ブリュッセルから羽田へ、ルフトハンザ・ビジネスクラスの旅。(LH1013, LH716 / BRU-FRA-HND / Business Class)

トラベル(海外)
※当ブログコンテンツは過去の旅をご紹介しています。コロナ(COVID-19)における渡航規制や外出自粛期間に行った旅行ではありませんのでご理解ください。

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ブリュッセルは本日も快晴です。朝早めにホテルからグランプラスまで歩き、まったりとベルギーの朝の空気を吸い込みます。まぁ、今日はこれから日本への移動ですので街にしばしの別れを告げる儀式のようなものでしょうか。早めに営業を始めたカフェでカフェラテをすすりながら、これからの半日を超える帰路移動に想いを馳せます。

大好きな「Ellis」でハンバーガーを放り込み、オープンエアな街の喧騒を楽しみます。こうやって日向ぼっこしながらバーガーを食べるということがとても贅沢な時間になるとはこの時は想像もしていませんでしたが、いやはやもう最高の時間ですよね。昔の記事でも書きましたがここのバーガーは当然のこと、シェイクが美味しいんですよね。量もたっぷりあり、ロンドンの「Byron」同様バーガーとシェイクという高カロリーな時間の使い方・・・至福の瞬間です。

街では道の工事をしていたりもしましたね。なんともダイナミックに掘り起こしています(笑)。

ただ街を歩いているだけですが、ブリュッセルは比較的コンパクトな街なのですぐに地元感が出てきます。あー早く戻りたいものです。あ、そうそうブリュッセルに行くとよく子供の洋服を買っていたんですが「Okaidi」というブランドがおしゃれで価格も手頃なのでいつも大量買していました(笑)。一時期子供は全身ココの服ってこともありましたねぇ。まぁグローバル経済ってやつですかね、ついに日本にも進出してしまいましてちょっと面白くないですね(笑)。

●本体サイト

●ついに日本にも進出してしまったので・・・日本語サイト。

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● ルフトハンザを乗り継いで日本まで帰ろうと思います!

てことでブリュッセルはしっかり楽しんだので日本へ帰ろうと思います。この旅行をしていたのは数年前ですのでなんともブリュッセル空港でのテロやヨーロッパ各地がきな臭くなっていた時期のため、タクシーはご覧のように空港裏手の特設の敷地に誘導されます。ここから裏導線で表玄関まで移動してターミナルに入るというね・・・。面倒臭かったですが、ある意味旅の醍醐味でもあり、その時々の国際情勢を肌で体感できる貴重な経験でもありました。

ブリュッセル空港はコンパクトですが各所のデザインがとても美しいヨーロッパ北部という感じを強く感じることができる空港の一つです。居心地も抜群です。

ANAは2015年にブリュッセルに就航していますので、通常はANA直行便である「NH232便」をよく利用していたのですが、やはりだんだんと飽きてきますし、何より私は「直行便嫌い」ですので、この日もわざわざフランクフルトまで飛んで経由便で帰ります。

就航後まもなく(といっても数年経っていますが・・・)という時期でもありますので、空港内にはANA直行便を宣伝するサイネージが掲出されています。もう全機塗装変更済(されたはず?)の「787」の文字が入った機体が使われているのが時代を感じてしまいますねぇ。

しかもサイネージに描かれた「NON STOP DAILY」・・・なんだか文字を見て泣けてきますね。あぁ、普通の世界が戻ってくるのはいつのことか。

・・・しかし、2015年就航なんですね。就航後割とすぐに直行便を利用し感動していた覚えがあるんですが5年前なのか・・・そうなのか・・・。2020年現在の今も様々な新規就航路線が予定されていましたがCOVID-19のせいで延期が続きほんと私たちのような旅行好きには厳しい時間が続いていますね。

ブリュッセル→フランクフルトはLH1013便で!

さて、わざわざ刻むこの習性。直行便で帰ればいいのにフランクフルトを経由します。最初のレグ(移動区間)はルフトハンザ航空の「LH1013(BRU→FRA)」便を利用します。

いやもう数ヶ月お目にかかっていない「FIRST CLASS」のカウンター(笑)。ルフトハンザも経営状態やばそうですが、個人的には王者のひとつではあるのでしっかり生き残って欲しいですし、StarAllianceを支えるキャリアでもありますのでまたこの景色にお目にかかれるのを楽しみにしていようと思います。

もう海外では標準となっているチケットをかざすだけで入れる「優先トラック」。日本は丁寧に係員がいたりしますが、海外ではこのタイプ多いですよね。またクラス分けというものに馴染んでいますので、クラスを持たない人は普通のトラックに進みますし、特にそれを不平等だとか思っていないあたりが成熟を感じます。ありがたいことに私は権利がありますのでこちらのFast Laneへ入って手荷物検査を受けます。

保安検査場を通過してしまえば出発エリアです。とても清潔感があり、デザイン的にも洗練された空間が広がっています。

色とりどりの蝶が空間を舞っていたりします。奥に見えている「B」の形のロゴはここ「ブリュッセル空港」のロゴでして、こちらもめっさおしゃれです。

お洒落なブリュッセル航空・ビジネスクラスラウンジを利用します

一般フロアからワンレベル上にエスカレーターで登りますとブリュッセル航空のラウンジが登場します。こちらは通常のANA直行便利用時に入れるラウンジとは異なり、欧州域内への移動の際に案内されるラウンジとなっています。・・・が、このラウンジがくっそオシャレなんですよね。

なんだこりゃ!って感じですよね。白とオレンジで落ち着いた色調の空間ではあるんですが、ところどころブルーの差し色がネオンで入っておりサイバーな感覚も併せ持っているこれまで利用した中でもダントツ上位のおしゃれラウンジです。私は奥側の窓近席で機体を眺めながら搭乗時刻を待とうと思います。

座席からエントランス方向を眺めるとこんな感じですかね。幸運なことにあまり混んでいない時間帯だったのでとてもゆっくりくつろぐことができました。また、ヨーロッパはさりげなく革を使ったソファーなどが置かれているのもインテリアの作り方というか、しつらえが一段上級(洗練度という意味で)だなぁと毎度感心してしまいます。セネターラウンジなんかも上手に「革」「木」「メタル」を使って空間の緊張感と落ち着きを演出していますよね。

こんな感じで軽くバゲットと生ハムをいただくこととしようと思います。窓の外には色とりどり様々なキャリアの航空機が出ては入り、目の保養になります。この時間、本当に至福です。やはり人生は旅でできているんだと思います。

めちゃくちゃ良い景色です(天気は微妙ですし、時折シャワーがありましたが)。ヨーロッパの空港はいきなり雨が降り出したり、その後すごい快晴になったりってのよくありますよね。コロコロ天気が変わる印象です。特にこれから行くフランクフルトは天候の変動が多いイメージがあります。

早く元の世界に!空港の何気ない景色が心に響きました・・・

時間がきましたので下に降りましてボーディングゲートへ急ぎます。途中こんな感じのホールを通過するのですが、なんだかこの写真を編集していてちょっと泣けましたよね。世界中から様々な人が集まり、ほんのわずかな時間ですが同じ空間で袖を擦り合わす。夢や希望、人生、そして苦悩。幾千もの人生が一瞬のうちに膨大な数すれ違っている空港の持つ魅力が凝縮された一枚でもあると思います。早くこの景色を取り戻したいですし、こうやって様々な人の笑顔を横目にボーディングゲートへ急ぐ自分も戻ってきて欲しいと思います。

搭乗便ゲートまでやってきました。(エアカナダとコードシェアしてるんですね・・・)

この日の搭乗機は「Airbus A320-200 Sharklets」でした。翼の塗装状態から見てもなかなか新しい機材ですよね。シャークレットの前縁部にストロボライトの発光部が見えますが、エアバス機は「ピカピカッ!・・・ピカピカッ!・・・」と2連続発光がワンセット、ボーイングは「ピカッ・・・ピカッ・・・」と1発光の繰り返しですので、地上から空を見上げてストロボライトの光り方を見るだけで機種まではわまりませんがメーカーの区別はつくんです。はいこれどうでもいい豆知識です。

プッシュバックからタクシーアウトしての移動中、視界には「Iceland Air」「Boeing757-300」が。これ、アイスランド航空が2機しか保有していなんですよね(-200は23機保有)。しかも-300の2機のうち1機は「アイスランド独立100周年記念特別塗装機」なので通常塗装機はこれ1機。地味に貴重なショットです。個人的に大好きな「757」なので写真を撮っていたんでしょうが、レジを調べてみるとなかなかの貴重写真だったという。

アイスランドは一度ゆっくり旅行してみたい国でもあるので、めちゃくちゃこの航空会社乗ってみたいものです。。。

ということで15時25分に無事ブリュッセル空港の「RWY25R」を離陸しまして一路フランクフルトを目指します。飛行距離は190mile(350km)ですので極めて短い区間を飛ぶこととなります。航空機の速度で割ってしまえば30分を切る距離ではありますが、なんだかんだでブロックタイムは60分。まぁ実際には45分前後でフランクフルトです。・・・そんな鬼短いフライトではありますが、ビジネスクラスということと、ベルギー→ドイツの国際線ですので(笑)軽食が出ます。ホットサンドウィッチとケーキ、そしてコーヒーとめっちゃ軽い感じですけど十分すぎますよね。

● 今日はフランクフルトからもルフトハンザで帰っちゃいます!

一瞬でおなじみのフランクフルトに到着です。接地の直前、風に対応し効果率をささっと調整したんでしょうが、ほんのわずかにスラストを足して接地したあたりがセンスを感じました。さて、ここフランクフルト。・・・ブリュッセルもそうではありますが、利用回数という意味で「あぁ・・・落ち着く・・・」と思ってしまうフランクの景色。ドイツ語読めないのに地元感感じちゃいます(笑)。いつもはここからANA便で「搭乗即日本感!」を感じながら帰るのですが、本日はもう少し「異人感」を堪能して帰ろうと思っています。そう、今日はこの後も「ルフトハンザ」を利用して日本まで移動です。

意外といえば意外ですが、確かにあまりインターコンチネンタルフライト(大陸間フライト)で「ルフトハンザ」は利用していないんですよね。過去「A380」デビュー直後に利用したり、折に触れ乗ってはいますがANAの利用回数に比べれば圧倒的に少ないと思います。ですのでこのブログにはおそらく登場していないであろうルフトの長距離フライトを今日はご紹介してみようかと思います。

レトロ塗装+747のテンションが上がる組み合わせ!

ボーディングゲートに着いて、搭乗機を眺めてみれば・・・。

おぉ!ルフトハンザのレトロ塗装機!!!

めっちゃレアですね。このレア機材が本日のお供だなんて幸運です。機材が「Boeing747-8」であるのは予約の段階で分かっていたことですが、それと相まって最高の組み合わせで帰国できることは感激です。現在ルフトハンザはこの「747-8」を19機保有していますが、旧型である「747-400」の全機退役がコロナで前倒しされたこと(元々は2025年に全機退役予定でした)や、全14機保有する「Airbus A380」を9機退役させるなどの方針転換がなされていることにより、いつまで空を飛んでいるのか分からない機材でもあります。より燃費効率や整備性の高い「Boeing777-9X」への置換が今後加速するものと思われるだけでに「乗れるうちに乗っておけ」的機材であることは間違いありません。

夕刻の18時5分、いよいよ東京へ向けて旅立つ「LH716」便のボーディングが開始されます。

羽田までの旅は「アッパーデッキ」のビジネスクラスで!

機内へと足を進めますが、私はすぐに階段を登ります。そう、747といえば「2階席(アッパーデッキシート)」がありますよね。せっかく747での旅をするならば、と私は当然アッパーデッキを予約していました。都合よくアッパーデッキはビジネスクラスしかありませんので、32席のビジネスクラスパッセンジャー専用の空間として楽しませていただくこととします。

ルフトハンザのビジネスクラスはご覧のように現在の「半個室」のトレンドとは異なり、開放的な座席を採用しています。B/Eエアロスペース社製造の特徴的なV字配列となる独特のビジネスクラスですね。座席に置かれているクッションのオシャレ感などは「さすが!」と言うしかなく、とても穏やかでおちついた空間となっています。こう見えて全長1.98mのフルフラットベッドになる点も売りの一つです。

座席に座り、目線位置から見たキャビンの風景はこんな感じです。こちらの方が圧倒的に広くて開放感がありますが、なんとなくの雰囲気で言えば過去記事にある大西洋フライト時に乗った「United」の「Business First Class」の座席にちょっと似てるかな・・・って感じです。まぁ、あっちの方が全然圧迫感ある座席ではありますが(でも座った後の個室感や落ち着く感はあっちの方が上かも)。

●そのニューヨーク→ジュネーブを飛んだユナイテッドのお話はこちら!

※このシートは2014年にAirbus A340型機から導入が始まったシートですが、開発に際し3,000人規模のアンケートや調査を行ったところ、ドイツではこの開放的なデザインの方が半個室型より人気があったために採用されたそうです。この辺も国民性みたいなものがでるんですかね。

いよいよ羽田に向けて出発です!

さて、機内ではウェルカムドリンクのサービスが始まりました。なんか自分の飲み物の隣に隣席の方のものがあるってのはちょっと慣れませんが、絵的には映えるのでいいかもしれません(笑)。またカップルで乗るには半個室型より会話を楽しめていいかもしれないなぁ・・・という印象ですね。まぁ、ご覧のようにビジネスクラスではありますが、他の乗客がめちゃくちゃ視界に入りますので明らかに最近のトレンドとは逆行していますし、今風のビジに乗り慣れてしまった自分には「お・・・落ち着かない・・・」って印象は正直ありました(笑)。

しかも見ればわかりますが、隔壁一枚隔てた数センチ横に他人の足が放り込まれることになるので、日本人は苦手な人が多い気がします、この配列。

偶然見つけた2007年のルフトハンザビジネスクラスの写真

こちらは、作業中に偶然発掘した「2007年」のルフトハンザビジネスクラスの写真です。奇しくもこちらもフランクフルト発で機材は「Boeing747-400」。アッパーデッキではない、1階席のビジネスクラスですが、この時代も開放的なレイアウトの座席を採用していたことがわかります。

テレビ画面の大きさに時代を感じますが(笑)。この時に乗っていたのは「LH710」便の成田行きです。いまだに我が家に暮らしているこのテディベアですが、実はこの時「Prague(プラハ)」に遊びに行っていた時のものなので、プラハで買ったお土産です。

毎度ルフトハンザのスチュワードはかっこいいのであります。1階席は通路が二列ですので、アッパーデッキと異なり空間が広く見えますよね。旧型のアッパーストウェージの形状も歴史を感じつつ、懐かしさを感じてしまいます。

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時を現代に戻しまして・・・、陽の長いフランクフルトも夕暮れになってきました。雨上がりのため、上空には分厚い雲がまだ流されずに漂っている状態ですが切れ間から夕日のオレンジが差し込んできています。「4000m x 60m」というフランクフルト空港では最大の滑走路「RWY 25C」より離陸です。

4発のGeneral Electric社製「GEnx-2B67」エンジンがとても静かに回転を高めた音を聞くと、全長76.3m、全幅68.4mにもなる巨大な機体が一気に速度を高め、スムースに地上の乗り物から空の乗り物への移り変わりました。この瞬間から燃料が尽きるまでの間、マイナス40度を超える極寒の環境かつ、酸素濃度は地上の25%以下という凄まじい環境の中を時速900km以上で突き進む巨大な生命維持装置となります。

ルフトハンザ747-8は1階と2階にビジネスクラスが存在

ご覧のように、私が乗っているルフトハンザ航空の「Boeing747-8」には、2階席があり全て2階はビジネスクラスの座席となっています。さらに1階にもビジネスクラスが用意されていて、こちらは「2-2-2」の6列配置(2階は「2-2」の4列配列)となっているため、天井の低さや総幅の狭さはあれど2階のビジネスクラスの方がゆったりと落ち着ける印象があります。

最前方には当然ファーストクラスがあり、ビジネス直後には「プリファードエコノミー」が。その後ろにはプリファードより上位クラスとなる「プレミアムエコノミー」があり、機体後部には通常のエコノミークラスが配置されるなかなかややこしい空間設計となっているのが特徴でしょうか。

● 見慣れたANAの機内食とは毛色の異なるディナータイム!

ということで、本日私たちを羽田まで運んでくれるのは「LH716便(FRA-HND)」、機材は「Boeing747-8(D-ABYT)」、予定飛行距離「5,821mile」、予定フライト時間「10時間29分」となっています。本日の座席は「88K(二階席)」のビジネスクラスだというのはお伝えした通りです。

現地時間の18時53分に離陸したLH716便は180度旋回ののち、フランクフルト中心部上空を通過しながらグイグイと高度を高めてゆきます。最新鋭の「GEnx-2B」エンジンは極めて音が静かであり、キャビンに不必要な騒音や振動は入ってきません。超大型機材の空力&質量的な余裕も相まって大型客船のようにゆったりと飛ぶ感覚はやはり747独特のものでしょう。

離陸後の19時30分には夕食がスタートします。ドリンクの提供に始まり、メニューを見ながら今夜食べるものを決めてゆくわけですが、なかなか見慣れた食事の内容ではないので迷いつつチョイスを進めました。(ようするにどれが美味しい当たりメニューか判断する肌感覚がなかったので・・・)

まずは前菜です。もちろんメニュー名は覚えてません(メモがない・・・)。まぁ見ていただければ分かる通りチキンと豆、ほうれん草ペーストのソースって雰囲気です(笑)。特別まずい印象はなかったですが、凄まじく美味しいという部類でもなかったですね。まぁ、その辺はドイツだしなぁ・・・って感じです。味はわかりませんが、お隣の方が食べてらっしゃった手鞠寿司的な前菜は美味しそうでした。

ただ、なんというかサービスはオシャレです。2007年の写真でも触れましたがキリッしたスチュワードに、一輪さされた花がアクセントになったサービスカート。ホワイトとグレーの無機質なキャビンにそこだけ色彩を与え、とても洗練された気持ちになりました。737?と思ってしまうようなシングルアイル(通路が1本)のキャビンに巨大なビジネスクラスシートだけが存在し、フルコースディナーを食べているという視界は、アッパーデッキを使用した者にしかわからない極上の景色ですのでなくなっちゃう前に是非味わっていただければと思います。

う〜ん・・・メインもこれ鶏肉なのでは??と思いますが、私こういう被った選択をよくしますね。おそらく他のメニューからの消去法でこうなっちゃうんですが、後でブログ書く身にもなってほしいです・・・。カボチャ入りのスイートポテトが爆発的に添えられていますが、ジャーマン全開!って感じのメインです。悪くはなかったですけどね。

なんともアッサリとデザートに到達です。食事のサービスを期待して乗ると肩透かし食らうことでしょう・・・。ややこの辺で私もテンションが落ちており、かなりあっさりと写真を撮って終了というイメージです(笑)。まぁ、座席自体は快適ではあるので、あくまでも移動空間として割り切って乗る方がルフトのビジネスはいいでしょうね。確かに過去乗った際もご飯はあまり良い印象が残っていません。

ここから機体はどんどんとロシア領空を東進し、日本へ向けてのマイレージ消化に励みます。窓の外は暗く落ち込んでゆき、室内照明も徐々にナイトモードへ移行してゆくのです。20時40分には「St. Petersberg(サンクトペテルブルク)」を通過し、21時には完全に夕食が終了。コーヒーだけを手元に残し、ほとんどの人が仮眠に入りました。

お夜食系も特にきになるものが装備されていないので、私も皆に倣って寝てしまおうと思います。。。

寝る前に2階席へ通づる階段から下を眺めてみましたが、昔の747の階段とは異なりなかなかスタイリッシュですよね。A380の方が階段は広いですが、このくらいの狭さの方が2階が秘密基地のような気分に感じられて楽しいかなぁ?と私は思っています。かつてANAが国内線で747を飛ばしていた時代は、この階段を登ったすぐのところにも座席があり「あそこ落ち着かないだろうなぁ・・・」と思っていた記憶があります(笑)。

夜明け前から、到着に向けた食事が始まります。

その後しっかり6時間位爆睡していたわけですが、6時間も寝ていれば機体はロシアをほぼほぼ通過しましていよいよ日本に向けた最終区間に突入を始めます。ご覧のように機内は夜明けに向けうっすらとオレンジ色の機内照明が点り始め、爆睡を続ける人、起き出して喉の渇きを潤す人・・・とそれぞれの時間の使い方が始まる時間帯です。

時刻は深夜3時半、ここからは日本時間での表記に変えようと思いますので、現在日本の時刻は午前10時30分ということになります。

10時35分から朝食がスタートです。奥側の座席の方はまだ爆睡しているようですが、キャビンの半分くらいは各自食事をオーダーしているようですね。バゲット、チーズ、生ハム、スクランブルエッグ、フルーツと極めてオーソドックスな食材が並びますが、必要なものを必要なだけいただくと考えればまぁ十分な朝食だと言えます。ただ、雰囲気的にちょっと綺麗に盛られたエコノミーのご飯・・・って雰囲気も否めませんので、やはり食事はそれほど期待をしない方が良さそうです。

ま、一応別アングルから・・・。唯一嬉しいのは動物性バターがたっぷりと用意されている点でしょうか。バゲットにしっかりと塗り、食べるだけで気分は落ち着いてきます。

ビジのメニューはこんな感じです。デザインは美しいですね。この辺の高まりをもっと体験としても維持して欲しかった部分はありますが、サービス面含めてかなり平たい部分は否めません。SQ(シンガポール航空)とかの方が丁寧感は強いですし、ロングホールで乗るルフトハンザは「移動空間」ってかんじだなぁ・・・と改めて思いました。マンネリ感はあるものの、海外の空気を到着ギリギリまで感じていたい、という時以外は日系キャリアを選ぶ方が正解でしょう。

キャビンに外光が差し込み、いよいよ雰囲気が日本時間と揃ってきました。11時09分に日本海へ入り、58分には新潟上空からついに本州にエントリー。この長旅もいよいよ終わりを告げそうです。

ちょうど新潟上空を飛行しているタイミングでコックピットよりアナウンスが入りました。「まもなく当機は羽田空港に向けて最終の進入を開始します。ルフトハンザへのご搭乗誠にありがとうございました。またお会いしましょう、サヨナラ。」的な内容だったと思います。外航あるあるですが、最後の「Thank you for choosing Lufthasa, I would like to say good bye. サヨナラ・・・」と最後の最後だけカタコトの日本語をぶっこんでくるのがなんとも自分がまだ異国の地にいるんだなぁ・・・と認識できる瞬間ですごく好きなんですが、同じだ!って方いらっしゃいますかねぇ?

機体はグングン高度を降ろしています。いよいよ夏めいた積乱雲が点在する東京上空の雲を突き抜け羽田への最終進入です。すでに座席はアップライトポジションに戻しており、10時間以上過ごしてきたキャビンが搭乗時の、「清廉で少しヒヤリとした馴染みのない空間」から、「人の温度感や少し使い込まれて雑然としているのに馴染みのある空間」に見える変化を感じつつ、それでもボーディング時と同様、全員がアップライトポジションで正しく座っている景色をちょっとした違和感と共に眺めている自分がいます。

眼下には東京ディズニーランドやスカイツリーが見えてくるようになりました。この辺を進入しているということは横風滑走路の可能性が高いですよね。4発エンジンで出力に余裕のある747はアイドリング並の小さなエンジン音を伴いながらプカプカとなんともゆったり、優雅に羽田へ向かっています。すでにこの頃コックピットでは自分たちが降り立つ滑走路が見えている頃でしょうから、遥かドイツはフランクフルトから10時間以上の時間をかけ、9,000km以上(地球1/4周弱)を移動してきた実感を噛みしめていることでしょう。私は地元に帰ってきた安堵感を、海外の旅客は新しい土地へ降り立つ期待や緊張感を満喫している時間帯ですよね。

若洲ゴルフリンクスを眼下み眺めつつ、すぐ横には東京ゲートブリッジの一部が見えています。これを合図に最後の左旋回を行えば、目の前には羽田のB滑走路が見えるはずです。

12時33分、最後の気流の乱れにより左右に揺さぶられた機体は、風に流されつつもなんとかギリギリ機体を抑え、羽田空港の「RWY22」に接地です。普段降りない外航のパイロットには、やはりイレギュラーな場所にある2,500mの短い滑走路につけるのは高い集中力が求められるんでしょうね。まぁ、かつての「16L」が運用されていた際が最も習熟度の低い外航のパイロットにはきついファイナルだったとは思いますが、意外と22も短く見えますので難しいだろうなぁと思います。

お昼過ぎのブリュッセルから始まり、フランクフルトを経由してようやく東京に帰ってきました。今日はルフト三昧を楽しみましたが、やはり最後の最後まで外航ってのは旅気分MAXです。そして、消えゆく2階建て機である「Boeing747」の旅も堪能しました。時代の流れではありますが、この空の王様が消えてしまうのは本当に悲しいものです。50年後の飛行機オタクはこれに乗れなかったこと、悲しむんでしょうね(笑)。

空港でゆっくりした後、リムジンバスに乗り込んだら、丁度この機材が折り返しで離陸し青空へ消えてゆきました。ほんのわずかなインターバルでまた9,000kmを飛ぶんですから飛行機の信頼性って本当にすごいと思いますね。

またいつの日か、思う存分ルフトや他の航空会社をつかって世界中を旅できる日が戻ってくることを本当に心の底から楽しみにして今日の旅は締めくくろうと思います。

ではまた!

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●最新のANAファーストクラス『THE Suite』搭乗記はこちら!やはり最新は最良でした。

●日本で乗れないレア機材搭乗機「Avro-RJ100」って知ってる?はこちら!

●ANAビジネスクラスを利用してミュンヘン経由でブリュッセルへ行った際の記事はこちら!

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