【Porsche991】堪能!房総タンデムツーリング

クルマ関係


とある日曜日の早朝。

キーを捻り冷え切ったフラット6を目覚めさせる。・・・暖気音が響くといけないので極低回転で駐車場を後にして、まだトラフィックのまばらな大通りをゆっくり走り各部を温めていきます。

車両状態を示すVGAディスプレイでは「気温7度」に対し「油温も7度」。完全に冷え切った機関を徐々に温めながら近隣のガススタで991のお腹をパンパンに満たし準備完了。

人間も目覚めさせないとな・・・と、ちょっと走ってまだ完全に街が眠っているお台場のコンビニで温かいコーヒーとパンを買い、東京湾岸のキリッと冷えた外気を味わいながら煙草を燻らせます。徐々に日が昇ってくる湾岸エリアの景色は何度見ても良いもので、眼下に広がる首都高湾岸線を行き交うクルマ達が発するロードノイズが徐々に脳みそを活性させてくれている気分に駆られます。

●Boxterと一緒に今日は房総を走ります。

今日はBMW時代からの古い知り合いである「Wata氏」とツーリングの約束を取付け、彼のホームの一つである房総エリアを案内してもらおうという算段です。私が大学生時代に出入りしていた某巨大BMW掲示板時代に知り合ってからもう20年近く経つでしょうか?忘れた頃に同道させていただく、クルマ遊びの大先輩です。

ドライブ・ツーリング業界では知らないとモグリ?!とされる人気ブログ「Wind and Light, Boxster.」の作者であるWata氏。お互い気づけばBMW時代(彼はALPINA B3時代にも有名なブログを持っていましたが)を経て、偶然今はポルシェを愛用しているという縁も感じ、今回のツーリングをお願いした次第です。

すぐ近くの台場ICから湾岸線へ降りて行き、早朝にもかかわらずトラフィックの多い道をかき分けながらアクアラインへ舵を切ります。待ち合わせは「館山道 君津PA」、時間に余裕を持ったつもりなのに辟易とする交通量のアクアラインを走るクルマの群れに阻まれ、たいした貯金もできずに待ち合わせ場所に到着です。

到着して残ったパンを頬張るとすぐにWata氏も到着です。さんざんブログで見慣れていたサファイア・ブルー・メタリックのボクスターです。日本全国を走り抜けまさに「駆け抜ける歓び」を知っている個体(あ・・・この言い方はBMWか・・・)。白、黒、銀の多い最近のポルシェですが、珍しくブルーメタリック系統が2色揃ったショットをしばし楽しみます。

ハッキリ言ってワタクシ、房総エリアの良い道はあまり知りません。移動の通過点としてはかなりの回数走っていますが、ツーリング対象として走り回ったことはないのです。・・・しかし結果的には・・・こんな近所にこれほどの快走路がふんだんに隠された土地だということを嫌という程、Wata氏に教えてもらうこととなります(汗)。

「君津PA」に備わった「君津PA スマートIC」から一般道へエグジットし、そのまま(記憶では・・・)K163に合流し、ま〜〜〜〜〜〜〜〜〜ったくクルマのいないカントリー&ワインディングロードを2台の水冷ポルシェが疾駆して行きます。早朝ということも手伝い、ほんとにトラフィックなし!今までクラッチとギアスティックで操作していたミッションを、指をパドルに引っ掛けるだけのミニマムな操作で操り、次々と目の前に現れるコーナーをクリアしてゆくのは「愉快・爽快・次世代」の一言。

ワインディングの途中にあった待避所に2台のポルシェを止め、2人は寒い外気も気にせず雑談に興じます。後ろから見ていて思ったんですが、やはり日本全国(酷道含む)を走り回り、ツーリングの酸いも甘いも味わいつくしたWata氏は圧倒的にブラインドコーナーの処理がうまいことに気づかされます。安全マージンを残しつつも、極めて小気味良いペースでそれらのコーナーを処理してゆく様は本人には否定されるでしょうが「なかなかの職人芸」(笑)。前のボクスターがいるんだからあっしは気にせず入れば良いコーナーも思わずブレーキにかけた足の筋肉が「スタンバイ状態」になることもしばしばでした。

ま・・・2年で7万キロ以上走るしね・・・Wataさん(笑)

また、ミドルコーナーのターンインは精神的な負荷含めてボクスターが楽そうです。どうしてもこっちはフロント荷重を気にしてしまいます。その分立ち上がりは楽ですが、ダラダラと続くベンドなどではコーナー中間部で「クルマにGが溜まっている感」が気持ち悪く、続いて起きるかもしれない「急激なリバース」を警戒してしまう自分がいます。

まーぶっちゃけ991じゃそんなんなんないよー!と仰る諸先輩が多いと思いますが、まだRRの挙動に体を慣らしている最中ですのでお許しください。

休憩後もまったくクルマのいないワインディングをタンデムで楽しみます。快適なペースで先導をしてくれているWata氏は「ツーリング専用 人間サイバーナビ」なのか?!という位、極上のワインディング同士をつなげるべくちょいちょい変針し県道から県道へ、そして時には広域農道へ・・・と途切れることのないタンデムクルーズを引率してくれています。

E46M3比で約30cmも短い991のホイールベースによる独特な挙動にもだいぶ慣れ、納車初日の不安感とは打って変わってペースを上げてゆくことができますし、そのソリッドな挙動は乗れば乗るほどもっと先の奥行きを知りたくなる「泥沼挙動」そのものです。・・・確かにこりゃぁ一度乗っちゃうと、箱替えしない人が多いのも頷けます。

できればもー少しコンパウンドやショルダーの弾力感のあるタイヤをチョイスしたいところですが、サイズ的にP-ZERO一択に近いのが悩ましいところ。N0認証の20inch ADVAN登場を切に願います・・・ヨコハマさん・・・。

東京を出たときは晴れていた空が、君津ではどんより鉛色に曇っており「う〜ん、もっと開放的なツーリング日和が良かったなぁ」と2人で話していたのですが、南房総エリアに入るころにはついに空に晴れ間が!車内も輝く太陽の光に満たされ2人のガスペダルを踏む足もより活気付いてきます。

最終的に「安房グリーンライン」を走破し、最南端に出たところで「名倉海水浴場」付近の砂浜みたいな駐車場?に2台はエントリーし、再び休憩を取ります。

この頃には完全に天気は回復しており、目の前には「ド快晴」の空と金色に輝く水面が広がっています。まさに至福!夏とは違う、冬ならでは海岸の景色をしばし我々は楽しむのでした。

いや〜、たまらんす。

海沿いにポルシェならべてホクホク写真を撮りまくるおっさん2人(笑)。まだまだ991の最高にイカす角度を発見できていませんが、2台の曲線を基調としたスポーツカー然としたスタイルの造形物を眺めながら過ごす時間は「極上」という言葉以外見つかりません。

個人的な感覚ですが、こういうちょっと寂れた田舎の街並みに置いても違和感なくフォトジェニックになってくれるのはポルシェならではかな?と思います。この景色にフェラーリを置いたら、ちょっとアンバランスだよなぁって思いますし。日常の中の非日常っていう程よいミクスチュア感がポルシェの真骨頂じゃないかと思っています。

満足した我々は、しばらく海岸線沿いの旧道をトレースし東岸を北上します。そこからあまりにもホイホイッと気がつけば山の中の道へWata氏に案内され、心地よく「うぁぁぁぁぁぁー!この道狭すぎてクルマ1台ギリだし、しかも両側にコンクリの謎の壁がっ!」みたいな最高のワインディング(笑)を楽しませてもらっていると、突如として目の前に現れますは「2車線の広めの県道」。

「お・・・文明との接触。」

と思っていると、目の前のボクスターは怪しい挙動でハザードを焚いています。

「ハザード?バックか?」

と思いながら視界の奥に目をこらすとそこには「蕎麦屋」。彼のブログを読んでいる方ならすぐにピン!と来るかと思いますが、そう、「昼飯食うよ」の合図だったんですね(笑)。

おいおい大丈夫かよ、これフロント擦らないだろうな・・・という傾斜の駐車場にバックでツッコミ(全然擦りませんでした・・・)、開店前の行列に並ぶこと数分。いよいよ開店した亀山湖近くの「上総屋京兵衛」さんの暖簾をくぐります。

メニューを見ると常連じゃない限り「ど〜考えてもコレ頼むだろ!」というラインナッップ(要するに少ない)で「鴨そば」があったので2人してこいつを注文します。ほどなくして出てきた「鴨そば」は、喉越しの良い田舎そばに濃すぎず鴨肉の脂がほどよく合わさったつけ汁がセットになっており食が進みまくりです。

最後につけ汁を蕎麦湯で少し薄め、一気に飲み干しごちそうさま。

開店後客足が途絶えずとても混んでいたお店なので、またしっかり駐車場に車を入れられるよう、早めの到着を意識して再訪してみたいと思います。

食後は残念ながらどこを走ったのかわからない(たぶん、Wataさんのブログが更新されれば解説されているでしょう!)ものの、最終的に事実上無料開放されている有料道路の「房総スカイライン」を経由し「新舞子海水浴場」へエントリーします。空気が澄んだ日なら海の向こうに富士山が見えるというこの海岸、半日走りまくってやや砂埃がボディをコーティングしている感のある2台を優しく迎えてくれ、暖かな午後の日差しでそのボディ色を眩しく反射させてくれています。

後ろの今は営業していない海の家がなんとも味を出していますが、雲ひとつない空の下ゆったりとクルマの話などをできる静かな空間です。

フルオープンには負けますが、意外と開放感のある991のサンルーフを開放して私も対抗です。屋根ごと後ろへスライドするこの開き方はちょっとユニークですが。。。

後ろを走っていて思ったのは「ボクスターってリアの存在感がすごい」ということ。なんだかとっても横幅があるように視覚上は見えるんですよね。サイズ的には横幅は991の方があるのに、肉眼で2台並んだ様子を見るとなんだか「ボクスターの方が幅広?」って思っちゃうわけです。

2人の結論として、リアのグラスエリアがないため、エンジンフードの面積が大きく、バンパーからエンジンフード上端部までの投影面積がでかいからそうみえるんだろ〜な〜と妙に関心しながら見ていたものです(オタクかっ!)。

またエグゾーストサウンドも991より乾いた音の印象がありますね。湿度的には近いのかもしれませんが、991のそれはより野太く、高い圧力で放出している雰囲気を感じさせるサウンドです。ボクスターの2.7Lエンジンは軽やかで乾いており、サウンドチューニングとしても「オープン状態でのキャビンに届く音」を意識して作られている印象を受けました。

ゆったりと会話を楽しんだ我々はこの海岸を後にして、渋滞が始まる前に・・・と帰路につきます。海岸のすぐ裏手にある「富津中央IC」から館山道に入り「木更津金田」から再びアクアラインへ。

アクアライン南側を快晴の中飛び越してゆく羽田への到着機の列を頭上に眺めながら、今日のこの快晴に感謝します。・・・アクアラインのトンネル内ではキ◯ガイの様にやかましいマフラーを入れたワンボックスに辟易としつつも、まだ走れるトラフィックで動いている湾岸線→9号とつないで、最終的には「辰巳PA」で最後の休憩。

日曜の辰巳はさながら自動車好きの社交場となっており、F458、F430、F360などのフェラーリ系、996、997、991の各GT3やCarrera4S、Cayman S、Boxster GTS・・・更にはカウンタックまでそれぞれがそれぞれの愛車を伴って楽しんでいます。聞けば箱根帰りだったりする方も多く、場所は違えど朝っぱらからみんな似た様な日曜日を過ごしていたんだなぁ・・・と面白く思えてきますねぇ。

私の991納車後、近所のファミレスでお茶をした「997 Turbo」の友人以外でしかも一定の距離をポルシェとタンデムするのは初めてとなる1日。さらにこのクルマとの距離を縮めるには最高のワインディングを紹介してくれたWata氏に感謝するとともに、ある意味とても乗りやすいポルシェの動きにより魅せられた日となりました。

いや最高っす。房総の復習と、今度は西伊豆あたりを楽しみに出かけてみようと思います。

辰巳でWata氏と別れ、そのまま帰路につきました。

もっともっと走り込んで、様々な角度から991の魅力を掘り下げて、ご紹介して行こうと思います。

ではまた!

 

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この記事を書いた人

東京でプランナー・コンサルタントとして働きつつ、様々なフィールドで遊ばせてもらっています。

ON / OFF問わず日本各地、世界各地へ出かけることが多いこと、そして移動手段
である航空機が大好きなのでそんな日常を多くの人と共有しようとブログを書いています。また、最近では愛車ポルシェ911での日々を綴るYoutubeチャンネル「Nine Eleven Cruise」も更新していますので、こちらも是非チャンネル登録の上御覧ください。

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【コメント・メッセージ】

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