ANAビジネスクラス搭乗記 : ミラノ → パリ → 成田 (AZ312 / LIN-CDG & NH206 / CDG-NRT / Business Class)

トラベル(海外)
【この旅の前編にあたる記事はこちらです】
→「ビジネスクラス旅行記 : TOKYO to MILAN (NH209 / NRT-DUS & AB8740 / DUS-LIN / Business Class)

ミラノ(Milan)、イタリア最大の都市にして商業、金融の中心としても栄えているある意味有名な都市。想像よりイタリア北部に位置しており、北へ向かえばすぐにスイスとの国境に出ることができる街。

今回はこの街を舞台に様々な業務をこなしていたわけだけど、まぁ現地での仕事もひと段落しスタッフ達と半日程度は街歩きをする時間を持つことができました。とはいえ大きな買い物をするでもなく、偶然同行したスタッフ全員が写真趣味ということもあり、気ままに街をブラブラ歩き、スナップ撮影に勤しむというなんとも文科系な休日。

平和なミラノでの休日から、フランスは「シャルル・ド・ゴール」空港を経ての東京までの旅。便の関係で珍しくアライアンス外の「アリタリア航空」搭乗などもエピソードとして織り交ぜつつご紹介しようと思います。素敵なミラノの街の景色もお楽しみください!
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○ミラノをぶらり散歩。

言わずと知れた「ドゥオモ」。5世紀をかけ、1813年に完成したこのミラノ大聖堂は、世界最大のゴシック建築としても知られる文化財。何度見てもこの荘厳な佇まいには圧倒されますが、目の前の公園の人だかりは興ざめの一言って感じでもありますね。しかも最近の流行か、大量の「自撮り棒」を売り歩く商人が闊歩しており、時代を感じさせる景観となっています(笑)。

とはいえ、建物のディーテルは見れば見るほど凄い。135本あると言われている尖塔もさることながら、壁面には非常に細かく彫刻物が認められ、内部もさることながら外観をじっくり眺めるだけでも十分時間を過ごすことができるし、被写体としても極めて魅力的であると言わざるをえないのです。

ドゥオモのすぐ隣にはヴィットーリオ・エマニュエーレ2世のガッレリアが建造されてまして、このドーム天井の造形はやばいとしか言いようがない。安全面などの様々な規制もあるのだろうが、近年こういった圧倒的に荘厳且つ威厳のある建造物というものが新設されないのは本当に残念だと思うしかないですね。すぐ隣にミラノで最も高級なホテルである「パーク・ハイアット」が直結しているという点も捨てがたく、一度は宿泊してみたいもんだなぁ・・・と。

こういったレトロスペクティブな路面電車が現役である点も本当にヨーロッパの歴史を感じさせてくれるとともに、全てを近代化せず、歴史とモダンの調和を全ての住民達が体で理解しながら暮らしている様子は本当に日本にも見習ってほしいなぁ。なんでも新しければ良いというわけではないと思うのだよね。

いやぁ、信号もボロい。味があるっていえば良い表現だけど、あらゆるインフラはあまり更新されていないってのも良さであり、意外と古臭い部分でもあってファインダーを覗くのがとても楽しくなるのはヨーロッパ界隈の良さ、かな。

街はちょうど「ミラノサローネ」の時期なのでいたるところがデザインウィークであり、街も観光客やビジネス目的で来た訪問者でごったがえしていました。こんな喧噪の中、我々もジェラートを食べたり、まったりコーヒーを飲みながら街歩きを続けていたわけです。あ、ジェラートはドゥオモのちょうど裏にあるお店が本当に美味しいので、ミラノに行かれる方はぜひお立ち寄りを。濃厚なピスタチオが味わえますよ!

無性にこの奥に何か凄いしあわせが待っているんじゃないかと思わせる門構えの空間。中庭って概念がとっても私は好きでして、路面の喧噪から一歩中に入るだけで自分たちの空間になる街づくりってとっても素敵だと思います。中庭式だとレジデンスでも結構カーテン開けっ放しで過ごせるしね。開放感とプライベート感を程よく共存させられるマジックですね。

ゴミ箱すら美しいっての、反則です。こんなところにレンズを向けている人いなかったですけど、なんていうのかな、その街の呼吸を感じさせるもののひとつにゴミってあると思うんですよね。無造作に捨てられたゴミや、ゴミ箱、ちょっと汚れた街角あたりにリアリティを感じます(別に中は漁らないですよ?笑)。

もちろん、イタリアと言えば「DUCATI」。この色が石畳に恐ろしく映えていまして、狭い街だしバイク移動ってのは理にかなっている気がします。いたるところに路面電車のレールがあるので、雨の日は恐怖でしょうけどね。

夜も味わい深いです。お店の軒先に腰掛けながらビールを飲んだり、ジェラート食べたりするローカルの姿がとても颯爽としていてかっこいいなぁと思っちゃうのは観光客目線だからでしょうかね。日本で同じことしてたらただの行儀悪い人ですもんね。文化なのか、人生なのか、街の呼吸なのか。。。

●アリタリア便でまずはシャルル・ド・ゴールへ

そんなこんなで定番ミラノ風カツレツや、生ハムと白ワインも楽しんで泡沫の休日をスタッフ全員で満喫し、いよいよ帰国への移動を開始します。スタッフそれぞれが違う便で移動ですので、リナーテからOUTする唯一のメンバーである私は先にマルペンサへ向かったスタッフの後にゆっくりホテルを後にしようとしたのですが、降り続く雨により全然タクシーの予約ができないとホテルフロントも困り顔。周囲で全然タクシーが呼べず「搭乗便に間に合わない!」と大騒ぎする各国の方々の様子からも、マジでタクシーが来ないんだな・・・というのが伝わってきます。

私もそこまで時間的に余裕があるわけではないので、困りつつも「なんとかなるんじゃないか?」と楽観的に「Uber」を立ち上げてみるとビンゴ!近所に1台だけいるじゃないですか。すぐさまその1台をプッシュし、ホテルでピックアップしてもらうことに成功です。

ホテルから下道を使って20分ほどでリナーテに到着します。よく整備されたEクラスでしたし、今の所海外でのUber利用で嫌な経験はしていないんですよね。その場で現金を使わなくてもいいのがなんといっても楽です。・・・雨の中の危機的状況を救ってくれた彼には昼食代のチップを渡して、いざチェックインへ。

リナーテからはコネクションの関係でスタアラが取得できず、大抵こういう時に必ず回ってくるのはノンステータスの「スカイチーム系」(笑)。とはいえ、どういう力学が働いたのかさっぱりわからないんですが、チェックイン時に何故か「SKY PRIORITY」扱いされまして、全てを優先レーンで進行できるタナボタ的ラックにより予想の半分以下のストレスと時間でゲートまで。無論、優先搭乗もGETです。・・・ただ、バスボーディングなんで優先もクソもないわけですが(笑)。

で、こいつでANA便へのコネクションである「CDG(パリ・シャルル・ド・ゴール空港)」まで行くわけですが、ま〜たA320です。新鮮なのは「Alitalia」の見慣れない塗装位ですかね。。。

で、このアリタリア君。見てお分かりの通りビジが取れませんで、エコ移動です。まぁ、短い時間なんで大して気にならないし、この日のロードファクター(搭乗率)は5割強だったので、隣もガラガラでお気楽ご気楽なエコ席でした。スナックとちょい濃いめのコーヒーを飲みながらゆったりと過ごします。そして、なんのハイライトもない普通のフライトは、定刻通りドゴールにランディング、ターミナル間を結ぶシャトルトレイン(CDGVAL)に乗り、最終レグの始まりとなるターミナルへ歩いて行きます。

●ANA206便ビジネスクラスで成田へ

成田までのレグとなる「NH206便」はドゴールのターミナル1からの出発です。猛烈に古いターミナルで歴史を感じる建物ですよね。特に名前からわかるようにこのターミナル1は開港された1974年から運用されており、建築家のポール・アンドリュー (Paul Andreu) 氏の手によるアバンギャルドな円筒形上の建物なのでして、ちょっと古い007の作品に出てきそうな建物なんですよね。まぁ、とはいえさっさと手続きを済ませてそのまま制限区域に入って行きます。

ターミナル内では「スターアライアンス・ファーストクラスラウンジ」と、「スターアライアンス・ビジネスクラスラウンジ」が活用できます。ビジネスクラスラウンジのちょこっと開放的な喫煙ゾーンに立ち寄りたく、また人影もまばらだったのでこの日はビジラウンジで過ごします。もう大抵の空港でANA便搭乗前にラウンジに寄ると日本人率が高まりますので、かなり日本へ帰ってきた感が強まりますよね。旅の中で一番寂しい瞬間かもしれないです(笑)。

まぁ、そうこうしつつも定刻通り17時に搭乗開始です。そのまま定刻通り17時30分にドアクローズし、機体は東京へ向け予定飛行距離6039mile予定飛行時間11時間10分の旅へ出発です。

17時46分にシャルル・ド・ゴール空港のRWY09Lからスムースに離陸した機体は32分後にはほぼフランクフルトの上空で最初の巡行高度であるFL310(31,000ft)に到達します。と同時に機内食のサービスが始まるのですが、なんでしょう?いつもパリからの乗る便はご飯が外れなことが多いのですがこれはフランスでANAが使用しているケータリング会社がアカンのでしょうかね。僕の中では「CDG便は飯がまずい」というイメージが定番です。そしてそれはこのフライトでも見事現実のものとなりました。

見た目は美味しそうですよね。でも味は「う〜ん」って感じなんです。

これも美味しそうですよね、でもソースがイマイチなのとお肉パサパサなんすよね。耐えきれなくてワイン注文してあるあたりが通常の私の行動にはないのでそれを証明している気がします。しかも、アペタイザーにもブロッコリーついてたのに、メインもブロッコリーです。トマトも同じ。さすがに考えろよ・・・という付け合わせなのもCDG便の印象をさらに悪くして行きます(笑)。

唯一デザートはまぁまぁ美味しかった印象が。ちょっと食べにくかったですけどね。リスク分散で2種をデザートでピックしてますからね、疑心暗鬼ですよ。いつも変わらない味のコーヒーだけが安心材料ということで、この後コーヒーをゆっくり飲みながら暮れてゆく窓の外をじっくり楽しみます。

窓の外が夕闇に囲まれる前にちょっと変わった現象が窓の外では起きていました。写真でも右上の方に写っていますが、大量の過冷却水の結晶が窓の外を飛んでいます。景色は晴れですが、天気雨の中を飛んでいるようなイメージですね。これが窓の外でキラキラと太陽の光に反射して見えるので、写真ではなく肉眼で見るととてもドラマチックな世界になるんです。

この後バルト海を抜け、ロシア上空を横切る航路へ機首を振って行きますが大抵サンクトペテルブルクの上空にたどり着く前後で日が暮れてゆきます。日が暮れた後にサンクトペテルブルクの上空を通過すると綺麗に放射上に広がった街の明かりがヨーロッパに別れを告げる最後の街といった趣で眼下に広がります。ヨーロッパからの帰路便は左側(ポートサイド)の座席を取られることをお勧めします。

到着前には再び丼ものをいただき胃を起こしてゆきます。これを食べている頃には機体はハバロフスクのポイントで機首方位を一気に日本海側へ南下させる旋回を行う頃です。この旋回が始まるともうほぼ帰ってきたな、という郷愁に体が包まれます。

上空の風が複雑だったため、FL310>FL290>FL310>FL330を経由して最終的にはFL350まで上げたフライトでした。長距離だと考えると比較的低めですね。

猪苗代湖を超え、仙台上空から銚子へ向かう航路の途中で一気にスピードブレーキを引き高度を落としていきます。そのまま内陸上で高度を落として行き、我々が乗った便は北側からアプローチを行い燃料が空に近い状態まで長距離を飛び続けた機材じゃないと降りられない長さである成田のの短い方の滑走路である「RWY16L」へ着陸を行います。このRWY16L(B滑走路)はもともと2,180mという使えない長さで使用が開始されたのですが(小型ジェット機の離発着や、中型以降の機材の場合燃料がめちゃくちゃ軽い状態じゃないと離陸はおろか着陸さえできない)、近年用地買収などの努力により改修がほどこされ、2,500mまで延伸されましたので、結構使い勝手がよくなりました。

しかしながら、私の乗っていた便はランディング時に接地位置を伸ばしすぎ(接地する場所が奥になってしまった)たため、滑走路長が足りなくなり、接地直後からほぼフルブレーキという勢いの凄まじい制動になってしまった点はちょいイケてなかったですかね。もう、目視でスレッショルド(滑走路末端)を過ぎてからの時間経過で「これは伸ばしすぎだわ・・・」と感じていたので、さもありなんな動きでしたが、他の乗客の方々はちょっと面食らう止め方だったと思います。

とはいえ、最終的には快適かつ無事に成田へ降り立ちました。総飛行時間11時間32分、少し延着ですね。夕方直前の成田へ降り立ち、涼しい空気を浴びながらゆっくりタバコを吸ったら家路を急ぎます。

この後はすでに記事化している中国出張数回を挟んで次もヨーロッパラウンドです。また違う街への旅なので楽しみです。

ではまた!

●フランクフルトから羽田へのANAビジネスクラスの旅の記録はこちら!

●ニューヨーク→成田、ANAファーストクラスでの旅の記録はこちら!

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この記事を書いた人

東京でプランナー・コンサルタントとして働きつつ、様々なフィールドで遊ばせてもらっています。

ON / OFF問わず日本各地、世界各地へ出かけることが多いこと、そして移動手段
である航空機が大好きなのでそんな日常を多くの人と共有しようとブログを書いています。また、最近では愛車ポルシェ911での日々を綴るYoutubeチャンネル「Nine Eleven Cruise」も更新していますので、こちらも是非チャンネル登録の上御覧ください。

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