ANAビジネスクラスで成田へ!消えゆくビジネススタッガードを787で愉しむ(NH232 / BRU-NRT / Business Class)

トラベル(海外)

しばらくはコロナで旅も出張も出来ない状態のですので、いい機会だと過去「お蔵入り」していた旅行記を文章化してお届けしていこうと思います。実際ブログ化されている渡航はごく一部で様々なお蔵入り案件があるのですが、フライトメモなどは潤沢に残っていますのでまだまだ書けるものが多いんです。

そんな今回は2017年にとある仕事でロンドンへ行っていた際の「帰りの様子」をお届けしたいと思います。季節は11月、まったく春の陽気に包まれる現在(リアルタイム)とは異なる季節のお話になりますが、お楽しみください!

「蔵出し」ではありますが、未ブログ化記事ですので新しい記事としてお楽しみいただければ幸いです!
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晩秋のロンドンでゆったりした休日を・・・

仕事は既に終了していますので、残りの時間は仲間とロンドンでゆっくり過ごそうと思います。既に気温はマイナスに近くなろうかという晩秋ではありますが、クリスマスマーケットなども出ていますので趣深いヨーロッパの秋を楽しんでいます。せっかくの良い季節ではありますが三脚などは持ち歩いていなかったので、夜景の撮影には限界がありますね。・・・ロンドンは差し色として紫を使うことが多いのですが、その高貴な色彩と街並みの調和が美しくいつも素敵なカラースキームだなぁ・・・と感心して街を歩いています。

ロンドンは地味にスイーツ天国ですよね。ハイカロリーなパフェ、シェイクがアメリカよりも身近なものとして(且つおしゃれなアイテムとして)提供されており、ご覧の様なシェイクなども普通のレストランのメニューとしてラインナップされていることがほとんどです。日本のレストラン、喫茶店は結構色気のない飲み物やデザートが多いですが、ロンドンっ子の甘味にかける執念をもう少し見習って欲しいと思います。・・・というかスイーツの苦手なオッサンが多すぎるんですよね、日本。

かつては「食べれる物など存在していない」と言われていた食の不毛地帯イギリスではありますが、ロンドンオリンピックを境にして劇的に食事情は改善されています。今、ロンドン中心部で「味のしないフィッシュ&チップス」を食べる方が難しい・・・と思うくらい、美味しいものが出てくるんです。かつての文句を言いながら食事をしていた頃が少し懐かしい気もしますが、写真の様なファミレスメニュー的ご飯でも普通に美味しいのは「変われば変わるもんだ」・・・と思います。

ごく普通の街角のレストランですが、わかりますかね、ところどころ「例の紫の差し色」が使われていることに。こういったブリティッシュパープルの味付けは僕らも見習いたいところです(・・・でもスカイツリーの紫は高貴すぎてまったく遠くからは視認できないのは大失敗だと思いますけどね)。

夜に川沿いを歩けば、クリスマスマーケットや、出店が多くとても賑やかで楽しいです。そこらじゅうでバーベキューのお店が出ているのでめっちゃ煙いですが、寒さを忘れます。ついでにホットワインを売っているお店に立ち寄り、大好きなホットワインを飲みながらちょいちょい撮影をしつつ、みんなと散歩するなんて贅沢な時間です。

小腹も空いたのでいつも通っているハンバーガー屋にでも行こうかな、と思います。ただのチェーン店ですが、お店が立っている地域ごとに店舗装飾や内装が異なっていたり、全体的にスタイリッシュな作りが好きなのですが、今回立ち寄った「Waterloo」から少し歩いたお店はほぼナイトクラブ的な内装で、室内は真っ暗に近い独特な店舗でした。

もう看板からしてクラブですよね(笑)、これがハンバーガー屋だと思う人はなかなかいないでしょうし、観光客だったらまず気づかないであろう佇まいです。

はい、室内真っ暗〜。写っているのは私が必ずこのお店で頼む「オレオシェイク」です。激ウマです。このお店に関する詳しい記事は過去ご紹介したことがありますので、そちらのリンクも是非ご覧になられてください。・・・あぁ、このハンバーガー屋さんの名前は『BYRON(バイロン)』です。

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せっかくだし『FORTNUM & MASON』で紅茶でも・・・

1707年にウィリアム・フォートナムとヒュー・メイソンにより設立されたイギリス老舗の百貨店「FORTNUM & MASON」ですが、おそらく日本の方々には「紅茶」のイメージが強いでしょう。ピカデリーにある本店を覗きながら折角なので上のティールームで軽くお茶をすることにしました。

クリスマスシーズンですので多くのクリスマスグッズや食材を買い出しに来ている客で溢れ活気に満ち溢れています。今や苦境に立たされている百貨店業界ですが、イギリスのこれらの百貨店のともし火が消えてしまわないことを切に願ってやみません。

ここで私もクリスマスリースやツリーの装飾などを購入し、いまでも愛用しています。賑々しさや派手さという意味ではハロッズなどに軍配があがるでしょうが、ロンドンの街に根付く老舗店の味わいというものも捨てがたいですよね(・・・ハロッズも老舗ですけど・・・)。

紅茶を頼むとこんな感じの可愛いポットに入れられてやってきます。寒い日でしたので温まろうと私は「CHILLI & GINGER TEA」というスパイシーなものを注文です。これがまた美味しかった。

・・・でももっと面白いのはこのポットですよ!飲みたい時にはこうします。

わかりました?(笑)

そうです、実はポットの下半分はティーカップになっており、ご覧の様にティーポットを持ち上げるとカップが現れます!しかも隠れていた下半分は「FORTNUM & MASON」のブランドカラーで彩られているなんて、めちゃくちゃお洒落ですね。こういう遊び心・・・たまらないです。

ということで、紅茶で心も体も温めて、再び寒い街を楽しんでいこうと思います。ティールームは何種類も用意されており、かなり高級そうなものから、私たちが利用したちょい飲み専用のカジュアルなものもありますので、用途に合わせて使い分けていただければいいと思います。もちろんティールームではなく、パブ的な空間も用意されています。

●「FORTNUM & MASON」(日本の公式サイトはこちら)

●「FORTNUM & MASON」(英国の公式サイトはこちら)

●「FORTNUM & MASON」(手軽な自宅用ティーバッグはこの辺がおすすめです)

Bitly

●「FORTNUM & MASON」(手軽なギフト用の紅茶セットはこの辺がおすすめです)

Bitly

散歩ついでに「O2アリーナ」でやっていた「ATP FINALS」なんかもちょっと観戦しちゃったりして。私小学校からテニスをやっているんで涙ものの大舞台なんですよね、これ。写真は試合終了後に全景を撮りに上に上がったものですが、最高の景色ですね。見たかったフェデラーのカードは翌日だったので涙を飲みましたが、十分楽しみました。そういえば昔ここでマドンナのライブもみたなぁ・・・。

どうでもいい話ですが「O2アリーナ」のすぐ近くにある韓国麺屋さんはあまり美味しくありません(笑)。

この時期のロンドンな街並みはえげつないほど美しいです。ロンドンは冬に行くに限ります。勝手に心洗われますね(笑)。最近ちょっとご無沙汰なのでそろそろまた行きたいところです。

さて、日本へ!まずはロンドンからブリュッセルへ移動します!

タイトルを見て「はぁ?直行便で帰らないのかよ?」って方もいらっしゃると思いますが、このブログをずっと読まれている方ならもうご存知の「私は経由便好き」・・・という特性があります。なので、今回も直行便を拾わず、一旦ブリュッセルへ出てから日本へ帰ろうと思います。

出発の朝は見事に曇天です。美しい紅葉を楽しめはしますが、カメラで撮るのは極めて難しい天候の朝でした。・・・とはいえロンドン最後の朝、軽く近所を散歩しつつ相方に頼まれていたショートブレッドのクッキーを大量に購入し最終のパッキングをして空港へ向かおうと思います。

●食べだすと止まらない『Walkersのショートブレッドクッキー』リモートワークにも最適かも(笑)

Bitly

さ、しばしこの美しい街並みのロンドンとはお別れです。・・・本当にロンドンバスもロンドンタクシーも走っているんですよね(笑)、当たり前ですが初めて行かれる方は感動すると思います。

英国航空(BA)を利用してブリュッセルまで!

あ、やっと私のブログっぽくなりましたよね。ヒースローに着いた私はそのまま「British Airways(英国航空)」のファーストクラスカウンターでチェックインを行い、保安検査場を通過してラウンジへ。木目調が美しいなんとも優雅なチェックインカウンターですが、ここはヒースロー。さすが「コンコルド」専用のチェックインカウンターにラウンジ、ゲートを備えていた航空会社です。最優先顧客とはどういうものか、というのがヨーロッパでは圧倒的に差別化が図られているので毎度文化の違いを感じしてしまいます。

この日利用していたBAのラウンジはこんな感じです。とても開放感があり、空間としても広い素敵なラウンジでした。様々な方面への出発便がひしめく時間帯でしたので、ラウンジは混雑していましたがキャパ的にはもうちょい余裕があったというところでしょうか。

先日のANAファーストクラス利用時にニューヨークのBAラウンジを使っており、その際に「バーカウンターに人がいない」と書きましたが、混んでいる時間帯および自社便が飛ぶ時間帯はおそらくロンドンのラウンジと同じ様に、こんな感じでバーテンダー的なスタッフが現れるのでしょう。やっぱ慣れているのか、私の居心地が良いラウンジはルフトハンザのセネターラウンジですかね。

●ニューヨークのBAファーストクラスラウンジの話が出てくる記事はこちら!

BA389便(LHR-BRU)へ14時45に搭乗開始!

午前中は曇っていましたが、午後はいよいよロンドンウェザーともいうべき雨です。ターミナルの外には数多の英国航空機が駐機しており「あぁ、イギリスにいるんだなぁ・・・」と改めて認識します。珍しく本日はBAを利用しますので、窓の外にスターアライアンス系列の機材が止まっているターミナルではなく、ヒースローの本丸となる「BAターミナル」からの景色は壮観です。

14時45分に「ターミナル5」の「B39」スポットより搭乗開始です。私の大好きなブサカワ機材である「Airbus-A319」という、最大でも144席(搭乗したのは国際線機材なので123席仕様)という小型機にも関わらず結構ボーディングに時間を要し、ドアクローズしたのは15時20分でした。

私が今回使用しているのはビジネスクラスである「CLUB EUROPE」と呼ばれる前方席です。まぁ、ヨーロッパの短距離国際線のビジネスクラスの定番である「真ん中席が使えなくてテーブルになっている」タイプのビジネスクラスであり、シートピッチもエコノミーと比べて1インチ(約3cm)広い程度ですので豪華な印象はゼロです。

この日は運良く私の隣には旅客はおりませんでしたのでご覧の様に広々とした空間を満喫です。シートは革張りであり、ひやっとしますが、独特の香り含めヨーロッパの航空会社に乗っている気分が高まります。出発前のセーフティーインストラクションビデオがいかにも英国って感じのシュールな映像が機内に流れます。参考までに下に貼っておきますが、いやぁかなりシュールです。

待たされたけど雨のヒースローを離陸!上がったら降りる短距離フライトへ!

離陸前には雨がかなり強くなっており、こういう客席からの景色を何度ヒースローで眺めたかなぁ・・・という気分になりましたが、実は雨の日の出発はとても好きなんです。快適な機内と、寒くて雨の降る機外の景色のギャップがそもそも「旅情」だと思うんですよね。15時25分に滑走路へ向け出発しますが、出発機混雑のため私たちも滑走路前で順番をしっかりと待たされます。

私たちは、A330→B777→B757→B777→B767→B777→A380→B744→A321→A321の離陸を見届けてやっと自分たちの番がやってきました。15時44分に待機のため停止させていた左エンジンを再度点火、両エンジン音がキャビンに響き渡りいよいよ出発が近いことをサウンドで告げてくれます。

悪天候のため最大照度で滑走路を垂らすマーカーライトのまばゆい光を横目に見つつ、ゆっくりと滑走路へ進入したA319は、そのままローリングテイクオフで15時49分にロンドン・ヒースロー空港の「RWY27R」を離陸。わずか217mile(約350km)、予定飛行時間45分の短い・・・けれども国際線の旅に出発です。

どんだけ短いかっていうと「羽田→伊丹」の区間マイルが276マイル(最近は280マイル表記が増えましたが)ですので、それよりも短い距離だと言えば、慌ただしさをご想像いただけるのではないかと思います。

空の旅の良さは「雨の日でも飛び立てば必ず青空に会える」点でしょう。雨雲を突き抜ければ、夕暮れに進んでいるヨーロッパの哀愁のある空が窓の外に広がります。すぐに降りるためFL190(約19,000ft)という極めて低い高度にてほぼ存在しない巡航を行います。

すぐ降りるけど乗っているのは「国際線のビジネスクラス」。大急ぎで軽食がサーブされてきました。サンドウィッチにスポンジケーキ、そしてコーヒーなのですが、このサインドウィッチが地味に美味しくてですね・・・。このあとブリュッセルからの乗り継ぎ便でさらにご飯が待っているにも関わらず完食してしまいました。コーヒーがたっぷりと提供されるのも外航の良い点ですね。

巡航高度に着いたと思ったらすぐに降下を始め、離陸から29分後には再び雲の中へ、そして33分後にはランディングライトが点灯し着陸態勢に入ります。眼下に広がるブリュッセルの街の灯りがアンバーで美しく深い蒼の景色の中に浮かび上がってきました。そのまま16時27分(ブリュッセル時間:17時27分)にブリュッセル空港にランディング、プッシュバック開始からのブロックタイム(飛行時間として換算されるのはこれ)という観点では1時間6分、離陸から着陸までという空の乗り物であった時間はわずか38分の短い旅でした。

乗り継ぎ便はANAビジネスクラスで!

ブリュッセルに到着した私は使い慣れた「ブリュッセル航空のビジネスクラスラウンジ」にいます。スターアライアンス系列便の利用者は全てここに収容されるのですが、出発時間帯が分かれているのかそれほどの混雑はありません。また、このラウンジは生ハムなどが豊富に提供されていますのでちょっとつまむ・・・という雰囲気での利用に適しており離陸前に食べすぎたくないけど小腹を満たしたいといったニーズには最適なラインナップなんです。

ロンドンよりも1時間進んでいるブリュッセルですので、約2時間程度ラウンジでまったりしたのちの20時20分に「B5」スポットから搭乗開始です。相変わらずブリュッセルも雨が降っており、東京の天候に思いを馳せつつ見慣れたスタッガードの座席に腰を下ろして荷物を整理します。先日最新の『THE Room』のレビューをアップしたばかりですが、乗り倒したスタッガード席の景色にはやはり今の段階ではとても愛着があり、写真を編集していても安心感があります(笑)。やがて消えてしまうだろう、この座席・・・皆様にご紹介できるうちにできる限りご紹介しようと思います。

●新しいANAのビジネスクラス『THE Room』のレビューはこちら!

もうどっぷり暮れてしまったブリュッセル空港の景色。現状ブリュッセル発便が最も遅い時間にヨーロッパを出発するANA便ですので、真夏だと真っ赤な夕暮れ、春秋冬はご覧の様に真っ暗です。夏の期間しか見ることのできないブリュッセルの夕暮れからのテイクオフは圧巻の一言なので、一度みなさんに経験していただきたいと思います!本当に空が綺麗なんです。

●ブリュッセルの美しい夕暮れと共に飛び立った夏のフライト記事はこちら!

20時40分にドアクローズとなり、キャビンにはこれまた見慣れたウェルカムドリンクが配られます。写真に写っているアメニティをみると時代を感じてしまいますが(笑)、このブルーのコーヒーテーブル含めなんとも安定し見慣れた景色がそこに広がっています。ある意味我が家級に安心感ありますね。

◆◆◆

この日私たちを東京・成田まで運んでくれるのは「NH232便(BRU→NRT)」、使用機材は「Boeing787-8(シップナンバー:JA822A)」飛行距離5882mile予定飛行時間10時間49分となっています。

暗すぎてなんのこっちゃわからんでしょうが、滑走路入る直前です。ブリュッセル空港はこれらの灯火が全てLED化されているのでこれまでの空港と違って滑走路誘導灯の撮影が結構難しいんですよね。ぼやっと拡散せず、ソリッドな点としてカメラには見えちゃうんです。肉眼で見るとそれはそれはめっちゃ綺麗なんですけどね(汗)。

21時6分に「RWY25R」からトレントエンジンの静かな圧力を感じるサウンドと共に漆黒の空へ向けBoeing787は離陸します。もう離陸直後から雨雲と夜空で残念ながら景色はゼロ、大きな窓を持つ787の利点を活かすことができません。幸い私も結構疲れていましたので、ささっとご飯をいただいてまずは仮眠かな・・・と機内での過ごし方を決めました。

上空1万メートルで夕食をいただきましょうか!

ブリュッセルなのに「Miami(マイアミ)」かい!っていうコーラを眺めつつ、スターターを頂きます。もう古すぎて情報が残っていないんですが、見てわかる通りこのスターターはあまり美味しくなかった記憶が(笑)。モッツァレラ+ドライトマトのピンチョスに、キッシュ、一番下のやつは・・・思い出せないです。自然光のない夜便の機内食は本当に撮るのに苦労するんですよね・・・この点で今若干機材更新を検討しています。

22時35分には最初のクルーズ高度であるFL370(約37,000ft)に到達、空気も穏やかで安定したフライトを続けています。キャプテンアナウンスでも特記するほどの情報はなく、東京まで大きなイベントもないフライトとなりそうです。

続いてアペタイザーです。定番セットではありますが、大きなシュリンプが意外と美味しかったのを記憶しています。ご覧の通り窓の外は真っ暗ですが、トリプル(B777)のビジネスクラスと比較すると787は少しだけ窓側方向にゆとりがあるんです。前の席と壁の間が少しスカスカしているのがわかるでしょうか。なのでほんのちょっとだけ個室感が落ちます。全員が窓の外を窓に顔を近づけてみると、結構いろんな人と目が合っちゃう系・・・です(笑)。

メインはお肉!これも定番のお肉+赤ワインソースじゃないですかね。機体はごく弱い28mph程度の追い風に乗り、揺れることなく飛行しています。食事時に安定した空を飛べるのは本当にありがたいです。ま、ちょっと仕事で疲れきった胃にはこのお肉は重かった気もしますが、食べたかったんでしょうねこの時は(笑)。

787にファーストの設定はなし、-8には3種類の国際線機材が存在!

ちなみに、この日私が搭乗していた787は169席仕様の国際線機材です。ANAの保有する「Boeing787-8」国際線機材には3種類の仕様があり・・・

240席仕様(ビジネスクラス42席 / ANA Business Cradle)
184席仕様(ビジネスクラス32席 / ANA Business Staggered)
169席仕様(ビジネスクラス46席 / ANA Business Staggered)

となっており、残念ながらロングボディ仕様である「787-9」も含め787にはファーストクラスが設定された機材は存在していません。ANAとしてはフラッグシップ機及び、重要幹線への就航機材はファーストクラスを備えた「Boeing777-300ER」を充てていくという方針の様です。今後「Boeing777X」シリーズを導入し、それが次世代のフラッグシップになるのでしょうね。777Xでは機内が787より進化しますので現在の787の快適性をさらに凌ぐ心地よいキャビンになることを期待しています。

●ANAビジネスクラスのあれこれをしつこく詳しく書き綴った記事はこちら!

話を戻しましてデザートです(笑)。機体はポーランド西部の「シュチェチン(Szczecin)」の南側を通過中です。米ソ冷戦の象徴として「鉄のカーテン」と呼ばれたかの地ですが、現在はその鉄のカーテンも、ベルリンの壁もなくなってしまい、歴史が生き物であることを実感できます。また国境など御構い無しに(※いやコックピットやフライトプランでは構っているわけですが・・・)上空を通過し晴れた昼間であれば様々な土地の様子を空から眺めることができる飛行機の旅ってとっても素敵だと思います。地球が一つであり、世界は繋がっているということを視覚的に実感できるんですよね。

あ、で・・・このデザートですが、クランベリージャムの乗ったケーキでして食後の口の中を甘酸っぱい味覚でリセットしてゆくには好都合な選択でした。ゆっくりコーヒーをいただき、この後しばし仮眠を取ることとします。・・・ちょうど食事が終わったのはブリュッセル時刻の24時。寝るには最適ですが、日本時間から考えると微妙なタイミングです。

キャビンは睡眠をとる客、眠れずにゲームや映画に興じる客と思い思いの時間が流れています。ゴー・・・という空気を切り裂く音のみがキャビンに流れ、機体は凍てつくロシア国土の上空を黙々と巡航中です。思いの外南側の緯度の低いコースを飛行している様で、高緯度フライトが好きな私には若干興ざめでもあります(なので寝ちゃったんですが)。

●トランス・ポーラー・ルート:北緯70度超えのレアフライトに遭遇した記事はこちら!

史上最悪の機内丼(笑)大失敗のメニューはこちら!

・・・で、4時間半位仮眠をとり、むくむく・・・っと起き上がった私は小腹を満たそうと丼ものをオーダーします。機体は次なる巡航高度である「FL390(約39,000ft)」に到達しており、787の限界運用高度である43,100ftまでそう遠くない高度ですね。まぁ、787って普段から40,000ft超えのフライトが標準なのでむしろ「え、まだ3万台にいたの?」って感じではありますが。

オーダーしたのは

鰻、海老、北寄貝の蒸し寿司

というやつなのですが、これがANA丼もの史上最大のハズレ(笑)。ANAの丼って大外れせず大抵美味しくいただけるのですが、こいつは頂けません(汗)。なんだか具も少なく、味付けも薄すぎて感覚的には

ず〜っと酢飯を食べ続けている

みたいな(笑)。もはや拷問(笑)。

この子です。写真の適当さ加減にがっかりした私の気持ちが現れている様です(汗)。・・・まぁ、以来機内でこの子を見かけることはなかったのでおそらく「多くの方に不評」だったのだと思います。あぁ、おとなしくうどんでも食べておけばよかった。。。

ブログで時折取り上げるナイトモードから昼間モードに機内の照明が変わるタイミング

(早い)エコノミー>ビジネス>ファースト(遅い)

を示している写真が上です。私たちのビジネスクラスキャビンは未だナイトモードですが、カーテンの奥側(私が後ろ向きに写真を撮っています)に見えるエコノミークラスのキャビンからは燦々と明かりが漏れてきており、既にウインドーシェードを開け照明も点灯した昼間モードであることが分かります。こんな感じで各キャビン時間の経過が違うんです。

窓の外は明けてきており、眼下には荒涼としたロシアの大地が見渡せます。基本的には雪と氷、そして永久凍土で覆われた死の世界ではあるんですが、ところどころ鉄道や物資輸送のための道などが見えるあたりにめっちゃロマンを感じます。下にはどんな景色が広がっているんでしょうね、アメリカだったらもう少し訪問も容易かもしれませんが、ロシアって段階で結構ハードル上がっちゃいますよね。でも限りないロマンです、一度地上からの景色を拝んでみたいものです。

高度を更に「FL410(約41,000ft)」まで上げました。この領域になってくるとご覧の様に旋回をして羽が上がった(機体が傾いた際)に見える空は真っ暗です。まさにこの先は宇宙という様な雰囲気。かの超音速旅客機「コンコルド」は「FL600(約60,000ft:約18,000m)」を飛行したというのですから、そこにはどんな空が広がっていたんでしょうかねぇ?

日本時間の13時58分、例のハバロフスクターンを行いいよいよ到着に向けてのカウントダウンに入りました。先ほどの丼モノでがっかりさせられた私は、食べ慣れた「パン、フルーツ、コーヒー」の組み合わせでお腹を満たします。ご覧の様に「まだシリアルもヨーグルトも搭載していなかった時期」だと考えると時間の流れを感じますね。成田までの距離は「1,461km」、残りのフライトタイムは「1時間54分」です。

空から見る日本は一面の雲に覆われており、あまり天気は良さそうではありません。しかしまだ私たちは快晴の青空の中を飛行していますので、到着まで現地で買ったポルシェの雑誌を眺めながら過ごすこととします。表紙の特集は「996、997」となっていますが当然時代はすでに「991」になっていますので、お気になさらず。

いよいよ成田へ、夕暮れが最高の景色をプレゼント!

冬の日本ですの日は短く、TOD(Top Of Descend:降下開始地点)を迎えた15時18分でもすでに西日感のある空が広がり始めます。雲がちな空を上手に雲を避けつつ、最小限の揺れでアプローチ開始です。まだまだ自動操縦のエリアですが、ボーイングのオートパイロットは人間の生理に配慮したマニューバー(機動)で機体を導きます。シンプルに言えば旋回の最初と最後が穏やかで気持ち悪い動きをできる限り排除している印象です。更に揺れにくい787が使用する最新のアビオニクス技術により、無風の空を飛んでいるかの様なスムーズな旋回と降下は毎回惚れ惚れします。

機体はコスモポイントを超え、視界の奥に九十九里の海岸線をみながらいよいよ成田へのファイナルアプローチが始まりました。時刻は15時50分、美しい日本の夕暮れに出迎えられての旅の締めくくりです。すでにランディングギア(タイヤ)を出していますので、床下からはギアが風を切り裂く轟音が聞こえてきます。このアプーチ段階ではまだ機速は350km/h前後ありますので猛烈な風圧に耐えていることでしょう。

南風により使用滑走路が北側からの進入でしたのでより内陸に入ってからぐるっと旋回して成田へ向かうルートを取ったことにより圧巻の景色に出会うことができました。雲の隙間から覗く夕日に照らされた河川が黄金色に輝いており、日本の美しい国土を象徴する様なその姿を着陸前に堪能しました。雲間からは無数の「天使の梯子」が地上に向けて降りており、なかなか幻想的な旅の終わりです。

窓からは先行機の姿も見え、私たちもこの後180度旋回を行って滑走路へ向かいます。わかりづらいですが、左奥にはスカイツリーが見えていますね。

16時02分、私たちはブリュッセルから長時間のフライトを経て成田空港の「RWY16R」にランディング。最後まで787のスムーズな機体制御が光りとても快適なフライトでした。

ついに日本へ帰ってきました。58番スポットに到着し、夕暮れの成田の景色を眺めながら入国を急ぐこととします。

早くこうやって自由に空を飛べる日常が帰ってきます様に。

ではまた!

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●デュッセルドルフからのNH210を使用して帰京した際の記事はこちら!

●ANAビジネスクラスを利用してミュンヘン経由でブリュッセルへ行った際の記事はこちら!

 

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