎますが、心配無用。極めて機能的にレイアウトされていますので、ちゃんと滞在中に楽しみ尽くすことができました。
ちなみにこの記事を読んでいて「おいおい、バリのリッツってジンバランだろ?ヌサドゥアとか適当なこと書くなよ!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。または「え?バリのリッツってなくなったんじゃないの?」って方もいらっしゃるかと。
それもそのはず、かつてバリ島で事業を行っていた「旧RITZ-CARLTON BALI」は2009年の3月頃消滅し、突如として旧リッツだった施設をそのまま居抜きで改良を施したホテル「AYANA Resort and Spa(アヤナ リゾート&スパ)」として2009年4月から営業が開始されていたんです。
というのもご存知の通り「THE RITZ-CARLTON」の大株主は世界的ホテルチェーンブランドの「Marriott International(マリオットインターナショナル)」です。単一のホテルブランドとして「リッツカールトン」は営業していますが、資本系統としては「マリオットグループ」なんですよね。で、バリのオーナーがホテル運用に際し、オペレーションの全てを「リッツカールトン」に委託してできたのが「リッツバリ」でした。
そこへ2006年、そのリッツバリのほぼ隣に「Bulgali Resort Bali(ブルガリリゾートバリ)」が完成します。このブルガリリゾートバリもまた「マリオット」との合弁事業だったため、リッツバリのオーナーがリッツと取りかわしていた「リッツバリ開業後10年間はバリ内にてリッツカールトンのブランドを使用したリゾート、スパ、その他事業の展開及びマネジメント等をしない」という条文に引っかかると考え「重大な契約違反」として争いの火ぶたが切られました。
(つまり、リッツの資本はマリオットでブルガリリゾートもマリオットの事業であったため、結局のところリッツではないけどリッツと同義とみなし、重大な信義則違反だと考えたんですね。)
結果、このバリのオーナーが訴訟に勝ち、リッツ側は和解を申し立てましたがそれを拒否したオーナーが新たにリッツを消滅させ、跡地を作り直して「アヤナ」として営業を開始したのが2009年4月の出来事だったのです。
その後、マリオットグループは諦めず、再度リッツの冠を与えて満を持してこのヌサドゥアエリアに場所を移しオープンさせたのがこの「新RITZ-CARLTON BALI」という訳です。
オープンは2015年春、そして施設全体が完成しグランドオープンとなったのは2015年11月。実にグランドオープンからまだ1年経っていないタイミングで訪問することができました。長くなりましたが、そんな経緯のリッツバリ、どんなサイトとして生まれ変わっているのかお楽しみください。
到着するレセプションは、ヌサドゥアの一般道を左折したところにあるゲートで車両ごと爆発物の検査を行い、その後一般駐車場やバンケットホールなどが存在するエリアを抜けた先にごらんのようなメインレセプションが現れます。このレセプションが存在するクリフレベルはかなりの高地にありますので、この奥の景色はすかっと抜けた、冒頭のようなビューが広がっているというわけです。
ちなみに、このロビーの中に入る前にも空港で使用するものとほぼ同じ手荷物検査(X-RAY)と身体検査用のX-RAYゲートがありますが、ここまで徹底しているのはバリでは初めてでしたね。「Mulia」「CONRAD」「The Inter-Continental」「Amankila」・・・初の遭遇です。
我々がホテルへ到着したのは夕方着便ということもあり、日もどっぷり暮れた夜だったのですが、やや暗めにセットされた落ち着いた雰囲気のレセプションロビーが長旅の尖った神経を一瞬でカームダウンしてくれます。
ソファーでチェックインのサインとステイデポジットのためのクレジットカードの処理をすればすぐに部屋でくつろげるのは前回の記事でご紹介していますが、このロビー・・・あまり滞在中に訪れることはないのですがとても落ち着きます。全般的にはバリ島の高級リゾート系のレセプションロビーは暗めの照明で静かな雰囲気を作っていることが多いのですが、ここもまたそのトーン&マナーに沿っている印象です。
事前に情報を入れておけば、子供を連れている場合自動的に「ritz kids」サービス対象として、様々な子連れ宿泊者向けの気配りを受けることができます。写真に写ったタトゥー(ファイル)の中には、ぬり絵や、子供向けサービスの一覧、そして簡易なものでありますがとても洒落たクレヨンが入っており、部屋で子供が退屈することなく、すぐに何かで遊ばせるというようなことができる配慮がなされているのはさすがです。
かなり高速のエレベーターを降り、ビーチレベルへ降りるとこのような回廊を少し歩き、施設内に縦横無尽に走っているバギー(電動カート)のターミナルへ到着します。このターミナル周辺にはアフタヌーンティーなどでお世話になることができる「THE RITZ-CARLTON BAR&LOUNGE」やリテールショップ(洋服やお花、小物など)、そしてコンシェルジュデスクが点在しておりビーチレベルでのちょっとした用事はここで済ませることができます。
また、バルコニーには灰皿が置かれており、喫煙が可能です。
クリフレベルから左右を見渡すと今感じの景色が広がっています。上の写真でリッツの真横になにやら建設中のホテルはヌサドゥア6番目?の高級リゾートとなるのでしょうか「Kempinski(ケンピンスキー)」が建設中だとのことです。しかしながら長らく工事中の様で、一体いつできるのか?と多少雲行きが怪しい旨を耳にしました。
【製作者追記】
記事は、2017年9月の滞在時のものなんですが・・・なんと、2018年12月にバリにお邪魔した際にも「建設中」でした(笑)。追記を書いている2019年3月の段階でもオープンはしておりません。う〜ん、なんともバリタイム。
(※ちなみにこのヌサドゥア地区には高級リゾートカテゴリですと「amanusa」「St.Regis」「Grand Nikko Bali」「Mulia Resorts」「THE RITZ-CARLTON BALI」が存在しています。)
部屋からビーチ方向を眺めるとごらんの様な景色です。ケンピンスキーを入れれば2軒となりの「Mulia Resorts」に宿泊した際の景色とかなり似ていますが、これはバリ島リゾートの王道のレイアウトな印象です。リッツの方が緑が多く、またホテル棟がはさみ込む敷地の空間はムリアより大きな印象です。
参考までに夜の写真ですが、ムリアの部屋からの写真です。似てますね!でもバルコニーの大きさはリッツの勝ちですので、私はリッツの部屋が気に入っています(笑)。
旅ブログっぽく、部屋の引き出しの中ですが、まぁ色々スタンダードなものが入っています。あまりここは使う人いないと思いますけどね。お腹が空いたらルームサービスでいいと思いますので。
冷蔵庫の中身も充実しています。インドネシアの流行りのチョコ「Pod」のバーも入っていました。写真では飲んでしまったので写っていませんがちゃんと「Bintang Beer」も入っていますよ。フルーツジュースはどれも100%ものが入っているので濃厚で美味しく、これを娘が気に入ってよく飲んでいました。
また、ミネラルウォーターは部屋中にこれでもか!という位置かれていますし、補充も極めて細かく行われますので、部屋に置かれたミネラルウォーターを上の写真のドアポケットの様に冷蔵庫に数本入れて冷やしておいて、シャワーの後やプールへ出かける際に持ち歩いていました。こういったお部屋のアメニティの補充に関してはまったくけち臭くないというのがとても滞在の気分を良くしてくれます。夕方によくルームキーパーの方が訪ねてきてくれて「何か不足のものはないか?」と聞いてくれるので、バスタオルやシャンプー、ボディーソープ、そして水などを都度いただいていました。部屋や滞在者を気にしてくれている・・・というもてなしの分厚さはさすがにリッツとしてのプライドを滞在中に何度も感じることができましたね。
ついでにもうちょっとどうでもいい写真をあげましょうか。部屋のライトコントロールはベッドの左右にこの様なスイッチが付いています。壁にもあるんですが、大まかなコントロールはここで可能です。また、バルコニーにつながる全面ガラスウインドゥの電動シェードと電動ブラインドの上げ下げもこのスイッチで行います。
施設内はごらんの様なバギーで移動を行います(もちろん歩いてもOKです)。このバギーは部屋からも呼べますし、ちょっと歩いていると「流しのバギー(笑)」がいまして、歩いている私たちを見かけると「お送りしましょうか?」と声をかけてきてくれますので、必要な際は乗って目的地まで移動します。
乗っているときはこんな感じですね。意外とスピーディーに運転をしてゆくので、かったるさを感じません。
ビーチに面した最も施設の奥にこのメインプールがあります。このさらに奥にもう1段のビーチフロントプールがありつながっているのですが、両方インフィニティタイプのプールとなっており、水に入っている際の開放感はなかなかのものです。プールの両脇に「THE BEACH GRILL(写真右側)」「BREEZES(写真左側)」と2棟のレストランがありますので泳いで、食べて、泳いで、飲んでというまさに休日な生活が可能です。当然それらレストランのメニューをビーチサイドのデッキチェアや、ビーチフロントに設置されたガゼボまで持ってきてもらうこともできます。
私たちが初日の夕食をいただいたのが上記の「THE BEACH GRILL」でした。
メインプールとコネクティングされたビーチフロントプールの様子です。
メインプールの中にいるとこんな感じの景色ですかね。水温が少し暖かく設定されていますので、出たり入ったりが苦痛ではなく基礎体温の低い日本人にはありがたい環境になっていました(笑)。ムリアのプールは水温が結構低い「欧米人向けセッティング」ですので、入るときに少し覚悟が必要だったんですがね。。。
ビーチサイドには、ここで寝たら火傷間違いなし!と思われるサンベッドがありました。夕方〜夜や完璧に曇りの日くらいしか使えないでしょうね。。。実際ここに陣取っている宿泊客は滞在中に1組しか見ることができませんでした。(なんせごらんの通りの雲一つない晴天ですので、直射日光のパワーたるや・・・)ちなみに、奥に見えている三角屋根の建物が「BREEZES」という、スペインタパス系のレストランです。
目の前のプライベートビーチは正直入ってどうこう・・・という感じのビーチではないです。汚いわけではないですが、海流の複雑なエリアのビーチですので、海藻などの漂着物が多めですね。これは時期により変わるのではないかと思います。
また、ヌサドゥアは有名なサーフスポットだったこともあり、波は高めです。その甲斐あって、プールで潮騒を聞きながらゆっくりするという様なビーチリゾート感の演出には非常に役立っていますね。干満の差が激しいため、Low tide(引き潮)のときには非常に砂浜が大きくなります。写真はHigh tide(満ち潮)からLowへ移りつつある時間帯です。
気温、天気次第で最高に心地よいビーチチェアゾーンも設置されています。パラソルでうまく日よけをすればここの居心地も最高です。インド洋の碧々とした独特の憂いと滑りを感じる海面を眺めながらゆったり読書をして過ごす・・・欧米旅行者のスタンダードパターンですが、これめっちゃ気持ち良いんですよね。リゾートホテルステイの休暇の場合、日本人旅行者をロビーで見かけてもまず日中にプールや施設内に日本人だらけで居心地が悪い・・・ということにはならない(多くは観光やらなんやらに日中は出歩いてしまいます)のでホテルから出ない私たちの様な家族にはこの手のリゾートの居心地はパーフェクトです。
個人的にリッツのプールサイドサービスで秀逸だと思ったのはこの「レモンウォーター」サーバーが至るところに設置されている点です。氷でびっしりと満たされたサーバーに水と氷が常に補充されており、プールから上がればこの爽やかな水をグイっと飲み干して渇きや熱を癒すことができます。また、隣にはこれまた氷に入れられたフェイス用の補水液が置かれていますので、日焼けで火照った顔や肩をささっとクールダウンさせられます。・・・また、プール脇のバトラーさん達用のステーションには、日焼け止めや日焼けた肌をトリートメントするアロエジェルなどが用意されていますので、必要に応じ借りることができます。
このウォーターサーバー・・・見た目にも涼しいですし、ちょっとした水分補給ができる心配りという意味でもとても心に残った景色でした。
ということで、まずは設備やプールを中心に「リッツカールトン バリ」をご紹介しました。続きます次の記事では、滞在中のもう少し細かなエピソードやリッツの施設、サービス、そして帰路についてご紹介しようと思います。
記事を書きながら改めて思うのは、このリッツカールトンは、バリ島の中でもお勧めするに値する素晴らしいサイトだということですね。施設、食、ホスピタリティ・・・どれをとっても不満という不満が思い浮かびません。私が全然インフォしていなかったことへの対応で滞在中驚かされたこともありましたが、ぜひそれは次のお話で。
ではまた!
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●リッツカールトン滞在の続編(ディナー編)はこちら!
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