機内の軽食にも是非積んでほしいこのラウンジカレー。出張前の儀式とする方も多いようですが、何故かいつ食べても本当においしいんですよね。あまりラウンジにいる時間がない予定でしたので、ささっと食べてボーディングゲートへ向かいます。
ボーディングゲートは「108A」、予定どおり11時25分に優先搭乗に続き、First / Diamondからボーディングが開始されます。本日の使用機材は「Boeing777-300ER」、ビジネスクラスの座席はおなじみの「ANA BUSINESS STAGGERED」となります。乗れば乗るほど自分なりの使いこなしのクセが出てくる良いシートだと思いますね。
定刻前の11時49分にドアクローズ、エンジンスタートを経て11時58分に滑走路へ向けタキシングを開始しました。順調に移動を行い、RWY34Rより12時07分我々は5822mile、約11時間の空の旅へ離陸したのです。
・「姫皮たけのこ寄せ おくらのピューレのせ」
・「鰊(ニシン)のマリネ、フェタチーズとセミドライチェリートマト」
がアミューズとして提供されます。いやに詳しいじゃないか、って?そうですね、この時のメニューが偶然写メされてたからなんですね。。。普段はメモんないんだけど。
実はチーズが苦手なんですが、このフェタチーズにふんだんにオリーブオイルがかけられたこのアミューズはとても大好物で、これが出てくるとちょっと嬉しくなっちゃいます。シャンパンか、冷えた白で味わうのが最高でしょうが、アルコールに弱い私はもっぱらペリエかコーラという破壊的な組み合わせでいつも楽しんでいます。
機内は重めな味付けのミールが多いなかでとてもスッキリとしていて、かつしっかりと雲丹や帆立でボディのある味わいも楽しめるこの一皿は何度か今後も食することになりますが、出てくるたびにワクワクする美味しいものでした。見た目もなんだか良いですしね。
ペンネとトウモロコシのゴルゴンゾーラリゾット添え」
・・・長いっつの、名前が。。。
ぶっちゃけ中途半端にフォワグラとか乗せなくても良かったんじゃ・・・という味のまとまり感でしたが、基本美味しくいただきました。空の上でいただいているディッシュだということを考えると、視覚的にも味覚的にもビジネスクラスの料理の進歩ってなかなか凄いものだと思いますがね。その分ギャレーワークには負荷が掛かっているでしょうから、是非乗っている方々はゆっくりと次のディッシュを待ってあげてほしいと思う今日この頃です。。。
そうやって私が食事をしている間に機体はグングン上昇を続けまして、最初の巡行高度であるFL310(約31,000ft)に到達、通常は新潟、佐渡上空を経て日本海を北上しハバロフスクへターンしてゆくのですが、この日は前線、気圧の関係か珍しい航路でグイグイ列島上空を北上、このまま新千歳にでも降りるんじゃないか?という航路を取っておりました。
最終的に稚内の手前くらいから進路を西に取り、ハバロフスクの方へ行き、その後通常のロシア航路(シベリア上空を飛行する極北ルート)へ合流します。多くのフライトでこの地域は厚い雲に覆われていることが多く、下界の様子が見えにくい地域なのですが、一度見える天候に出くわすと縦横に曲がりくねった川や沼、湖と、ところどころに点在する集落の様子が高度1万メートルから見下ろすことができ、極北の地の営みに想いを馳せることができる面白い区域です。
「チョコのゼリー ウフ・ア・ラ・ネージュ添え」です。
正直に申し上げるのであれば、見た目ほど美味しくない。という感じでした(笑)
ANAのデザート、凝りすぎててもっとシンプルに美味しいデザートでいいんじゃないか?と思うことが多いっす。写真でもわかりますがこの頃はまだ外は明るいのですが、徐々にこの後暮れていきますので、機内はナイトモードへと移り変わってゆきます。
コーヒーを頼み、チョコレートでもつまみながらしばし映画や音楽に没頭する時間を過ごすことにします。
途中トイレに寄ってみるとセンターのインスタントバースペースに雛飾りが。そういえばひな祭り期間のフライトでしたね。。。ちょっとした心遣いが機内だとわからない季節感を思い出させてくれるのが嬉しいのでパチリ。空間的限界があるからしょうがないけど、A380やかつての747の様に、こういったコミュニケーションスペースがもう少し広く、ここでダラ〜っとできるようになるともっと10時間超えのフライトの時間の使い方も多様化できるのになぁ、と思いますので是非ANAには空間を再構築したBoeing 747-8の導入検討をお願いしたいものです(個人的にAirbus A380はあまり好きじゃないけど、空間的に面白くなるなら一部路線に入るのはまぁ、いい気もします。。。)。
シベリアから、ロシア上空は非常に外気温が低いのでしばしば窓の外にはこう言った結晶が現れます。元々この右下にある穴は、合計3層で構築されている旅客機の窓の外気温と、機内温度の差により窓が結露したり曇ったりを防ぐ目的で開けられている穴(3層のアクリル間のわずかな通気を担保する)、なのですが曇らない代わりに最も外側の層の一部に湿気による水分の結晶が発生するわけです。光の角度によってはこの結晶が七色に光りとても綺麗ですので、たまには窓にも意識を向けてみたらどうでしょう。
この頃には最終的な巡行高度であるFL360へ機体は上昇しており、この日はとてもエンルート(巡行航路)上は揺れも少なく快適なフライトを続けております。
機体は離陸後10時間58分を過ぎたタイミングで進入のための巡行高度からの降下を開始し、11時間16分後にベルトサイン、11時間33分後に無事ドイツ「フランクフルト国際空港」の2011年に新設された滑走路であるRWY25Rへ着陸。
今まで乗ってきた機体を横目で見つつ、最終目的地である「ジュネーブ」行きの便へ乗り継ぐため、使い慣れたフランクのコンコースをてくてく歩きます。・・・歩きながら感じるのはしばらく米国出張が多かった身からすると空港内のサインや家具の洗練度。やはりユーロ圏の空港はどこも各種のデザインに洗練と主張を感じ、無味乾燥なアメリカの空港とは味わいが違います。
長くなりましたので、帰りの様子はまた別途アップしたいと思います。
お別れは、ジュネーブへ向かう際、フランクフルト国際空港のRWY18から南への離陸時に見えた荘厳な雲の姿の写真をお付けしたいと思います。フランクフルトは離発着時に雲の素晴らしい演出に出くわすことが多いのも好きな空港である理由かもしれません。
帰国便もフランクフルトからです。
ではまた!
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