寒中暖あり、な朝。大層久しぶりにTCATへ向かった私は、リムジンバス職員の方にQRコードを見せバスの中に乗り込みます。目的地は書くまでもない羽田空港。昨年の夏に九州へ出張で使って以来の「搭乗目的」での移動です。・・・世の中はまだ緊急事態宣言が延長されていますが、やむを得ない用事により今回東京を離れることとします。
5ヶ月ぶりの搭乗は広島へ!
以前は毎月、いやひどいときは毎週利用していた空港ですが最近は当然のことながら疎遠。しかしながら空港に到着した私の体は自動操縦よろしく空港の導線を移動し「体が覚えている」状態で気がつけばチェックイン完了です。そのままラウンジへ向かい一服をするのですが、昨年夏ごろのラウンジよりはオペレーションに物々しさはなく、且つ閑散とするでもなく比較的いつもの朝ラウンジの景色が広がっています。
「意外と移動する人がいるんだな・・・」と、若干の驚きを持ちながら喫煙室でタバコを吸っているとなんだか体がかつての渡航が日常だった日々を思い出すのか、とても懐かしい気持ちになってきます。と同時にこの「移動の日常」が自分にとってエッセンシャルであり、こういった時間が私という人格を作る要素でもあったんだな・・・と空港で過ごす時間がたまらなく愛おしいものとして感じられてきました。
懐かしい気持ちになり少し早くラウンジを出て、出発ロビー内を散策しながら搭乗ゲートへ向かいます。見慣れた景色ですが、やはりそれでも少し新鮮な景色として久しぶりに訪れた私には見えているようで、普段であれば撮らないような景色をカメラで切り取っていきます。
羽田であっても休業中のお店は出ているようで、ボーディングゲート近くのお店は閉まっていました。早く日常が帰ってくることの祈るばかりです。。。
ま、そうですよね。待機用のベンチも「Social Distancing」のプレートが置かれています。現状はそこまで旅客が戻ってきていませんのでこうやって間引き運用でも大きな問題はないのですが・・・。
9時3分、「Group1」からボーディングが開始されます。・・・夏の時期はこのFFPエリートに対する優先搭乗は廃止され、人同士の接触を限りなく避ける意味で後方座席から順に埋める搭乗方式でしたが、いつの間にか通常の形に戻っていたようです。ただ「Premium Class」は常に満席ですので、逆に蜜じゃね?と考え今日は普通席で移動することとしました(まぁ、意外と人が乗っていたので結果プレミアムで良かった気がしますが・・・)。
今日は広島まで行くのですが、いわゆる准幹線と言っても差し支えないこの路線においても機材は「Boeing737-800」です。かつては小さくとも「767」が飛んでいた路線だけにコロナの影響はまだまだ・・・というか、日本中に甚大な影響を及ぼしていることが分かります。もちろん737も満席ではなく、7割程度の搭乗率でしょうか。
お隣はAirbus A320neo。夏の福岡ではお世話になった機材ですね。最近多少国内需要は戻ってきていると聞きますが、たしかに窓からはちらほら「787」が駐機している様子が伺えます。夏頃は737、A320しか止まっていないような羽田だっただけに、ちょっとした回復基調が嬉しく思えます。それでも通常期なら「777」「787」しか止まっていないような「60番台ゲート」でこの状況です。
●エアバスA321neoの詳しいお話はこちら!なんで「neo」なの?その秘密も解説していますよ!
本日私たちを広島まで運んでくれるのは「ANA675便(NH675 / HND-HIJ)」、機材は「Boeing737-800」、予定飛行距離「414mile」、予定フライト時間「1時間40分」となっています。
冬型配置の風の強い空を飛行、クリアな景色を堪能!
9時28分に予定より少し遅れてドアクローズ、そして定刻の5分おくれでプッシュバックに入ります。そのまま一番近い「RWY16L」へ進み、止まることなくローリングテイクオフで離陸。眼下にアクアラインの通気孔を見ながら上昇し、左旋回を続けた後に西行航路へ乗ることとなりました。
離陸中に見えた大量の沖止め機材。本当に大型機は回っていないので、こうやって干されています。中にはJALの「A350」まで置かれていて、航空需要低迷とはなんと恐ろしいものか・・・とちょっとだけ震え上がりました。ANAの「Boeing777」系もバンバン退役していますし、数年後の保有機材ラインナップはどうなってしまっているのか、本当に心配です。。。
冬らしいクリアスカイ。右奥には富士山も見えますし、気持ちが良い機窓が広がります。この後右に旋回するか・・・と思いきや、左へ旋回し内陸航路を取るんだなと、広島線に乗りなれていない自分に気づきました。
意外と東京って川が多いんだな・・・と。中央左に見えている太い川が「荒川」、そしてその左側に分かれていっている川が「隅田川(荒川の分流)」です。ちょうどフラップを支持部の下くらいには「岩淵水門」という、大雨時に隅田川流域(要するに東京主要部)を守るために全ての水を荒川に注ぎ込むための水門があります。
上昇中視界には「横田基地」「立川駐屯地」「入間基地」と3つの空港が見え「アメリカみたいな景色だな・・・」と、いままであまり気にしていなかった地理関係に驚きます。冬空のため地上もよく見渡せ、残念ながら私の座っていたスターサイド(右側列)からは富士山を見ることはかないませんでしたが、久しぶりの空の旅を楽しむことが出来ました。
フライトした日は非常に強い低気圧が東北、北海道方面に出来てきたので、距離はありますがその影響か上空の風がすこぶる強く一定高度を上昇した直後に客席からでも「うわ、凄いヘッド(向かい風)」に乗ったな・・・と分かるほどでした。私達の乗った737はFL400(約40,000ft)を向かい風に逆らって懸命に飛び、広島へのマイレージを消化しています。
機内サービスは簡略化していますので、とりあえず冷たいお茶をもらって喉を潤します。ゆっくりとコーヒーを飲みながら飛べる日が帰ってきてほしいものです。また今回私が搭乗していたのが偶然にも「東北フラワージェット」と呼ばれる東北震災を風化させないための、復興支援に向けた取組の一つとなる特別塗装機でしたので、機内の紙コップもそういったデザインのものが使用されていました。・・・ただこの「フラワージェット」って2020年までと言われてましたが、2021年も継続なんですね。
10時30分には一度ゆったりとエンルートディセンドをした後、一気に機首を下に向け降下を開始します。いわゆる「TOD(Top Of Descend)」に差し掛かりました。西に向かうほどに雲がちだった空も広島付近では再び雲が薄くなってきており景色がよく見渡せます。・・・いやぁ、走って楽しそうな道が一杯ありますね。東京からだとかなり距離がありますのでドライブルートとしてはなかなか使いませんが、一度ゆっくり走りに来たい雰囲気の道を機内からたくさん見つけることが出来ました。
10時59分、極めてスムーズに広島空港の「RWY23」へ着陸。そのまま1機も駐機していないエプロンへ機体を滑り込ませます。いや他に機体がいないのは寂しすぎますね。
コロナ禍の地方空港は完全にもぬけの殻状態・・・
(人がいないんですよね・・・)
バゲージクレイムを過ぎ、ターミナルに足を踏み入れますが私にとってあまり馴染みがない空港の一つです。「あれ、思ったより狭いな」という感想を感じつつ、古い記憶をたどって最後にこの地を踏んだのはいつだったか思い出します。・・・なかなか思い出せないのですが、空港を散策しようと出発ロビーへ上がったタイミングでブワッ!と記憶が蘇ります。そう、かつて沖縄へバカンスに出かける際に血迷って「羽田→広島→那覇」という意味のわからない旅程で移動した時に使った空港だ・・・と。
●広島経由で沖縄へ行った際の記事はこちら!
あの時は「B767」に乗って広島に到着したんでした。いやぁ・・・時代の流れを感じます。・・・そんな記憶をたどりながら少し早いお昼ごはんを食べようと3Fに上がり、なんとなく気の赴くままお店を探してたどり着いたらまた記憶が蘇ります。
「このお好み焼き屋、5年前も俺選んだわ・・・」
そう、気の赴くまま店を選んだら5年前と同じ選択をしたと。・・・5年間成長のない自分をまざまざと思い知らされます。・・・まぁそれはさておきお腹が空いたので「ネギ焼きデラックス」をいただこうと思います。5年前はお客さんで賑わっていたこのコーナーも4店あるうちの3店は休業中。お好み屋さん1軒のみが、しかも従業員1名で営業されているというコロナの恐ろしさ。お客さんは現時点では私一人のみで閑散とした空間が広がっています。(※その後のお昼時に近づくに連れポツポツとお客さんが現れ、最終的に3組くらいがいましたが)
いやとっても美味しいです。美味しいのにこうなっちゃうのは本当に日本の外食は驚異にさらされていますね。
食後にはちょっとだけ空港を見回って行こうと思います。・・・羽田→広島の間引き運行により最適な時間の便がなかったため、打合せまで時間が余っているのでこういうゆとりがあるという訳です。・・・でも、空港内に旅行客と思われる人が全然いません。広大なミニ那覇みたいなレイアウトの出発ロビーは閑散としており「本日定休日」って札を読めずに館内に入ってしまったのか?と心配になるレベルです。すれ違う人はほぼ100%空港職員であり、ある種の旅行客としてウロウロしているのは私だけなんです。
国際線は全便運休しているのでしょう、そもそもカウンター含めエリアクローズになっています。電気も灯いていないので薄暗く、空港のデザイン上外光が入るためギリギリの明るさは保たれていますが、これ奥の大きなグラスエリアがなければ真っ暗でしょうね。
便の状況はこんな感じです。「欠航(Cancelled)」のオンパレードであり、なにか災害でもあったのか?と思ってしまうほど。・・・まぁ、実際コロナは災害であることは疑う余地はありませんので、ある意味正しく状況を反映した表示なのかもしれませんが。。。
本来なら様々な旅行客の目を楽しませていたであろう地元の小学校の生徒が作成しただるま達も空港の一画に所在なさげに佇んでいます。
国際線旅客がお茶をしていたであろうカフェスペースにも当然誰もいなく、そもそもカフェが休業中です。
3Fで若い旅行者や女性などに人気があっただろう「foo chocolate factory」も12/29をもって営業を終了していました。今はかつて賑わったであろう店舗の様子が薄暗い景色の中にぼんやり浮かび上がるだけです。・・・本当にどこを見ても人気(ひとけ)がありません。激混みの空港は嫌ですが、ある程度様々な旅行客の息吹を感じながらそこで一人自由な時間を過ごすことが好きだっただけに、この閑古鳥具合には悲しさを感じずにはいられません。
市街でのMTGの前に一仕事済ませてしまおうと、このブログ記事の草稿を書くために2Fのカフェに入ります。いい意味で古き良き地方空港風情を残している広島空港の中にあって、ちょっとこのカフェだけはモダンといいますか異質です。コーヒーもサイフォンからエスプレッソまで広く扱っていますし、スイーツメニューも充実していました。・・・私は「生キャラメルラテ」を頂きながら時間いっぱいまで原稿を書こうと思います。
●MELLOW BROWN COFFEE
最近のカフェ仕事のお供は「Powerbeats pro」!
カフェでの仕事やこういった移動中のアイソレーション(外界と自分を切り離す)のためにはヘッドフォン、イヤフォンが必須ですよね。特に最近の私はポルシェのVLOGもやっていますので、こういう作業中に耳でVLOG用の音源(BGM候補)をザーッと聞きながら選別することが多いので、必ず持ち歩いていますし、まぁ過去も旅行には必須の装備として持ち歩いていました。まぁ、みなさんも同じ感じだとは思いますが。
ホテルの部屋や、機内(特に長距離国際線)でしっかりと音楽を聞きたい時はヘッドフォンですが、脱着が多い国内線やカフェでの仕事時などはイヤフォン形式が便利です。最近私が愛用しているのはbeatsの「Powerbeats Pro」です。まぁ、これのテクノロジをベースに開発されたのがAppleの「AirPods Pro」なんです。耳に引っ掛けて使うカナル型のイヤフォンですが、beatsらしい低音のまとまった音質もさることながらケースから取り出して耳にかけるだけでさっとiPhoneやMacとペアリングが終了するBluetoothの反応速度の良さも気に入っています(ちょっと専用ケースがかさばるけど)。
さらにこの専用ケース自体にバッテリーが内蔵されていますので、しばらく使わないときなどはこのケースに戻してケースごとリュックの中に放り込んでおけばイヤフォンが再び満充電に戻っていますので実質の利用可能時間が長くとても便利です。またiPhoneやMacはネイティブ対応ですので画面内に充電残量が表示される点も便利かな、と。
ヘッドフォンほど大げさではないけど、ちゃんとした音で作業をしたい時には最高です。リモートワークが増え、テレカンなんかも基本イヤフォンでしますのでこいつの使用頻度はかなり最近高く手放せなくなっています。まぁ、beatsに限らずお気に入りのイヤフォンって無駄にテンション上がりますよね。・・・あ、これはノイズキャンセリングではないのでそのへんを求める方には別の商品をおすすめします(ただカナル型なので、結構外部の音は遮断しますから程よい気はします)。・・・最近外がうるさい場所などにはノイズキャンセリング機能が格段に進化したbeatsの「solo pro」を持っていくことが多いかな。これは本当に静かになります。BOSE程ではないにせよ、そこまでの静けさは求めていないのと、個人的にはこれで十分じゃないか?と思うので気に入っています。ただちょっと装用感がいまいちな気もしますね。
とはいえ、これから広島市内で打合せをし、最終便で東京へ帰ろうと思います。日帰りでバタバタ地方へ行き・・・という生活久しぶりですが、やっぱ性に合っている気がしますね。帰りも小型機ですが、楽しもうと思います。
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海外渡航はまだしばらくだめでしょうし、旅行ニュースを書くブログでもないので更新頻度が落ちていましたが決して捨てたわけではないので、引き続きお読みいただければ嬉しいです。いつかきっとまたみなさんとビジネスクラス、ファーストクラスを含む海外への旅の時間をここで共有できるのを楽しみにしています。
弾丸で予定をこなし最終便で帰りました。どっぷり日が暮れていますが、お客さんは4〜50%位乗ってましたかね?帰りはA320ceoとなり、往路のBoeingとは異なるサウンドと動きを楽しみました。機材変更があったのですが、機内アナウンスで「当機はボーイングA321からボーイングA320へと機材変更を行いました・・・」というのが流れたのはご愛嬌でしょうか(笑)。飛行機好きとしては流すに流せない、いやむしろ「おこだお!」的なミスではありますが、まぁ・・・寛容に行きましょう。
羽田へのベースレグを進行中。眼下に千葉のきれいな夜景が広がります。こういうのもっと落ち着いて撮りたいのでできれば夜間便は機内照明を暗くしていただけるとありがたいんですけどね・・・(何度も言ってる)。ANAは明るいままがオペレーションの様で、この点はいつまでたっても好きになれません。
横目に「RWY16L」を眺めながら私達は「RWY22」へ着陸です。お疲れさまでした!
・・・ということで今回は弾丸日帰りで広島へ来たその往路と空港の様子をご紹介しました。
ではまた!
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