ボーイングファンには気になるニュースが紛れ込んできました。
航空機関連ニュースサイトの「Flightglobal」によると、2016年中にボーイングが新型機を開発するか否かの決定を下すかもしれない、そうです。
記事によると、
In an all-hands meeting with employees on 10 February in Seattle, Boeing Commercial Airplanes chief executive Ray Conner said the new project could receive a go-ahead decision as early as 2016, sources say.
Since at least 2012, Boeing has identified a gap in the market between the single-aisle 737 Max 9 and the twin-aisle 787-8. A two-year series of discussions with customers revealed a consensus for an aircraft with about 20% more range and payload than a 757-200.
と書かれており、ボーイング社内部情報として、商業航空機部門のトップであるレイ・コナー氏が「2016年のできるだけ早い段階で、新しいプロジェクト(航空機開発)の決定が降りるかもしれない。」と語っています。
○気になる開発される機体とは?
噂が嘘であれ、本当であれ気になるのはどういう機体が開発されそうなのか?という点だと思います。これも、記事中では説明されており、まず機体サイズとしては「MOM(Middle Of Market)」の中型機だとされています。
A two-year series of discussions with customers revealed a consensus for an aircraft with about 20% more range and payload than a 757-200.
Several potential customers, such as Air Lease founder Steven Udvar-Hazy, have pressured Boeing to deliver a clean-sheet aircraft that combines the range and payload of a small widebody, such as the 767-200, with the operating economics of a narrowbody like the 737-800.
スペック的には私の個人的に大好きなナローボディ機である「Boing 757-200」の約20%増のペイロード(=有償重量 / 貨物+乗客などの収益を生むことができる1機あたりの搭載容量の意味)と、航続距離を持ったものであり、機体のイメージとしては「Boeing 767-200」の様なワイドボディであり、且つ経済性は「Boeing 737-800」と同等のもの。
だそうです。
日本では、成田にデルタが乗り入れていたりするものの、かなりマイナーな存在(結構ご存じない方もいるのでは?)である「Boeing 757」ですが、開発年次は「767」と同じであり、当初は多くのパーツを共用していました。米国内線などで乗るチャンスが多く、細くすっきりした顔やスタイルが私は大好きで、隠れた名デザインだと思っています。
今回ボーイングが開発するかも?な機体はこの「757-200」を、容量と航続距離の面で拡大し、且つ国際旅客需要に合わせ「ワイドボディ化」(客室内に通路が2列ある機体だと思ってください)した上で、現代に適した経済性(燃費、航続距離、貨物収容量、部品点数の最適化やメンテナンス性能の向上などなど)を組み合わせる・・・という方向性の様です。
○でもそれって・・・。
書かれていることは「ほうほう・・・」と読み進められますが、実際に「じゃぁ、既存機と比較してどのポジション?」と考え始めると、「アレ??」って感じなります。
座席数から考えても、非常にシンプルに「アレ??」なのです。・・・今や国内キャリアで飛ばしているところはない「Boeing 767-200」ですが、「181-255席」であり、見事に中型機です・・・が、以下の簡単な座席数比較を見てみてください。
・767-300(218-351席)
・757-200(200-218席)
・777-200(300-400席)
・787-8(210-250席)
・787-9(250-290席)
757-200の2割り増しだとすると、確かにこの辺の座席数に落ち着きますが、そう考えると、求められる要素全てを持っている機体として「787-8」が該当します。経済性も、貨物容量、航続距離全てが要求通りかと・・・。このカニバリはどう解消され、どう「キャラクターの違う」航空機としてプレゼンテーションされるのか非常に興味深いところでもありますし、この計画が「GO」になる肝でもあるのでしょうね。
考えられるとすれば、長距離航続を初めから捨て、且つ貨物容量も787-8程の大容量を目指すことなく、ボディシェル全体を少しスッキリさせて行くことにより「離発着距離」を大幅に短縮化し滑走路の短いローカル空港での運用がしやすいものとしてデザインすることでしょうか。完全に「737>新開発機>787-8」という微妙なヌケモレを攻めてくる機体の様な印象が素人考えではしてしまいます。
そして、攻勢にさらされている「Airbus A321neo」などのエアバス勢の中・小型機に対しての包括的な対抗勢力としての選択肢の提供によるマーケット力学の変動を促進する狙いなどもあるのでしょうね。マイナーチェンジを繰り返すベストセラー機である「737」シリーズもやはり基本設計の古さは拭いきれませんので、中・小型機でのボーイング最新鋭というものは存在していない点で、一気にアドバンテージを獲得したいのかもしれません。
○どうでもいいけど、レアな757について。
757にはめっちゃレアな機体が存在します。
ご覧の機体。そう、ホテルグループである「FOUR SEASONS」が保有するプライベートジェットです。上得意顧客の移送や、この機体を活用した同グループホテルを回る「世界一周ツアー」などに活用される、まぁ一般人は乗ることないでしょ(笑)的機体。
こんな感じの機内で、まぁおそらくソファーやバーなども完備され、ホテルの様な機内になっていることでしょう。ほぼ日本に飛来することもないので、海外で偶然見かけられた方はとてもラッキーです。
さてさて、今回の「ボーイング新型機に着手か?」ですが、ボーイングファンとしては少し期待しながら続報を待つこととしたいと思います。
ではまた!
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