前回の記事はコチラ
→①「大阪旅行記:ANA19便プレミアムクラスで伊丹へ!(NH19 / HND-ITM / Premium Class)」
→②「大阪旅行記:ホテルを新規開発「Hermonie Embrassee」で一晩を。(Osaka / Umeda / City Hotel)
→③「大阪旅行記:伊丹空港展望デッキから離発着機を撮影三昧!(Spotting / Aviation photograph / Various aircraft)」
◆
大阪でのビジネスも無事終了しまして、一泊二日のある種「弾丸出張」である今回は、仕事場からそのまま伊丹空港へ向かいます。
高速の渋滞もなく、呆気ないほどスムーズに伊丹空港に到着できた私にはボーディングまで多くはありませんが空き時間があります。・・・前日スポッティングの面白さを覚えてしまった私は、撮り足りない気分を満たすために空き時間を「撮影」に費やすことに決め、展望台へ再度向かったのです。
展望台から撮れる絵には機材及び航空機との距離で限界があり、昨日と似た様な絵になるのは避けられないのですが、唯一「時間帯」が異なる夕方であるという点だけを希望に、再度展望デッキからの航空機撮影に臨むことにしました。
最初に目に飛び込んできたのは「J-AIR」のボンバルディアCRJ-200ER(JA209J)です。昨日撮影したJA201Jとは異なり、ジェットエンジン後方部は白く綺麗でまだあまり煤けていないようですね。写真の色味からもすでに強烈な西日状態になっていることがお分かりいただけるかと思います。
続いて主翼を黄金色に輝かせながら離陸していったのは、ANAのボンバルディアQ-400(JA462A)。ANAウイングス保有機ですが、過去に落雷被害を受けた機材の様です。2013年登録、比較的新しいボンバル君ですね。
ちなみに余談ですが機材名称の「ボンバルディアDHC-8-400Q」の「Q」は「Quiet」のQでして、逆位相波という機体外部で発生する騒音と正反対の音(正確には音波)をキャビンに流すことにより騒音を打ち消す機能を備えた”静かな機内”を喧伝する意味でも付けられた名称です。故に、窓のすぐ外で全開で回転するターボプロップエンジンの音なども比較的まろやかにキャビン内には響き、小型機ながら中型機並みの機内快適性を持っている点では非常に優秀かつユニークな機材なのです。結構私は短距離路線でこのボンバルディアのQuietシリーズに乗るのは好きですが、世の中の多くの人は無条件にプロペラ機は信頼できない様でして。。。
そんなボンバルディア豆知識をお伝えしているうちに、目の前ではANAのBoeing767-300がプッシュバックを受けています。レジ番からして「古そう」と思える機材ですが、意外にも1994年登録であり、767の中では驚くほど古い機材ではない様です。おそらくクラシックタイプの最終型付近かと想像できます。今となってはあたりまえのこのANAトリトンブルー塗装ですが、実はこれが採用された最初の機材がこのBoeing767です。それまでのモヒカン塗装(下の写真参照)から、このBoeing767を新規導入する際に大きなCIとして機体のカラースキームを変更したんですね。いわゆる現代ANAの幕開けともなる大きな変更でした。
当時まだ幼かった私はこのシンプルで力強い塗装と、真っ白なボディが空を飛んでいるのを見ると無性に興奮したものです。もちろん、飛んでいる機材のほとんどがモヒカン塗装の時代ですから、新塗装を見つけるというだけでそりゃー興奮は絶頂でした。
(モヒカン塗装復刻機 / JA602A ※現在通常塗装に復元済)
なんて感傷に浸っていると先ほどのCRJ200が離陸して行きました。・・・が、よく見るとこの機材も機体右側のジェットエンジン後部が煤けています。先ほど見た左側は真っ白だったのですが、右側だけ煤けるなにか特殊な理由でもあるのでしょうか。。。
望遠性能的に「辛い・・・辛すぎる」状態ではありますが、ANAのBoeing777-200が降りてきた様です。ウインドソックスを見る限り、風は機首の右斜め前から吹いていますので、セオリー通り風上側の主脚が先に接地していることがわかります。奥にビル群がそびえているので、なかなかの都市空港な雰囲気が出るのも伊丹の良いところですね。
光の加減もあってか、多少ずんぐりむっくりしたB777-200の巨大なボディシェイプの質量感を感じる写真です。レジ番は「JA707A」、往年の名機Boeing707を思い出す、なかなかのレジ番です。上の写真ではまだスラットもフラップも格納途中ですが、下の写真では完全に格納されスマートな翼の造形が見てとれます。
Boeing767とBoeing777は顔の部分(コックピット部分)のコンポジットを基本的には流用していますので、非常に兄弟機的な形状の近似を感じさせてくれます。この写真の上が767、下が777ですがコックピットの窓の形・・・同じですよね。こういうデザインコンストラクションに一貫性を感じるのがボーイングの良いところです。コックピット上半分の造形だけであれば、757もほぼ一緒です。
反対側に目を転じれば、本年の「那覇→岩国」新規就航初便を担当したANA Boeing737-800(JA67AN)が到着した様です。小型機ながらもかなり戦闘的なデザインと大きさのウイングレットで、鋭い機影ですね。737の後ろには滑走路へ向かうJALのBoeing767-300(JA603J)が見えています。この767、過去にはANAもJALも胴体の短い「-200」を保有していたのですが、現在は全機退役済で見ることは叶いません。。。・・・ご参考までに過去に成田で偶然見かけた「アエロメヒコ」のBoeing767-200の写真をご紹介したいと思います。
(Boeing767-200、短くてかわいいですねぇ!)
昨日は2号機の「エコボン」を見ましたが、この写真では3号機となる「JA858A」のエコボンに遭遇しました。みんなそろって仲良く滑走路へタキシング中です。
と、油断しているといきなり目の前に「JAC」のボンバルディアQ-400(JA850C)が降りてきました。こちらも風上側を先に接地させていますね。実際この位から一気に景色の光量が落ちてきていまして、この写真はシャッタースピードを最適化できずにややブレています。遅いシャッタースピードなぶん、スピード感はあるんですけどね(汗)。いよいよこの辺から、明るさとシャッタースピードの戦いになってきまして、刻々と変化する光量に対し、絞りとシャッタースピードを調整し続けながら最適値を模索する旅が始まります。
と、思えば目の前を金属質なジェットサウンドを轟かせながらBoeing737-800(JA78AN)が旅立っていきます。2014年登録のかなり新しい機体です。空気を切り裂いて空へ駆け上がってゆく鋭利な迫力がB737系には何故かあります。
少し違った趣の写真を撮ろうと、沈む直前の太陽を背に大空へ羽ばたいてゆく機体を狙ってみました。上は先ほどのBoeing737-800、下はJ-AIRのエンブラエル170です。私は面倒くさがりなのでRAWでは撮影しませんので、ややこういう場合のグラデーションのダイナミックレンジが落ちてしまっていますね。こういうのを見ると「やっぱRAWで撮ろうかなぁ〜」と心が揺れます。。。なんでJPEGで撮っているのか、一応意味はあるんですがそれはカメラネタなどを書く際にお話しできればと思っています。
地味にいろんなBoeing737-800がいたのね・・・と思うこの離陸カット。はい、今までご紹介した機材とは重複せず「JA81AN」です。ANA31機目となるBoeing737-800、2015年3月登録ですので日本の空を飛んで約1年ちょいの新顔ですね。シアトルのボーイングフィールドからアンカレッジ、新千歳経由で羽田空港に到着したのが、昨年の3月27日とのこと。B38でこの長距離をフェリーさせるフライトってなんだか楽しそうです!
風向きが変わったのか、おっとと・・・なのか覚えていませんが、逆の脚から接地しているボンバルディアQ400。この子は「JA855A」・・・そうです、1番違いで「エコボン」になり損ねた子なのです。心なしか着陸姿勢もやんちゃな気がしますが、そんなことでどれを「エコボン」にするのか、決めているわけないですからね(汗)。勝手な感情移入です。
目の前では、昨日の出くわし前回の記事でも写真に収まっているエンブラエル170(JA219J)が離陸して行きます。ちょうど先日初の「エンブラエル190」が伊丹に到着したばかりですので、ちょっと今後の日本キャリアのエンブラエル採用トレンドは気になります。私も海外ではちょいちょい乗っている機材ですが、とても乗り心地がよく洗練されているのでもっと日本の近距離航空網が盛んになれば「MRJ」の強敵であることは否めません。
てことで「飛行機と夕日」シリーズ第2弾です。J-AIRのボンバルディアCRJ-200ERです。いよいよ完全に日が沈む秒読みの時間となってきました。
そんな日没秒読みの時間帯、一日の業務を終えた一機のBoeing737-800が北側格納庫前のスペースへトーイングカーに引っ張られドナドナされて行きます。これからゆっくりと一日の疲れを癒すのでしょうねぇ。
そして、だいぶくたびれた感のあるBoeing777-200が到着してきました。こりゃーかなり国内線で酷使されている匂いを出していますよね。2005年登録機の様ですが、なかなか洗ってもらえないのか、汚れやすい気象状況を偶然多く飛んだのか定かではありませんが結構同じANAの777でも個体差あるなぁ、という印象です。
こちらはIBEXのボンバルディアCRJ-700が降りてくる様子ですが、いつも思うんです・・・なぜボンバルディアのジェット機はギリギリまで機種下げで進入してくるのか・・・と。通常は降下開始から一貫して機首を少し上にあげ、迎え角を高めた状態で降下してきます。それに対しボンバルディアのジェット機は、ギリギリまで機首を下げ「つっこんでいくぜ!ノリノリだオラっ!」的オーラを醸しながらぐいぐい降りてきます。
機体ごとのオペレーションの違いでしょうが、なかなか迫力あるし違和感あるんですよね(笑)。で、最後の最後、本当に30-50ftかそこらで「クイッ」っと機首をあげ、例の凜とした着地姿勢で接地するんです。まさに鳥。そういうとこ、痺れます。
もうね、これかなり暗いんです。太陽はおそらく山の向こうに沈んだくらい、残った光が景色を赤く染めているだけですね。先ほどのJA707Aが再び(おそらく羽田でしょう)に向け、夕闇の中を離陸して行きます。きっと上にあがり、東京へ向け変針をすると右手には闇、左手には真っ赤な空という感じの時間帯ですね。
ところでさっきの「くたびれた感」のある777(JA713A)ですが、間近で見るとやれているというより「ボロボロ」です(笑)。写真を拡大していただければわかると思いますが、ボディ全体の塗装が剥がれ落ちてます。これ確実に強くてタチの悪い積乱雲に突っ込んだか、猛烈な雹(ヒョウ)の降る空域を通過しましたね。ここまでボロボロってのは、結構な音が機内でも聞こえたはずです。いつやらかしたのかは定かではありませんが、結構チェックしないと思わぬ損傷がありそうで怖いかと思います。
さぁいよいよ夜です!この子もレドーム(機首の鼻のような部分)が見事にハゲてますが、今日何機見ているんだ?っていう位のBoeing737-800(JA62AN)です。この時点では滑走路や誘導路の夜間照明が煌々と灯り、目の前の景色がキラキラとしたものに変わって行きます。
着陸機が誘導路に入るちょっとした動きで、この様な見事な光の贈り物を見ることもできる素敵な時間帯です。これ、もっと望遠で撮りたかったなぁ。。。着陸直後なので、まだスポイラーが立ちっぱなしなのもなかなか臨場感があっていいですね。
キラキラ光っていた機体が横を向いたら「ドルフィンジェット」でした。JA8596、現在はANAウイングス所有の機材です。
(Boeing767-300が到着です、機内照明が見える位まで暗くなりました)
もう目の前は真っ暗、三脚を使用していないのでそろそろ撤収か・・・と店じまいを始めた頃、南の空に一発で機材がわかるあのLED照明の機材が飛んでくるのが光り方で分かりました。
そう、
Boeing787です。
最後に787を撮影して終わるか・・・ということで、ランディングまでしばし待ち、いよいよやってきました!
ちょっとスターウォーズ的な何かを感じる光り方ですが・・・やっぱエンジンのデカさは超一流(?)ですな。
シェイプのすべてがなんか絵になる機体ですね、いやぁかっこいいです。「Boeing787-8 Dreamliner(JA811A)」。水銀灯に照らされるエプロンのオレンジとアンチコリジョンライト(衝突防止灯)の赤が滲みあって悪くないですね。この焦点距離ならもっと明るレンズで遅いシャッタースピードで撮るというのもいい雰囲気になりそうです。
ということで、初めてのスポッティングを満喫し、様々な課題も感じながら展望デッキを後にします。隣では三脚を構えた方々がいよいよ本番とばかりに慌ただしく一眼レフの調整に追われていますが、どうも皆さん動画を撮影の様です。
私は階下に降りた後すぐさまチェックインをし、荷物を預けラウンジへ向かいます。搭乗便は最終便ですので、空港内はさほどごった返しておらず、快適に移動ができる良い時間帯です。この1-2便まえですと各地への最終便の集中する時間帯ですので、結構混んでますし、ラウンジもフルなのであまり好きじゃないんですよね。
しばし撮影の余韻の「ANA SUITE LOUNGE」にて味わいます。が、久しぶりに来た伊丹・・・タバコを吸おうとすると「SUITE」には喫煙室がないことがわかり、急遽「ANA LOUNGE」へ移動です。
といっても階段を1Fあがるだけなんですぐですが、ぶっちゃけこの伊丹の「SUITE」は何がスイートなんだかわからんくらいのクオリティなので、今後は普通に「ANA LOUNGE」を使おうかと思ってしまいますね。
軽くタバコを吸い、コーヒーを飲んだらそのままボーディングです。
ゲートが10番から9番に変更になったので、少し歩いてそのままDIAの優先搭乗で機内へ。ここまでは定刻通りでしたが、その後も何事もなく無事20時18分ドアクローズ。・・・機内では昨日発生した熊本の大地震への労りのコメントが行われています。そう、出張はあの最初の震度7強が発生した日の前後だったのです。私に直接的な親類、友人は熊本にはおりませんが、数度訪れた街でもありますので、そのコメントを聞きながら心を痛ませ、現地の状況を考えている頃、機体は伊丹の地を離れ漆黒の闇へと飛び立ちました。
本日の私の搭乗便は「ANA40便(ITM-HND)」、機材は「Boeing777-200 / JA701A」プレミアムクラスを利用しています。
短い巡行時間の便ですが、上昇中にベルトサイン消灯後一気に夜ごはんがサービスされます。今夜の食事は先日の神戸行きで出てきた「幸庵」とのコラボに比べると凡庸な印象で、お腹も空いていたのですがいまいち満足感に乏しくちょっと残念でした。まぁ、こういう時もあるでしょう。
ですので、早めに食事を終わらせ少しでも長くゆっくりとコーヒーをいただくことにしました。いつものフォンダンショコラを食べつつ、高度をグングン落としている機体の動きを腰で感じます。
21時26分、4チャイムがなりいよいよ最終の着陸態勢です。「LIGHT」程度のタービュランスをうけながら機体は滑走路へ向け高度を消化し、同30分にギアダウン。窓から見えるアクアラインとの位置関係で「今日は珍しく34Rに降りてくれるかも?」と思っていると、目の前のモニターに浮かび上がった前方の景色はまさに「RWY34R」に進入をしている様子。煌々と光の筋で誘導するAGL(Approach Guidance Light)の明かりをみながら、最後の機体の動きに集中をすること2分(笑)・・・21時34分、無事羽田空港滑走路34Rに機体は接地。風の具合もあったんでしょう、接地まで微弱なパワーを入れたままで機体をつけるパワーオンランディングを楽しめました。
その後強めの逆噴射とブレーキを伴いながら、最初のハイスピード誘導路への離脱を目指すもののスピードが落ちきらず断念・・・2番目のハイスピードで離脱、69番スポットに機体は吸い込まれました。
バゲージムレイムを出てもまだ22時前ですが、羽田空港はすでにすべての出発便を終えています。閑散とした出発ロビー階を眺めながら私も駐車場へ足をすすめ、帰宅することとします。
一泊二日の慌ただしい旅でしたが、航空機撮影の面白さと難しさ双方を知る意義深い2日間となりました。航空機撮影のためだけにどこかに行くほどマニアではありませんが、近場の羽田、成田でちょっとばかし練習はしてみようかな・・・そう思えるほど写真との新しい向き合いのページを開いた印象です。
さぁ、次はどこへ移動でしょうか。
まだまだ腕のない写真と、長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
ではまた!
***
☆ブログ記事を気に入っていただけた方は、ぜひクリックしていただけますと幸いです。より多くの方と、旅の面白さやハプニングの情報を共有したいと思います。コメントもお気軽にどうぞ!
【コメント・メッセージ】