ブリュッセルでの業務を終え、我々はアムステルダムへ移動します。そうそう、ブリュッセルで我々は日本領事館の近くの「a-loft(アロフト)Brussels」というホテルに宿泊をしていました。このホテルは「Starwood」系列のホテルで、「W」のカジュアル版という感じでしょうか?とはいえ、ビジネスビジネスした出張の緊張感を和らげるのには最適なファッショナブル系のポップな内装のホテルでして、清潔な部屋と相まり、とても快適なステイを満喫できましたので、ご参考までに紹介したいと思います。
「spg」マークが見えますが、一般的な「シェラトン」などと違い、こういうポップなspg系は結構楽しめます。スタッフもフレンドリーで、到着時はチェックイン時間には程遠い早朝でしたが、カフェ券やWiFiのパスなどフレキシブルに対応してくれた点も好印象です。
素敵なホテルから、素敵なラウンジ、そして機内へ・・・。旅の終わりを快適に彩ってくれた様々な景色、体験を今回はご紹介します。
フロント奥のカフェスペースもポップながらも独特の統一感のあるファニチャーでしつらえられており、豊かな照明も相まって何時間でも過ごせる快適な空間です。夜はわりと騒がしめのBARとして運用されたり、オープンエアスペースも完備されているので晴れている日は日光浴しながら一杯、という様な過ごし方も可能です。
それぞれのくつろぎ方でどうぞ、という感じですね。部屋数が多くないので、朝はこの空間が朝食会場となります。右奥に見えるのがBARカウンターですね。灰皿はここに言えば提供してもらえます。このアロフトは世界各地に今展開が進む新しいシリーズですので、リーズナブルに「W」な世界を楽しみたい方にはオススメのホテルチェーンです。
そんなホテルを早朝にチェックアウトし、我々はタクシーでブリュッセル空港へ向かいます。ガラス張りの空港なので、強い朝日を全身に浴びながらセキュリティーを通過し、ゲート近くでスタッフと軽い朝食を摂ることとします。
空港はミニマル建築ですが、ほのかなサイバー感があり、シンプルな動線と相まって使いやすいですし、天井高の関係もあり開放感抜群です。
ゲート近くのお店でチョコクロワッサンと、シリアルヨーグルト、そしてカフェオレの簡単な朝食を。様々な方面へ旅立つ他の旅客の喧騒に紛れながら食べるご飯って無条件に美味しいですね。
ささっと食事をした後、我々は珍しくスタッフ全員で同便移動です(通常はリスク回避の観点で同便移動しませんので)。適切な時間帯の便がなかったので、今回は「Star Alliance」便ではなく、到着地オランダに敬意を表しまして
「KLM Royal Dutch Airlines」で移動します。便名は「KL1722便」、ブリュッセル→アムステルダム間のわずか143mile、40分程度の空の旅です。
運行は
「EMBRAER E190」で運行されます。最近はEMBRAER E190-E2が発表され、今後どんどん世界の空を飛びそうなスマートなデザインが美しいリージョナルジェットですね。ほんのわずかなフライトでしたが、リアジェット機ならではスムーズな加速感と、長めの主翼ならではのサスペンションの効いた乗り心地で存分に楽しむことができました。最近の日本ではあまりメジャーではない、このロイヤルダッチブルーの機体も青空に映えて最高に美しいですね。
空港からホテルへはTAXIで行きますが、アムステルダムはタクシー会社への特殊税制により大量の
「TESRA」が導入されています。タクシーになっているのは「Model S」ですが、まぁスタイリング含めタクシーにするにはやや強引というか、リアシート狭いし、トランクもそれほど大きくないので微妙です。乗っていてワクワクするので個人的には大好きですが。まぁ、「ほにゃらら交通」とか、広告とかまったく貼られていないTAXIなので一瞬リムジン?と思わせる様な雰囲気は「所変われば」って感じですよね。いやぁ、かっこいい。
業務は乳製品でおなじみの「Movenpick」の名が冠された
「Movenpick Hotel & Resorts」です。モーベンピック・ホールディングスとキングダムグループが資本主として所有するリゾートですが、このロゴ、見た瞬間にヨーグルトやアイスを思い出してしまいます。。。ここを舞台に数日間我々の業務は進むわけですが、都度ホテル会議室に運び込まれるサンドウィッチや、クッキー、コールドディッシュの類がいちいち美味しくて、それだけでも仕事が楽しく進むというものです。
街を歩けばアムステルダムは水の都でもあります。13世紀に漁村として築かれた街の様ですが、今私たちが知っているこの地名も「アムステル川をせき止めた(ダム)」という意味らしく、黒部ダム的な「アムステル+ダム」だというのはちょっと衝撃の事実ではありますね。移民が人口の主要なコンポジットである点から、マルチカルチャーな側面の強いこの街では様々な観光客の多さと相まり、我々日本人が歩いていても特に奇異な目で見られるということがとても少ない点も過ごしやすい理由の一つだと言えます。
この人だかりができている建物は言わずと知れた、アンネの日記で有名な「アンネ・フランクの隠れ家」です。このビルの裏手にある部分に1942年から1944年8月まで2年強潜伏生活をしていたという訳で、現在はアンネ・フランク財団が一時保管をしていたアムステルダム市より権利を買収し、博物館として運用しているため、こうやって我々がその歴史的建造物の内外を見学することができるのです。
実際に入ってみると、想像より広い空間に彼らは潜伏していたわけですが、計8名の大人があの空間に2年間と考えると、やはり「とても狭い」ものだったと想像されますし、なにせ外から中の様子を知られないために、すべての窓が目張りされていますので、真っ暗です。有名な本棚ドアも実物が残っていますので、一見の価値があると思います。我々も1時間弱並んで見学をさせていただきました。
街にはいたるところにカフェがありますので、歩き疲れたらすぐに近くのカフェで一休みが可能です。オーストラリアのコーヒーと同様、コクのあるミルクでつくられるカフェオレは疲れを癒すには最高の優しい味のため、滞在中ガブガブと飲ませてもらいました。
街はどこを歩こうがとにかくフォトジェニックです。ミッフィーが生まれた街でもありますので、様々なアーティストが思い思いにデザインしたミッフィー像を見て楽しんだり、川にかかる橋には一つ一つ様々なストーリーがありますので、そのストーリーにレンズを向けるという楽しみ方もあります。やはり街歩きをする旅行は断然ヨーロッパが楽しいし、フォトジェニックですね。食事含め、出張が楽しいのも断然ヨーロッパでしょう。ただ、脳みそを劇的に活性化する必要がある瞬間などはニューヨークに勝る街はないと思いますがね。
あと、知識として知っていてもいざ目の前にするとビックリするのはマリファナが合法であるという点ですよね。街のいたるところの花屋さんには「マリファナ栽培キット」が置かれていて、それこそ「朝顔栽培キット」並みの普通さで街ゆく人を眺めています(笑)。非常に面白いのですが、絶対お土産に買っていけない品物No.1ですね(笑)。
出張なので、街をゆっくり歩ける旅行ではないのが残念ですが、限られた時間スタッフと街を歩いただけでも「また来てみたい」と思える開放感に満ちた街でした。クリエイターがオランダにオフィスを構えることがままある、というのもうなずけますね。
あ、そうそうこんな面白いものもありました。最新型の991カブリオレですが、なんと塗装が「マットピンク」!それだけでもインパクト強いですが、ボンネットには「ピンクリボン」のステンシル。何か関係車両なんでしょうか?いやぁ、インパクト強いラッピングですね、この991ラッピングの下は何色のオリジナル色なんでしょうかね。。。ドアノブ見る限りでは白?なんでしょうね。
と、アムステルダムで業務も街も満喫し、すべてのスケジュールを終えた我々は東京へ帰ります。ヘルシンキ経由で帰るスタッフを見送り、私はフランクフルト経由で東京を目指します。
スキポール空港もスタイリッシュです。早朝便(写真の時計を見ていただければわかると思いますが、写真を撮ったのは朝6時過ぎです)でしたので、猛烈な朝焼けがフロアに差し込む中必要なものをショッピングし、ラウンジを探します。スキポールは初めてでしたので、いまいち勝手がわかりません。
スキポール空港は海抜下にあることで有名ですね。標高-3mだそうです。また、単一ターミナル構想と呼ばれる、この空港を利用する便全てが一つのターミナルで乗り継ぎできる様に設計されているので、空港に降り立った後、また出入国審査を通過しなくても良い点が美点として挙げられると思います。
各アライアンスごとのラウンジではなく、統一ラウンジに案内されます。この「ASPIRE」というラウンジに全エリート旅客を収容している様です。黒と白を基調としたシンプルなデザインとなっており、室内もミニマルな印象ですが、家具にエスプレッソマシーンが埋め込まれていたり、デザイン性も高いと思います。
プライベート空間を提供するというよりは、落ち着いて飲食できる空間を提供するという感じで、非常に見通しの良いオープンな空間設計です。壁にはポップアートが描かれていたりするので、な〜んとなくインテリアを更新した都心などにあるマクドナルドっぽい雰囲気だというのは下げ過ぎですかね(笑)。
時間が来たので、ラウンジからはかなり歩く(ゲートまで10分程w)動線を移動しながら搭乗機へ向かいます。途中のスモーキングラウンジで一服できちゃうくらい遠い(笑)。・・・そんな途中で見つけた「TAP Portugal」の機体を思わず写真に収め、先を急ぎます。まず、アムステルダムからフランクフルトまで向かう便はルフトハンザの「LH1003便」です。飛行距離265mile、飛行時間1時間弱のこれもまた短いフライトを楽しもうと思います。あぁ、機材は「Airbus A319」、めっちゃ短いギャグみたいな格好をした子ですね。不細工すぎて、Small Airbusの中では一番好きかもしれません。
「Business Class」っちゅーても、真ん中席がブロックされているだけの通常シートで運行されるのが短距離便ビジネスクラスの常ですが、こういうプレートを頑張って装着しているあたりがドメキャリアとのブランディングの妙を感じますね。機内の雰囲気の作り方は本当に日本国内のキャリアは下手ですし、いろいろ経費使って出張しているだろうあの会社の人たちは一体何を見に、聞きに、知りに行っているのか甚だ疑問を感じる毎度の瞬間です。
おなじみの朝食。でも適度な量、バリエーションで好きです。毎度のことですが、食べ終えてゆっくりと濃いめのコーヒーを飲んでいる頃、最終進入が始まりスムーズにフランクフルトへ高度を下ろして行きます。この日の着陸滑走路は、これまたおなじみの新設された滑走路である「RWY25R」です。
この日、フランクフルトへ着陸後スポットへ向け移動中「見慣れない景色」が目に飛び込んできました。
上の写真を見て貰えばわかると思いますが、ANAの777が沖止めで出発準備中なのです。フランクフルトのANA発着便はB42などのゲートから出発しますので、ターミナル直結のPBBで搭乗します。この時は、「へぇ、出発準備だけここでやって、あとでゲートへトーイングされてくるのかなぁ?」としか考えず、むしろおそらく自分が乗って帰ることとなる機材を意外なところで目にできたのが嬉しく思っていたんですが、この後普段あまりない経験をする結果となるとは。
ターミナル内で移動しつつ、自分の指示されたボーディングゲートへ移動中のことです。変わった塗装の787がいるなぁ、と遠目に見ていたんですが「あれ?あの特徴的なコックピットウインドーの塗装?!」・・・と自分の目が、対象物を正確に認識した瞬間。
あ”あ”っ!あれ、Airbus A350 XWBじゃんっ!!!
と、すげーもの止まってる感が最大に。
エアバスのBoeing 787対抗となる次世代機「Airbus A350-900 XWB」の7機目となる「A7-ALB」が駐機しているじゃないですか。。。いやぁ、初めて見た。というのも、このA350はこの年(2015年)の1月に初就航であり、この記事の出張は実際には2015年6月ですので、かなりホヤホヤな機材だということがわかります。まぁ、日本には1回くらいしか飛んできてない時期ですね。
とはいえ・・・
このコックピットの塗装はダサいだろう・・・と。
私には「天才バカボン」に出てくる「本官さん」にしか見えないんですが。。。(汗)
まぁ、Airbusのデザインがダサいのは今に始まったことではないので良いとして、しかしながら最新の機材が見れるというのはテンションあがりますよね。あの独特な形状のウイングレットも生で見ることができました。
・・・と、ホクホクしながら定宿?である「Lufthansa Senator Lounge」に入りまして、しばしの休息です。
ゆっくり時間があれば「Senator SPA」も体験してみたかったのですが、時間がなく断念。
いつもながら居心地がよく、食事などの種類も必要十分で私はここに入った段階でほぼ「帰ってきた」という感覚に襲われます。・・・まぁ、ANA便に乗るので同じ時間帯はラウンジ内に日本人が多いってのもありますけどね。
セネターでひとしきりゆっくりと過ごし、メールやSNSのチェックも終わったのでそろそろ搭乗機へ向かうか、とボーディングパスを見たところ・・・「B61」?見慣れないゲートだな・・・と。とはいえ、航空会社の使用ゲートが変わることなどよくある話なので、気にもせずその「B61」を探しますが・・・
え?階段降りるの?
いよいよ慣れない動線にひきずりこまれます。空港内サインに従い、その問題の「B61」をついに発見!そこには・・・
バス。
バス????
おいおいおい・・・私間違えてる?気がついたら変なところ行って便逃したりしないよな?・・・と思いつつも、ちゃんとPDPのディスプレイには「ANA NH204 bound for HANEDA」の文字。まぁ、決定的なミスではないだろうとバスに乗り込み、10分ほど走って連れて行かれた場所、そこにいましたよ、さっきの「沖止め君」が。どうやら何かの都合で、今日の出発は沖止めスポットからの様です。
フランクフルトでANA便にバス&タラップ搭乗とは、これは貴重です。
羽田?という勘違いをしてしまう様な景色。そういえば、エンジンナセルの「GE」のロゴが新しくなっていますね。機材自体は2010年3月登録の機体ですので、整備の際に変更されたんでしょうかね。
いずれにしてもこの位置から見上げるBoeing 777-300ERは巨大です。デカすぎます。いやぁ、かっちょいい。やっぱ旅客機はBoeingの方が美しいです。
ド迫力の「GE90-115B」エンジンを真正面から見ます。この直径がほぼBoeing737のキャビンサイズだっていうんだからその大きさはかなりのものですよね。。。沖止めならではのダイナミックな景色を堪能し、機内へ向かいます。こうやってこれから乗る機材をゆっくり外から見れると、「これが羽田まで運んでくれるんだなぁ」という感慨に耽ることができますのでボーディングブリッジから乗るより飛行機と親しくなれる気がしますよね。
あぁ、ちなみにゲートはB61でしたが、この沖止めスポットは「V164」でした。
羽田までは「NH204便(使用機材:Boeing777-300ER / JA785A)」、飛行距離5,822mile、予定飛行時間10時間33分の旅です。現地気温23度、天候は曇りでした。
予定より少々遅れ、現地時刻の12時16分全てのドアが閉まり、同25分に滑走路に向け地上移動開始です。離陸に入ったのは搭乗開始から約1時間後となる、12時40分でした。・・・この日の離陸滑走路はメモに残っていませんが、西側へ向け離陸後すぐに北側へ向け旋回し一気に上昇を続けます。
離陸20分後となる13時過ぎには最初の巡行高度となるFL310へ到達し、ミールサービスの開始です。フランクで積む食事は比較的美味しい場合が多いのですが、この日もバランスの良い美味しい料理を頂くことができました。
メインをたいらげ、デザートへ進む頃、機体はサンクトペテルブルクの手前に差し掛かります。ところどころ強い揺れがでるエリアを避けながらの飛行の様です。窓の外は夕闇に染まり、時間を先取りするヨーロッパ発東行きのフライト独特の黄昏を楽しむ事ができます。
緯度が高いため、空気透明度も高く、かつ対流圏外の成層圏への距離も近づきますため窓の外の高高度の闇も深く扇情的な視界が広がります。雲の多い1日でしたが、眼下にはアンバーの光が放射状に広がる美しい水の都「サンクトペテルブルク」の街が広がっています。この街を眼下に確認する頃、ヨーロッパ圏を脱し本格的にシベリアが始まるという長い夜間フライトが幕をあけるのです。
バイカル湖の遥か北を通過する頃、FL350で順調に飛行する機内の中は完全なナイトモード。多くのお客様は座席をフルフラットにして心地よい眠りの中でしょう。私は体力にあまりがあったので、映画や本を楽しみつつ、小腹が空いたため「あさり丼」を頼むこととしました。
地味に美味しいです。この「空丼シリーズ」、もっと掘り下げて美味しい丼の提供を目指して欲しいと思います。個人的にはラーメンより嬉しいのです。
この後、機体は日本時間の朝5時40分、FL350からFL290へ降下を行ったのは手始めに、一気に羽田へ向けた進入を継続。日本時間の朝7時15分、無事に10時間59分のフライトを終え羽田空港RWY22へやや強目のショックでタッチダウン。今回も極めて快適な空の旅をANAに提供してもらいました。
荷物をピックアップし、税関を速攻で通過した後、いつもの税関を出てすぐ左側のスモキングコーナーで一服をします。早朝到着便の旅客で少しごったがえす到着ロビーの喧騒も海外からの長旅の疲れを癒すいいBGMです。ゆっくりとiPhoneのプレイリストを神経をカームダウンするものに変更し、眩しい朝の光を遮るサングラスを付けたらリムジンバスへ乗り込み、さぁ帰宅です。
次はどこへ旅立ちましょうかね。
では、また!
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